
今回は、2025年卒の採用スケジュールについて解説。
学生が就職活動をスタートする時期別に3例ご紹介します。
採用ターゲットに合わせて、採用戦略を立てる際にぜひご活用ください。
また、2025年卒採用におけるトピックスや変更点も併せて紹介します。
知っておきたい、2025年卒新卒採用の3大トピックス
2025年卒から一定の条件下でインターンシップと採用の連携が可能になるなど、採用広報解禁前のルールが変わるため、インターンシップの重要度はより一層高まります。とはいえ、採用活動においてインターンシップが重要であることは、2024年卒以前から顕著となっていました。採用活動の早期化や長期化を含め、これまでのトレンドがより強くなるというのが正しい理解となりそうです。
1.採用活動の早期化
新卒採用のスタートは年々早まっています。24年卒学生の4人に1人は、大学3年生になる前から情報収集を開始しているというアンケート結果もあります。

また、2024年卒学生の2月度の内々定率(1月末段階)は「21.9%」(引用:https://service.gakujo.ne.jp/24naiteiritsu0203)にのぼっており、5人に1人は3年生の1月時点で内々定を得ていることが分かります。内々定率は前年同時期を2.5ポイント上回っており、学生が内々定をもらう時期が早まっていると言えます。この層の学生は早くから動き始めて内々定を貰った層と考えられます。
2.採用活動の長期化
3年生の夏季休暇などに合わせてインターンシップを複数回実施するなど、実質的に採用活動のスタートは早まっているものの、学生から内定の承諾を得る時期は大きく変わらないため、母集団形成開始~採用活動終了までの期間が約1年以上に及び、長期化の傾向も強まっています。
3.通年採用を実施する企業の増加
時期を決めずに採用活動を行う、通年採用を実施する企業も増えています。通年採用では、大学1・2年生など全学年や既卒者を対象にしており、通年で門戸を開く、もしくは応募の機会を複数回設けます。大手金融機関も新卒採用時期を分散し始めるなど、通年採用を導入し採用における多様性を高める動きが、外資系企業やメガベンチャ―企業以外にも広がっています。
通年採用を実施しない企業においても、自社が採用活動をしていない間に、通年採用を実施している他の企業は採用活動を行っている可能性があることを頭に入れておく必要があるでしょう。
2025年卒新卒採用の前年との違い|インターンシップと採用の連携が可能に
文部科学省、厚生労働省、経済産業省は、「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」を改正しました。2025年卒採用より、「長期休暇中に実施」「開催日数5日以上」「開催日数の半分以上は職場での就業体験を実施」などの一定の条件下で、インターンシップを通じて取得した学生情報・評価を採用広報・選考に活用できるようになります(インターンシップはあくまでもキャリア形成支援の仕組みであり、学生は改めて採用選考のためのエントリーが必要になります)。インターンシップと採用の連携が可能になると、より早期から積極的に動く学生が増え、インターンシップでの情報発信・体験機会の提供の重要度はますます高まります。
また、主に企業・就職情報会社や大学キャリアセンターが主催する「超短期(短日)」「就業体験はなし」のイベント・説明会などは、「オープン・カンパニー」というタイプに分けられることになります。オープン・カンパニーで取得した学生情報の採用活動への活用はできません。
2025年卒の新卒採用スケジュール
就職活動をスタートする時期ごとに学生の動きを説明します。

1.早期から動く層
4月~5月|4月から「6月エントリー予約」受付開始
インターンシップサイトのオープンに合わせて情報収集を開始。夏季休暇中のインターンシップ参加に向けて企業やインターンシップに関する情報収集を行います。この時点でOBOG訪問を開始するなど、業界研究や仕事研究を行い、インターンシップに参加したい企業を絞り込む学生も一定数います。
6月・7月|仕事・業界への理解を深める
6月1日からインターンシップのエントリーが可能になり、学生は夏季休暇中に参加できるインターンシップにエントリーを行います。オンライン・リアルを問わずオープン・カンパニーやインターンシップに複数社参加し、業界研究・仕事研究を行います。この時期は、興味がある仕事内容や業界への理解を深めたいと思っており、まずは大枠をつかむところから始めていると言えるでしょう。
7月末には春学期の期末試験があり、一時活動量が低下しますが、6月に出会った企業などのインターンシップにも引き続き参加します。
8月~9月中旬|興味を持った企業への理解を深める
これまでの情報収集やイベントなどで興味を持った企業のオープン・カンパニーやインターンシップに複数社参加しながら、就業体験が可能な複数日程に参加します。就業体験が可能なインターンシップは、リアルで参加を希望する学生が多い傾向です。Z世代にあたる2025年卒学生には、インターネット上で効率よく情報収集をすることと、実際に足を運ばないとわからない、会社の雰囲気や社員とのコミュニケーションなどの両方を大切にする価値観があるのではないでしょうか。
そして、インターンシップやオープン・カンパニーに参加して特に興味を持った企業の社風を知りたいというニーズが高まり、動画やWebメディアで企業のリアルを知ることができる情報や、社員と交流できる機会を通じて、企業理解を醸成していきます。6・7月の大枠をつかむところから、対象は企業単位に移っていくと言えるでしょう。
9月中旬~10月|インターンシップを終え一時活動低下
講義が始まり、一大イベントである長期のインターンシップを終えて、活動量が一時低下します。土日などを活用して参加できるオープン・カンパニーの情報収集を開始します。
11月|志望度の高い企業とは複数回接点を持つ学生も
夏や秋にインターンシップやオープン・カンパニーに参加した企業のうち、特に志望度の高い企業のオープン・カンパニーに再度参加する学生もみられます。インターンシップ参加企業から選考の案内を受け、選考参加を経験する学生も出始めます。24卒学生対象のアンケートによると、12月時点で半数以上が選考参加を経験しています。これも早期化の波と見られます。

12月~1月|秋学期試験のため学業の割合が高くなる
1月には秋学期の試験があるため、多くの学生が試験準備に時間を割きますが、試験準備で忙しくなる前に選考やインターンシップに参加しようと考える学生も一定数います。
2月~|3月からの解禁に向け本格始動
各社オープン・カンパニーの開催頻度が増えるため、学生側も3月からの採用広報活動解禁に向けて情報収集を本格化します。
2.周りに合わせて一斉に動き始める層
3年生の5月|大学の就職ガイダンスから始動
5月に各大学が順次就職ガイダンスの開催を始め、それに促される形で情報収集を開始します。夏季休暇中に参加できるインターンシップについて調べ始めます。
6月~8月|夏のインターンシップに向け徐々に活動量アップ
6月1日のインターンシップ情報解禁以降、参加を希望するインターンシップへのエントリーを進めます。夏季休暇中に参加するプログラムは、就業体験ができるものや社員と交流できるものが人気の傾向です。実際に仕事を体験する機会や、社員と学生が交流する機会を設け学生が実際に働くイメージを描けるコンテンツを用意することが効果的です。
8月時点で、就職活動中の学生の8割以上がインターンシップに参加しているとするデータもあります。インターンシップの重要度はますます高まっています。

9月中旬~10月|インターンシップを終え、一時就活以外に心が向く
夏季休暇が終わり、講義が始まるため、一時就活以外に心が向きます。ただ、夏季休暇中に活動を行わなかった学生が、既にインターンシップなどに参加した学生の話を聞き、焦りを感じて行動を始める時期であるとも言えるでしょう。秋冬のインターンシップやオープン・カンパニーへの参加を検討し始めます。
11月、12月|秋冬オープン・カンパニーに参加
早期から動く層と同じく、気になった企業の秋冬オープン・カンパニーなどに再度参加するというケースもあります。12月時点で、「選考に参加したい企業」を1社以上決めている学生が7割を超えることから、オープン・カンパニーやインターンシップは学生の志望動機の醸成に大きな影響を与えると言えます。学生にとって良いオープン・カンパニーやインターンシップは何かということを、企業側は考え続ける必要があります。

1月には秋学期試験があるため、その準備を始めます。
2月~|本格始動
3月に向け、選考を受ける企業の選定・そのための情報収集を本格化します。
3.解禁直前にスタートする層
11月、12月|解禁直前に情報収集を開始
この層は、3月の就活解禁を目前にして行動を開始する層です。8割以上の学生が8月時点でインターンシップを経験していると考えると、約2割程度の学生がこのタイミングで就活をスタートするとも言えます。
まずは名前を知っているインターンシップ情報サイトなどに登録し、合同企業セミナーに足を運び企業選定を行うでしょう。業界研究や自己分析も同じタイミングから始めるため、解禁後も動きが遅いことがあります。
11月、12月|解禁直前に情報収集を開始
この層は、3月の就活解禁を目前にして行動を開始する層です。8割以上の学生が8月時点でインターンシップを経験していると考えると、約2割程度の学生がこのタイミングで就活をスタートするとも言えます。
まずは名前を知っているインターンシップ情報サイトなどに登録し、合同企業セミナーに足を運び企業選定を行うでしょう。業界研究や自己分析も同じタイミングから始めるため、解禁後も動きが遅いことがあります。
1月・2月|オープン・カンパニーなどに参加
オープン・カンパニーに参加し、3月以降エントリーしたい企業を検討していきます。
まとめ:採りたい層に合わせた採用計画が重要
学生の就職活動のスタート時期によって、企業が提供すべき情報は変化します。また、どの時期に集中的に採用活動を行うかによっても採用できる層は変わってくるでしょう。どの層の人材を採用したいか、それに合わせて採用計画を立てることが重要です。
- 早期から動く層
大学3年生になる前から情報収集を開始している学生も
キャリア形成への意欲が高く、実際に経験できる仕事内容や身につくスキルへの関心も高い
就業体験や社員との交流へのニーズも高い
志望度の高い企業とは複数回接点を持つ学生も
-
周りに合わせて一斉に動き始める層
大学の就職ガイダンスから始動
主に夏季休暇中のオープン・カンパニーやインターンシップに参加
インターンシップに参加した企業の中から選考に参加するか決定
-
解禁直前にスタートする層
合同企業セミナーなどで業界研究を実施
業界研究と自己分析を同時に進める傾向
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