

近年、売り手市場が続き、新卒採用では多くの企業が苦戦を強いられています。特にリソース不足や企業知名度の低さが課題となっている中小企業は、苦しい状況です。
本記事では、新卒採用が難しい理由や中小企業の新卒採用を成功させる対策などについて解説します。
中小企業の新卒採用が難しい理由

大手企業も含め、多くの企業が2026年卒採用も難しくなると予想しています。そのなかでも、中小企業や知名度が高くないベンチャー企業の新卒採用はさらに厳しい状況となるでしょう。
なぜ、中小企業の新卒採用はこれほどまでに難しいのでしょうか。まずはその理由から詳しく解説していきます。
売り手市場により母集団形成が難しい
2026年卒の大卒求人倍率は1.66倍となり、依然として売り手市場が続いています。この状況で、多くの企業が十分な母集団の形成に苦戦しています。
大手企業に応募者が集中する一方で、中小企業は依然として厳しい「売り手市場」の格差に直面しています。中小企業が優秀な応募者を集めるには、自社に最適な採用手法を選び、質の高い母集団形成をすることが重要です。
※参考:リクルートワークス研究所「大卒求人倍率調査(2026年卒)」
知名度が低く埋もれてしまう
新卒採用市場では、大手企業や知名度の高い企業に応募が集中し、中小企業や知名度が低いベンチャー企業は埋もれやすくなっています。その結果、採用要件に適した学生が集まらず、思うように採用できないケースも少なくありません。
十分な母集団形成を目指すには、採用広報が欠かせません。しかし、マンパワーやノウハウが不足している企業では、効果的に知名度を高められていない可能性があります。
内定承諾を得られない
中小企業の新卒採用では、内定承諾が得られず、採用につながらないケースが多くあります。
株式会社学情の調査によると、内々定獲得後も28.234.9%の学生が就職活動を継続しています。
また、「第一志望ではない企業から志望順位を聞かれた際、どう回答するか」という質問には、約半数が「第一志望以外の企業にも、第一志望だと伝える」と回答しました。
これは学生が本音を言いにくいことを表しています。実際、面接時に入社意欲を確認できても、内定承諾につながらないケースも多いのです。
近年、大手企業志向が高まっているため、中小企業やベンチャー企業は、内定承諾の獲得に苦戦する可能性があります。そのため、内定承諾を得るには、採用課題に適した対策が必要です。
※参考:株式会社学情「2025年卒学生の就職意識調査(内定承諾)2024年9月版」
※参考:株式会社学情「2024年卒学生の就職意識調査(選考)2024年4月版」
新卒採用に関する知識や経験が不足している
新卒採用の経験が浅い企業では、新卒採用に関するノウハウが十分に蓄積されていません。新卒採用に慣れていないため、企業に適した採用手法が取れておらず、採用に結びついていない可能性があります。
効率よく採用活動を進めるには、オンライン選考やSNSを利用した採用活動など、新卒採用に関する情報のアップデートが必要です。
中小企業における新卒採用の課題

中小企業の新卒採用には、大手企業とは異なる特性があります。限られたリソースのなかで最大限の成果を発揮するには、中小企業の新卒採用ならではの対策を講じることが重要です。
企業規模が小さいほど採用難や人手不足を感じている
中小企業は、賃金や福利厚生、知名度といった面で大手企業に劣ることが多く、優秀な人材の確保に苦戦しています。
特に、近年は学生が企業を選ぶ「売り手市場」が続いており、この傾向はさらに強まっています。
従来の就職情報サイトを中心とした採用活動では、知名度の高い大手企業に学生の応募が集中し、中小企業は自社の魅力を知ってもらう機会すら得にくいのが現状です。
そこで、企業が学生に直接アプローチできるダイレクトリクルーティングが注目されています。
ダイレクトリクルーティング型就職サイト「Re就活キャンパス」なら、スカウトメールや動画を活用し、企業の魅力を直接求職者にアピールできます。
新卒採用よりも中途採用に注力している企業が多い
新卒採用には、採用活動に加えて新入社員の育成にも多くの費用や時間が必要です。中小企業の多くは、この研修・教育リソースが不足しているため、新卒採用に踏み切れずにいます。
そのため、「すぐに活躍してほしい」という理由から、中途採用に注力する企業が多い傾向にあります。
研修や教育にかかるリソースを削減しつつ若手人材を確保したい場合は、20代・第二新卒採用を検討してみましょう。
20代・第二新卒は、1〜3年程度の社会人経験があるため、ビジネスの基礎が身についています。また、特定の企業文化に深く染まっていないため、新しい環境にも適応しやすいというメリットもあります。
20代・第二新卒採用を目指すなら、20代転職に特化した「Re就活」がおすすめです。登録会員の93.3%が20代のため、採用ターゲットに効率よくアプローチできます。
通年採用を実施している中小企業が多い
リクルートワークス研究所の調査によると、従業員規模が300人未満の中小企業の46.8%が通年採用を実施・検討しており、これは大手企業の38.3%を大きく上回る結果でした。
中小企業が通年採用に積極的な背景には、人手不足の現状や、担当者の業務負担を減らしたいという意図があります。
特定の時期に応募が集中する従来の採用スケジュールでは、業務負担が大きくなりがちですが、通年採用であれば応募が分散されるため、担当者の負担を軽減できます。
また、採用人数が少ない中小企業は一度に大量募集をかける必要がないため、年間を通じてじっくりと自社に合った人材を見極めるほうが効率的だといえるでしょう。
通年採用を導入するなら、20代・第二新卒採用特化した「Re就活」が最適です。
「自分のペースでキャリアを築きたい」と考える若手層は、時期を限定せず、流動的に転職活動を続けています。
そのため、常に働く意欲の高い求職者が活動しているRe就活は、通年採用と非常にマッチします。
※参考:リクルートワークス研究所「新卒・中途採用横断レポート」
中小企業が新卒採用を成功させる5つの対策

ここまで、中小企業の新卒採用が難しい理由について解説してきました。多くの中小企業では、新卒採用において悩みを抱えています。
次は、中小企業の採用活動を成功させる対策について解説していきます。
採用要件を明確にする
採用活動を効率的に進めるには、採用要件を明確化することが大切です。
採用ターゲットによって、効率的な訴求方法は異なります。採用要件を明確に設定することで、求職者が何を基準に企業を選んでいるのか、どのような点に魅力を感じるのかなどを把握しやすくなります。
採用要件を設定する際は、採用したい人物像を細かく設定したペルソナをつくってみましょう。人事部だけでなく、採用に関わる他部署の社員とも共有することで、採用したい人物像のズレが防げます。
採用広報に力を入れて知名度を向上させる
中小企業の新卒採用を成功させるには、採用広報に力を入れて知名度を向上させることが重要です。
採用広報には、採用ホームページの作成やSNSでの情報発信、WEB広告やリスティング広告(検索エンジンで検索したキーワードに連動して表示される広告)の活用などがありますが、マンパワーが不足している企業では業務負担が増加してしまうかもしれません。
マンパワーがかけられない企業には、Re就活キャンパスの「JobTube」がおすすめです。
「JobTube」では、求人広告の原稿や掲載画像を元に企業の魅力を15〜30秒の短い動画にまとめます。撮影の手間をかけずに動画で職場の雰囲気や魅力を伝えられるので、忙しい企業にはぴったりです。
内定者フォローを行う
内定承諾率を上げるには、すぐに内定者フォローを行うことが大切です。
内定後も就活を継続する学生は少なくなく、入社意思を確認していても内定辞退になってしまう場合もあります。
内定承諾率を上げるためには、内定後に面談や既存社員との交流の場を設け、求職者の不安解消に取り組みましょう。
内定者の不安や疑問を解消することで、内定承諾率の向上だけでなく、マッチング度の向上や早期離職の防止などの効果も期待できます。
採用ターゲットを広げて第二新卒の採用を目指す
母集団形成が難しい場合は、採用ターゲットを広げて第二新卒の採用を目指すのもひとつの方法です。
第二新卒は通年採用が可能なため、採用業務にかかる負担を分散できます。また、新卒採用と通年採用のスケジュールを調整することで、採用活動の効率化が図れるでしょう。
他にも、第二新卒は就業経験があるため、基本的なビジネス研修が不要な場合が多いです。母集団形成を増やすだけでなく、教育コストの削減にもつながります。
職場環境の整備に努めている企業ほど採用に成功している
中小企業庁の調査によると、職場環境の整備に積極的な企業ほど、従業員数が増加していることが明らかになっています。
働き方改革が注目される今、職場環境の整備は企業の魅力やイメージ向上に直結します。
SNSや口コミサイトで企業情報を収集する求職者が増えているため、「働きやすい企業」というイメージは、優秀な人材の応募意欲を高める大きな魅力となるでしょう。
中小企業がすぐにできる職場環境の整備には、次のようなものがあります。
- 共有スペースや個人のデスクを整理整頓する
- リフレッシュルームを設ける
- 意識的に休憩を取ることを促す
- 無駄な会議や資料作成を見直す
※参考:中小企業庁「2024年版 中小企業白書」
中小企業の新卒採用におすすめの採用手法

新卒採用の採用手法は多岐にわたり、それぞれ特徴やメリット、デメリットが異なります。
新卒採用を効率的に進めるには、自社に適した採用手法を見つけ、効果的に運用することが重要です。
採用手法の特徴やメリット、デメリットを把握したうえで、自社に適した手法を取り入れましょう。
求人広告
求人広告とは、企業の求人情報を求人サイトや求人誌に掲載して求職者を集める採用手法です。最も一般的な手法で、多くの求職者が求人広告を主軸に就活や転職活動を行っています。
求人広告を選定する際は、媒体の特長と自社の採用課題がマッチするものを選びましょう。
たとえば「Re就活キャンパス」は、ダイレクトリクルーティングを強みとする新卒向けの求人サイト(就職情報サイト)です。
動画を通して企業の魅力や雰囲気を発信したり、スカウトメールを活用したりして、マッチング度の高い採用を支援しています。
企業が求職者に直接アプローチできるため、知名度の低い企業でも、採用ターゲットに自社の強みや魅力を効率的にアピールできます。
メリット |
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デメリット |
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人材紹介
人材紹介とは、人材紹介会社が企業の求める人材像にマッチする求職者を選定し、企業に紹介するサービスです。
料金体系は、採用に至った場合に費用が発生する「成果報酬型」を導入している企業が多いため、採用人数によっては他の手法と比べて採用単価が高くなる傾向にあります。
人材紹介を活用する際は、採用要件や人数、予算などを考慮し、効果的に取り入れることがポイントです。
メリット |
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デメリット |
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合同説明会(合同企業セミナー)
合同説明会(合同企業セミナー)とは、企業と学生が一堂に会し、自社の採用情報や就職に関する情報を提供するイベントのことです。
合同説明会には幅広い学生が集まる「総合型」や、業界や学生の志向に特化した「特化型」のイベントがあります。
合同説明会を選定する際は、自社の採用課題やターゲットに適したイベントを選ぶことが大切です。
たとえば、株式会社学情が運営する「就職博」は、新卒だけでなく第二新卒・ヤングキャリアもターゲットとしているため、幅広い求職者との出会いを期待できます。
メリット |
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デメリット |
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ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、企業が求める人材を直接探し出し、スカウトメールなどでアプローチする「攻めの採用手法」です。
売り手市場が続き、人材獲得競争が激化するなかで注目が集まっています。
「Re就活キャンパス」では、学生が登録したキャラクター(アバター)と自己診断した性格タイプ、就職活動の進捗度の掛け合わせでスカウト対象を検索できます。
適職診断など、一面的な診断結果からは分からない学生のリアルな性格・タイプに応じたアプローチが可能です。
メリット |
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デメリット |
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リファラル採用
リファラル採用とは、自社の既存社員や新入社員、内定者から、採用要件に適した人材を紹介してもらう採用手法です。
血縁者や身近な人を優遇する意味合いを持つ縁故採用とは異なり、リファラル採用は応募者の母数獲得を目標としています。
候補者が採用に至った場合、紹介者に対してインセンティブを支給するのが一般的です。インセンティブは賃金や賞与の一部である旨を、就業規則などに明記しておきましょう。
メリット |
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デメリット |
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中小企業の新卒採用成功事例
限られたリソースでも、工夫次第で優秀な人材は獲得できます。中小企業の新卒採用事例を参考にし、自社に適した採用戦略を立てましょう。
株式会社岐阜造園
課題・ニーズ |
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活用したサービス |
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効果 | 24卒では、施工管理職を含む4人の内定者を確保 |
株式会社岐阜造園は、岐阜県を中心に造園業を展開している会社です。
成長意欲の高い人材を獲得するため、新卒採用を実施。しかし、数年前からエントリー数や説明会参加率が低迷し、採用戦略の全面的な見直しを必要としていました。
質の高い母集団形成を目指して「Re就活キャンパス」を導入。スカウトメールに加え、企業のリアルを伝える動画サービス「JobTube」を活用することで、企業理解度の向上を図りました。
その結果、会社説明会への参加率は50%以上と劇的に改善、24卒では採用難易度が高いといわれる施工管理職を含め、4人の内定者の獲得に成功しました。
柴田科学株式会社
課題・ニーズ |
「待ちの採用」の限界、希望する母集団の形成に苦戦 |
活用したサービス |
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効果 | 理系出身者4人を含む、5人の新卒・第二新卒の採用に成功 |
柴田科学株式会社は、環境測定機器や科学分析機器を開発・製造・販売している企業です。
以前より大手ナビサイトを主軸に新卒採用をしていましたが、年々、母集団形成に苦慮する状況が見られました。特に機電系の採用は難易度が高く、その状況を打破するため、新たにダイレクトリクルーティングサイト「Re就活キャンパス」を導入。
機電系学生を中心にスカウティングを行い、質の高い母集団形成へとつながりました。初めてのダイレクトリクルーティングでしたが、株式会社学情のスタッフによるサポートや、管理画面の使いやすさを高く評価していただきました。
23卒学生の採用では、理系出身者4人を含む、5人の新卒・第二新卒の採用を達成しています。
株式会社伊藤久右衛門
課題・ニーズ |
3年ぶりの採用再開にあたり、二人三脚で採用活動を支えるパートナー企業を選定 |
活用したサービス |
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効果 | 質の高い母集団から100%の選考移行率を実現し、過去最高人数の内定出しに成功 |
株式会社伊藤久右衛門は、京都府宇治市に本店を構える老舗のお茶屋です。
人的リソース不足を補うため、採用活動を二人三脚で取り組める人材会社を探していました。親身な姿勢と営業担当の熱意が評価され、株式会社学情にご依頼いただきました。
学生のトレンドや特性、他社の採用事例など、学情が持つノウハウを活かして採用活動をサポート。「就職博」では出展準備から当日の段取りまで支援しました。
その結果、質の高い母集団から100%の選考移行率を実現し、過去最高人数の内定出しに成功しています。
新卒採用に苦戦するときは「Re就活キャンパス」で攻めの採用にシフトしよう!
新卒採用では、業績回復で企業の採用意欲が高まり人材獲得競争が激化しています。それにより、売り手市場の傾向が強まり、採用難に悩む企業が少なくありません。
特に就活生への積極的なアプローチは、採用の成否を大きく左右します。就活生に効果的にアプローチしたい企業は、「Re就活キャンパス」の活用をご検討ください。
「Re就活キャンパス」は、会員数60万人を誇るダイレクトリクルーティングサイトです。
ターゲットに直接アプローチできる強力なツールであり、母集団形成やマッチング度の高い採用が期待できます。
新卒採用にお困りの方は、「Re就活キャンパス」を運営する株式会社学情へお問い合わせください。

株式会社学情 エグゼクティブアドバイザー(元・朝日新聞社 あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)編集長)
1986年早稲田大学政治経済学部卒、朝日新聞社入社。政治部記者や採用担当部長などを経て、「あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)」編集長を10年間務める。「就活ニュースペーパーby朝日新聞」で発信したニュース解説や就活コラムは1000本超、「人事のホンネ」などでインタビューした人気企業はのべ130社にのぼる。2023年6月から現職。大学などでの講義・講演多数。YouTube「あさがくナビ就活チャンネル」にも多数出演。国家資格・キャリアコンサルタント。著書に『最強の業界・企業研究ナビ』(朝日新聞出版)。