近年、売り手市場が続き、新卒採用では多くの企業が苦戦を強いられています。とくにリソース不足や企業知名度の低さが課題となっている中小企業は、苦しい状況です。
本記事では、新卒採用が難しい理由や中小企業の新卒採用を成功させる対策などについて解説します。
中小企業の新卒採用が難しい理由
大手企業も含め、多くの企業が2026年卒採用も難しくなると予想しています。とくに中小企業や知名度が高くないベンチャー企業の新卒採用はさらに厳しい状況となるでしょう。
まずは中小企業の新卒採用が難しい理由について解説していきます。
売り手市場により母集団形成が難しい
2025年卒の求人倍率は1.75倍となっており、2024年卒よりも0.04ポイント上昇しました。売り手市場が続いており、十分な母集団形成ができないケースも少なくありません。
一方で大手企業には応募者が集中しており、大手企業は買い手市場、中小企業は売り手市場といった格差が生じています。中小企業が応募者を集めるためには、自社に適した採用手法を用いて、質の高い母集団形成をすることが大切です。
知名度が低く埋もれてしまう
新卒採用市場では、大手企業や知名度の高い企業に応募が集中し、中小企業や知名度が高くないベンチャー企業は埋もれやすくなっています。その結果、採用要件に適した学生が集まらず、思うように採用できないケースも少なくありません。
十分な母集団形成を目指すには、採用広報が大切です。しかし、課題を抱えている企業は、マンパワーやノウハウ不足によってうまく知名度を上げられていない可能性があります。
内定承諾を得られない
中小企業の新卒採用では、内定承諾が得られず、採用につながらないケースが多いです。
株式会社学情がおこなった学生アンケートの調査結果では、内々定を獲得したあとの行動について、「就職活動を継続」した学生が34.9%にのぼります。同じく「第一志望ではない企業から志望順位を聞かれた際に、どのように回答するか」というアンケートでは、約半数が「第一志望以外の企業にも、第一志望だと伝える」と回答しました。
面接時に入社意欲が確認できても、内定承諾につながらないケースも多いです。とくに中小企業やベンチャー企業の内定辞退率は、大手企業と比べて高い傾向にあります。
新卒採用にかけるマンパワーが不足している
新卒採用は、採用活動の時期が決まっているため、限られた期間内に多くの業務を遂行しなければなりません。
社員数の少ない中小企業やベンチャー企業では、採用活動とほかの業務を兼任しているケースが多く、会社説明会や就活イベントへの出展に制限がかかってしまったり、学生へのフォローが不足してしまったりします。
また、新卒を採用しても、新入社員の教育にマンパワーが割けない場合も少なくありません。
新卒採用に関する知識や経験が不足している
新卒採用の経験が浅い企業では、新卒採用に関するノウハウが十分に蓄積されていません。新卒採用に慣れていないため、企業に適した採用手法が取れておらず、採用に結びついていない可能性があります。
効率よく採用活動を進めるには、オンライン選考やSNSを利用した採用活動など、新卒採用に関する情報のアップデートが必要です。
中小企業が新卒採用を成功させる5つの対策
ここまで、中小企業の新卒採用が難しい理由について解説してきました。多くの中小企業では、新卒採用において悩みを抱えています。
次は、中小企業の採用活動を成功させる対策について解説していきます。
自社に適した採用手法を取り入れる
新卒採用の採用手法は多岐にわたり、それぞれ特徴やメリット、デメリットが異なります。新卒採用を効率的に進めるには、自社に適した採用手法を見つけ、効果的に運用することが重要です。
採用手法の特徴やメリット、デメリットを把握したうえで、自社に適した採用手法を取り入れましょう。
求人広告
求人広告とは、企業の求人情報を求人サイトや求人誌に掲載して求職者を集める採用手法です。
求人広告のメリット、デメリットは次の通りです。
メリット |
・幅広い学生にアプローチできる。 |
デメリット |
・採用できなくても掲載費がかかる。 |
自社に適した求人広告を選ぶには、求人サイトや求人誌の特徴をしっかり把握しておくと良いでしょう。
たとえば「あさがくナビ」は、ダイレクトリクルーティングを強みとする求人サイトです。動画を通して企業の魅力や雰囲気を発信したり、スカウトメールを活用したりして、マッチング度の高い採用を支援しています。
知名度が低く、企業の魅力を上手く発信できずに悩んでいる中小企業におすすめなのが求人広告です。
人材紹介
人材紹介とは、就職エージェントが企業の採用要件に適した学生を紹介するサービスです。
人材紹介のメリット、デメリットは次の通りです。
メリット |
・採用要件に適した学生を紹介してもらえるため、マッチング度が高い。 ・採用活動の一部をエージェントに任せられるため、業務負担が軽減できる。 |
デメリット |
・成功報酬額が高い。 |
人材紹介は成功報酬額が高いため、人材紹介だけで採用予定人数を採用しようとすると採用コストが高くなってしまいます。
採用予定人数や予算、採用要件などを考慮し、効果的に活用しましょう。
就活イベント(合同企業セミナー)
就活イベントとは、企業と学生が直接やり取りできるイベントです。
就活イベント(合同企業セミナー)のメリット、デメリットは次の通りです。
メリット |
・学生に応じて選考フローを柔軟に変更できる。 |
デメリット |
・イベントに参加する人員(他部署の協力)が必要。 |
たとえば、株式会社学情が運営する「就職博」は年間7,000社が出展し、20万人の学生を動員しています。志望業界別や理系限定など学生の特性に合わせたイベントも開催することで、企業の母集団形成をサポートします。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングとは、スカウトメールなどを使って、企業から学生にアプローチする採用手法です。
ダイレクトリクルーティングのメリット、デメリットは次の通りです。
メリット |
・求人サイトに登録している学生に対して、直接コンタクトが取れる。 |
デメリット |
・採用担当者の業務負担が大きい。 |
「あさがくナビ」では、学生が登録したキャラクター(アバター)と自己診断した性格タイプ、就職活動の進捗度の掛け合わせでスカウト対象を検索できます。適職診断など、一面的な診断結果からは分からない学生のリアルな性格・タイプに応じたアプローチが可能です。
リファラル採用
リファラル採用とは、内定者や新入社員から友人や後輩を紹介してもらう採用手法です。
リファラル採用のメリット、デメリットは次の通りです。
メリット |
・内定者や新入社員と似た価値観を持った人材を紹介してもらえる可能性が高く、マッチング度の高い採用が期待できる。 |
デメリット |
・紹介される人材のタイプに偏りが生じやすい。 |
血縁者や身近な人を優遇する意味合いを持つ縁故採用とは異なり、リファラル採用は応募者の母数獲得を目標としています。ほかの応募者と同等に選考を進めるため、不採用になる場合もあります。
採用要件を明確にする
採用活動を効率的に進めるには、採用要件を明確化することが大切です。
採用ターゲットによって、効率的な訴求方法は異なります。採用要件を明確に設定することで、求職者が何を基準に企業を選んでいるのか、どのような点に魅力を感じるのかなどを把握しやすくなります。
採用要件を設定する際は、採用したい人物像を細かく設定したペルソナをつくってみましょう。人事部だけでなく、採用に関わる他部署の社員とも共有することで、採用したい人物像のズレが防げます。
採用広報に力を入れて知名度を向上させる
中小企業の新卒採用を成功させるには、採用広報に力を入れて知名度を向上させることが重要です。
採用広報には、採用ホームページの作成やSNSでの情報発信、WEB広告やリスティング広告の活用などがありますが、マンパワーが不足している企業では業務負担が増加してしまうかもしれません。
マンパワーがかけられない企業には、あさがくナビの「JobTube」がおすすめです。「JobTube」では、求人広告の原稿や掲載画像を元に企業の魅力を15〜30秒の短い動画にまとめます。撮影の手間をかけずに動画で職場の雰囲気や魅力を伝えられるので、忙しい企業にはぴったりです。
内定者フォローを行う
内定承諾率を上げるには、すぐに内定者フォローを行うことが大切です。内定後も就活を継続する学生は少なくなく、入社意思を確認していても内定辞退になってしまう場合もあります。
内定承諾率を上げるためには、内定後に面談や既存社員との交流の場を設け、求職者の不安解消に取り組みましょう。内定者の不安や疑問を解消することで、内定承諾率の向上だけでなく、マッチング度の向上や早期離職の防止などの効果も期待できます。
採用ターゲットを広げて第二新卒の採用を目指す
母集団形成が難しい場合は、採用ターゲットを広げて第二新卒の採用を目指すこともひとつの方法です。
第二新卒は通年採用が可能なため、採用業務にかかる負担を分散できます。また、新卒採用と通年採用のスケジュールを調整することで、採用活動の効率化が図れるでしょう。
ほかにも、第二新卒は就業経験があるため、基本的なビジネス研修が不要な場合が多いです。母集団形成を増やすだけでなく、教育コストの削減にもつながります。
新卒採用に苦戦するときは「あさがくナビ」で攻めの採用にシフトしよう!
新卒採用では、業績回復で企業の採用意欲が高まり人材獲得競争が激化しています。それにより、売り手市場の傾向が強まり、採用難に悩む企業が少なくありません。。
特に就活生への積極的なアプローチは、採用の成否を大きく左右します。就活生に効果的にアプローチしたい企業は、「あさがくナビ」の活用をご検討ください。
「あさがくナビ」は、会員数40万人を誇るダイレクトリクルーティングサイトです。ターゲットに直接アプローチできる強力なツールであり、母集団形成やマッチング度の高い採用が期待できます。
新卒採用にお困りの方は、「あさがくナビ」を運営する株式会社学情へお問い合わせください。
株式会社学情 エグゼクティブアドバイザー(元・朝日新聞社 あさがくナビ編集長)
1986年早稲田大学政治経済学部卒、朝日新聞社入社。政治部記者や採用担当部長などを経て、「あさがくナビ」編集長を10年間務める。「就活ニュースペーパーby朝日新聞」で発信したニュース解説や就活コラムは1000本超、「人事のホンネ」などでインタビューした人気企業はのべ130社にのぼる。2023年6月から現職。大学などでの講義・講演多数。YouTube「あさがくナビ就活チャンネル」にも多数出演。国家資格・キャリアコンサルタント。著書に『最強の業界・企業研究ナビ』(朝日新聞出版)。