【中途採用】20代採用を成功させるポイントとは?
メリットも解説
2024.12.04
中途採用において、20代採用が注目されています。20代求職者は、社会人経験は浅いものの、ポテンシャルの高い人材が多い傾向にあるためです。そのため、即戦力採用が難しい場合は、将来的に幹部候補への成長が期待できる20代採用にシフトするのもひとつの方法でしょう。
本記事では、20代採用を成功させるポイントやメリットについて解説していきます。中途採用でお困りの方は、ぜひ参考にしてください。
中途採用では20代採用に注目が集まっている
売り手市場が続き、多くの企業で新卒採用が難しくなっています。また、中途採用では人材獲得競争の激化によって、即戦力の採用難が深刻な状況です。
厳しい状況が続くなか、20代の中途採用に注力する企業が増えています。
株式会社学情の調査によると、 キャリア採用において、特に採用したい年齢層は「20 代(26~29 歳)」が最多であり、20代採用に注目が集まっているのが分かります。
一方で、採用の難易度に関する調査では、20代を対象にしたキャリア採用は「難しい」と回答した企業が8割に迫っており、約半数の企業が「(1年前と比較して)20代キャリア採用の難易度が上がった」と回答しました。
そのため、20代採用を成功させるには、若手採用に特化した対策が必要です。
※参考:株式会社学情「採用対象に関する調査」
※参考:株式会社学情「20代を対象にしたキャリア採用の難易度に関する調査」
既卒・第二新卒・ヤングキャリア・キャリアの違い
中途採用は、おもに既卒・第二新卒・ヤングキャリア・キャリアの4種類に分類されます。
それぞれの違いは、次の通りです。
|
年齢 |
社会人経験 |
定義 |
既卒 |
|
なし |
学校卒業後、留学やボランティア活動に力を入れるなどして、進学も就職もしていない人材 |
第二新卒 |
25~26歳くらい |
3年未満 |
1~2年の社会人経験を持つポテンシャル人材 |
ヤングキャリア |
26~29歳 |
3年以上 |
3~7年の社会人経験があり、同業種でのステップアップまたはキャリアチェンジを考えている人材 |
キャリア |
30歳以上 |
8年以上 |
高いスキルと経験をもつ即戦力人材 |
経験や実績を求めるなら、ヤングキャリアやキャリアの採用を目指しましょう。
20代採用ではポテンシャルが重視される
20代採用では、ポテンシャルが重視される傾向にあります。
株式会社学情の調査によると、20代キャリア採用において、入社後に期待することは「中長期的な戦力になること」が最多で79.7%にも上りました。
また、同社の別調査では20代を対象にしたキャリア採用では「業界・職種経験を問わない」企業が7割に迫り、多くの企業が育成を前提として長く活躍してくれることを期待していると分かります。
※参考 :株式会社学情「20代を対象としたキャリア採用に期待することに関する調査」
※参考 :株式会社学情「採用対象に関する調査」
中途採用で20代を採用するメリット
中途採用において20代を採用するメリットについて解説します。
ビジネススキルの基礎が身についている
第二新卒やヤングキャリアは、社会人経験があるので、ビジネススキルの基礎が身についている可能性が高いです。そのため、求職者のスキルによっては、研修にかかるコストや業務負担が軽減させられるでしょう。
また、仕事の進め方を前職で学んでいるため、入社後、早い段階での活躍が期待できます。
母集団形成がしやすい
20代採用では、未経験者や経験の浅い人材も対象となるので、採用の幅が広がり、母集団形成がしやすくなります。一方で、求職者にとっては応募条件が緩和されるため、応募しやすくなることがメリットです。
採用要件を明確にすれば、未経験者であっても、将来の幹部候補になり得る人材を獲得しやすくなります。
将来の幹部候補を養成できる
20代の求職者は、仕事に対する価値観が柔軟なため、将来の幹部候補を養成できます。
即戦力となる人は、高いスキルや豊富な実績を持っている一方で、新しい環境に馴染むのに時間がかかるケースが少なくありません。人によっては、前職のやり方を引きずり、本来のパフォーマンスが発揮できないこともあります。
20代の求職者は、新しいことにも積極的に取り組めるため、さまざまな部署で経験を積みながらゼネラリストを目指せます。時間をかけて養成していくことで、将来の幹部候補となるまでの成長が期待できるでしょう。
20代の中途採用を成功させる5つのポイント
20代の中途採用を成功させるポイントについて解説します。
採用要件を明確化する
20代の中途採用を成功させるには、採用要件の明確化が重要です。
20代採用は、未経験者や経験の浅い求職者が多いため、スキルや実績だけでなく、求職者のパーソナリティに関する項目も詳細に設定しましょう。
株式会社学情の調査によると、企業が20代キャリア採用の面接で評価する点は「人柄・社風との相性」が89.4%と最多でした。次いで、「コミュニケーション力」が74.7%、「仕事に対する姿勢や考え方」が66.0%と続いています。これに対し、「実績」と「所有資格やスキルの高さ」はともに20.3%と低い結果でした。
この調査結果から、20代採用を行っている企業の多くが、求職者のポテンシャルやパーソナリティを重視していることが分かります。
※参考 :株式会社学情「20代採用における評価ポイントに関する調査」
企業の魅力や強みをアピールする
20代を採用するには、仕事のやりがいや魅力について、積極的に情報発信することが大切です。
20代の中途採用に苦戦している企業は、自社の魅力や強みを十分にアピールできていない可能性があります。20代の転職理由は、必ずしも年収や待遇面の改善だけではないのです。
実際に、株式会社学情の調査によると、第二新卒の転職理由は「もっとやりがい・達成感のある仕事をしたい」が最多でした。
求人サイトへの掲載だけでなく、ダイレクトリクルーティングのような、採用要件に適した人材に直接アプローチできる採用手法を活用することで、効率的に企業の魅力をアピールできます。
※参考:株式会社学情「転職理由に関する調査」
働きやすい環境を整備する
20代の中途採用を成功させるには、働きやすい環境を整備しましょう。
ワークライフバランスが取れない環境では、採用につながっても定着しない可能性があります。
株式会社学情の調査によると、多様な人材の活躍のために企業が取り組んでいることは「有給休暇取得の奨励」が最多でした。次いで、時間外労働(残業)の削減が65.3%、男性の育休取得支援が53.0%と高い結果となっています。
最近では、女性だけでなく、男性の育休取得といった、時代に適した施策が講じられています。仕事のやりがいだけでなく、働きやすい環境もアピールすることが大切です。
※参考 :株式会社学情「多様な人材の活躍に関する調査」
採用ターゲットとなる年齢層を広げる
採用ターゲットを設定する際は、第二新卒やヤングキャリア層の採用も視野に入れ、求職者が自社の採用要件に適しているかを確認します。
採用ターゲットを「20代後半のみ」「30代以上」と年齢だけで区切ってしまうと、魅力ある人材を採用し損ねてしまう可能性があるため注意が必要です。
カジュアル面談で相互理解を深める
カジュアル面談を実施し、企業と求職者の相互理解を深めましょう。
カジュアル面談とは、選考前に企業と求職者がリラックスしながら対話して、お互いに知りたい情報を交換する機会を指します。カジュアル面談では選考の合否を出さないため、採用面接と比較して、求職者の参加ハードルが下がることが特徴です。
カジュアル面談は、ミスマッチ防止だけでなく、面談数が増えることによる志望度アップも期待できます。
20代が転職先に求めている3つのポイント
20代が転職先に求めているポイントについて解説します。
20代は成長できる環境を求めている
成長意欲の高い20代の求職者にアプローチするには、入社後のキャリアパスや裁量権などを明確に提示することがポイントです。
株式会社学情が実施した調査では、1990年代半ばから2010年代半ば生まれのZ世代は「成長意欲が高い」「キャリア形成への関心が高い」という声が大きく聞かれました。求職者の心に響くアプローチをするには、相手が求める情報を適切に提供することが大切です。
選考や内定者フォローに、実際に自社で活躍している20代社員を入れることで、入社後の活躍がイメージしやすくなるでしょう。
※参考 :株式会社学情「20代採用の採用活動に関する調査」
年収は上げたいが最優先とは限らない
20代の求職者にとって、年収アップが必須条件とは限りません。
株式会社学情の調査によると「転職で、年収を上げたい」と回答した20代が9割を超える結果となりました。転職において、年収アップを重視するかの質問に対して「最優先で重視する」が13.9%、「最優先ではないが重視する」が69.0%と高い値です。
一方、「最優先は仕事内容や経験できる業務。その上で、年収も上げたい」「年収は上げたいものの、仕事内容を最優先に考えている」「リモートワークの有無など、働き方と年収のバランスを見て転職先を決めたい」などの声もあります。
仕事のやりがいや企業独自の魅力などの情報も、求職者の興味を引くための重要な要素です。
※参考:株式会社学情「20代の仕事観・転職意識に関するアンケート調査(年収アップ)2024年2月版」
具体的な企業情報が知りたい
求職者の不安や疑問を解消するには、自社の仕事内容を分かりやすく伝えることが大切です。
20代の求職者には未経験者が多いため、求人情報だけでは仕事内容を具体的にイメージできない可能性があります。企業理解を深めるには、企業と求職者が直接対面するのが効果的です。
「転職サポートmeeting」なら、少人数制で参加者全員と面談ができるので、ミスマッチを防ぐだけでなく、質の高い母集団形成にも役立ちます。
20代の中途採用を成功させるなら「Re就活」がおすすめ
近年、人材獲得競争が激化し、中途採用において20代採用を行う企業が増えています。20代の求職者には、仕事や自己成長に対する意欲が高い人材が多いという特徴があります。将来的に幹部候補となり得る候補者に出会える可能性もあるでしょう。
20代の中途採用をご検討されている方には、20代採用に特化した「Re就活」がおすすめです。スカウトメールやヘッドハンティング機能を活用し、企業が求職者に直接アプローチすることで、マッチング度の高い採用が期待できます。
20代の中途採用でお困りの方は、株式会社学情へお問い合わせください。
株式会社学情 エグゼクティブアドバイザー(元・朝日新聞社 あさがくナビ編集長)
1986年早稲田大学政治経済学部卒、朝日新聞社入社。政治部記者や採用担当部長などを経て、「あさがくナビ」編集長を10年間務める。「就活ニュースペーパーby朝日新聞」で発信したニュース解説や就活コラムは1000本超、「人事のホンネ」などでインタビューした人気企業はのべ130社にのぼる。2023年6月から現職。大学などでの講義・講演多数。YouTube「あさがくナビ就活チャンネル」にも多数出演。国家資格・キャリアコンサルタント。著書に『最強の業界・企業研究ナビ』(朝日新聞出版)。