中小企業の中途採用が難しい理由とは? 失敗の原因と成功させる8つの具体策【事例付き】
公開日:2024.10.23
更新日:2026.04.09

中小企業のなかには、中途採用に苦戦している企業も少なくありません。近年、労働人口の減少や人材獲得競争の激化により、即戦力採用が難しくなっています。
中途採用を成功させるには、課題に応じた対策が必要です。本記事では、中途採用で苦戦する理由や中小企業の中途採用を成功させるポイントについて解説します。
中小企業の中途採用にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
中途採用市場は今、どれほど厳しいのか
現在の中途採用市場は、企業にとって非常に厳しい状況が続いています。
株式会社学情が企業の人事担当者を対象に行った調査では、キャリア採用において「特に20代を採用したい」と回答した企業は6割を超えました。
加えて、キャリア採用において採用人数を増やす年齢層については、20代前半で70.1%、20代後半で86.4%と、若手人材の獲得競争が激しくなっていることが分かります。
※参考:株式会社学情「約70%の企業が選んだ採用ターゲットは? 経験重視のキャリア採用最新トレンド(2025年5月)」


さらに、「新卒採用だけでは若手人材を充足できない」と考える企業も約半数に達しています。
その結果、多くの企業が一斉に中途採用市場へ参入し、中小企業を含めた人材獲得競争が一段と過熱しています。
※参考:株式会社学情「なぜ企業は『20代キャリア採用』を強化しているのか?新卒だけに頼らない採用戦略とは?(2025年5月)」

中小企業が中途採用で苦戦する理由
多くの中小企業が、中途採用での苦戦を強いられています。まずは、中小企業が中途採用で苦戦する理由について解説していきましょう。
求人倍率が高い
近年、生産年齢人口の減少や慢性的な人材不足により、求人倍率は高まる傾向にあります。これまでは働く女性や高齢者が増えることで人材不足を補ってきましたが、最近では就業率の伸びが緩やかになっているのです。
その結果、採用市場では人材獲得競争が激化し、中小企業はもちろん大手企業も採用難に直面しています。
企業の知名度が低い
求職者を獲得するには、企業の知名度が大切です。中小企業は知名度が低く、求職者の目に触れる機会が少ないため、なかなか接点がもてません。採用広報にかけられるコストが限られている場合、すぐに知名度を上げるのは難しいでしょう。
また、多くの中小企業が福利厚生や労働環境の改善に取り組んでいますが、その取り組みが求職者の目や耳に届いていない可能性があります。
「中小企業は待遇や働く環境が整っていない」といった求職者が持つ従来のネガティブなイメージを払拭するには、企業が持つ独自の魅力を積極的に発信しなければなりません。
求職者が大手企業に流れている
株式会社学情が実施したアンケート調査では「給与が高い企業は志望度が上がる」と回答した20代が9割に迫る結果となりました。中途採用がうまく進まない中小企業は、給与や福利厚生、休暇などの条件面で、大手企業に競り負けている可能性があります。
また、中小企業と比べて、大手企業は大規模なプロジェクトに関われる機会が多いです。そのため、社会的影響力の高い仕事を希望している求職者のなかには、大手企業を中心に転職活動を進めている方もいます。
※参考:株式会社学情「20代の仕事観・転職意識に関するアンケート調査(給与)2024年7月版」
採用活動のリソースが不足している
中小企業では、採用担当者がほかの業務を兼任している場合が多く、採用活動に十分な時間と労力がかけられないケースがあります。業務が忙しく、求職者への対応やフォローが疎かになってしまうことも少なくありません。
また、採用予算が限られている場合、大手企業のように大々的な広報戦略が立てられないことも課題のひとつです。中小企業の中途採用を成功させるには、限られたリソースの効率的な活用が求められます。
中小企業が抱える中途採用の課題

中小企業の中途採用が難しいのは、中小企業ならではの課題があるからです。次は、中小企業が抱える中途採用の課題について詳しく解説していきます。
十分な母集団形成ができない
母集団形成とは、採用候補者を集めることです。採用要件に適した人材を十分に採用するためには、選考通過率や内定辞退率などを考慮した母集団形成を行い、採用予定人数よりも多くの求職者を獲得しなければなりません。
近年は売り手市場の傾向が進んだことで人材獲得競争が激化し、母集団形成が難しくなっています。とくに中小企業は大手企業と比べて知名度が低く、大手企業の求人に埋もれてしまいがちです。
選考辞退や内定辞退が多い
中途採用の際、選考途中や内定後の辞退の多さに困っている中小企業は少なくありません。中小企業の採用活動において、選考辞退や内定辞退が多い背景には、条件や働きやすさの面で大企業を含む同業他社に競り負けている可能性があると考えられます。
選考や内定の辞退を防ぐには、選考通過を知らせるメールや内定通知書を出すだけでなく、求職者の志望度を高めることが重要です。
たとえば選考通過や内定の連絡に、次回の選考で質問することや意識してほしいポイントを落とし込んだ動画を添付して求職者へのフォローを行ったり、相互理解を深めるために面談を設けたりするのも効果的でしょう。
入社後の早期退職が多い
中小企業のなかには、せっかく採用に至っても早期退職が多く、悩んでいる企業もあります。人間関係や仕事内容、会社の雰囲気、キャリアアップのしかたなどにギャップを感じて早期退職してしまう例は少なくありません。
早期退職が多いほど採用費用が増加し、大きな損失につながります。早期退職を防ぐには、マッチング率の高い採用が必要です。
中小企業の中途採用を成功させる8つのポイント

中小企業でも、やり方や工夫次第で中途採用をうまく進めることはできます。次は、中小企業の中途採用を成功させるポイントについて解説していきます。
採用要件を見直す
応募が集まらず、母集団形成ができない場合は、採用要件が曖昧で採用ターゲットにアプローチできていない可能性があります。
採用要件とは、企業が求める人材の能力や特性などを定義したものです。より詳しい採用要件を設定する際は、求める人物像を具体的に表した「ペルソナ」を数種類つくってみましょう。
必要なスキルや資格だけでなく、人柄やポテンシャルなどを詳細に設定することで、明確な採用要件が完成します。
明確化された採用要件は、採用戦略の立案や選考基準の共有にも役立つでしょう。
第二新卒やヤングキャリアの採用を目指す
転職市場では、人材獲得競争が激化し、即戦力を採用するのは非常に困難です。即戦力にこだわりすぎると、十分な母集団形成ができず、採用コストの増加や人手不足の悪化につながる可能性があります。
母集団形成が難しい場合は、第二新卒やヤングキャリアの採用を検討してみましょう。
第二新卒とヤングキャリアの定義は次の通りです。
- 第二新卒:社会人経験3年未満で25歳以下
- ヤングキャリア:社会人経験3年以上で26〜29歳
第二新卒やヤングキャリア層には、自身のキャリアを重視した、働く意欲が高い人材が多くいます。企業の将来を担うコア人材を獲得するには、採用ターゲットを広げることも効果的です。
仕事のやりがいをアピールする
株式会社学情のアンケート調査によると、30歳前後の転職において重視することは「給与・年収アップ」が最多でした。次いで「仕事のやりがい」が44.9%、「仕事内容」が42.9%と続いています。
30歳前後の転職では、給与や年収アップだけでなく、理想とするキャリアや働き方を実現できるかも重要なポイントになっています。
中小企業の中途採用を成功させるには、企業独自のやりがいや魅力などの情報発信が大切です。積極的に情報発信することで、求職者の興味や意欲が引き出せます。
※参考:株式会社学情「30代の仕事観・転職意識に関するアンケート調査(30歳前後での転職)2024年6月版」
給与・福利厚生や働きやすい環境を整える
中小企業が大手並みの初任給を提示するのは簡単ではありませんが、役職手当や成果連動型インセンティブ、資格取得支援などを組み合わせれば実質的な処遇向上が図れます。
また、リモート勤務やフレックスタイム制、残業削減の取り組みを導入すれば、給与以外の魅力として「働きやすさ」を訴求できます。
求人票や面接で制度内容と利用実績を数値で示し、入社後のキャリアパスと併せて発信すると志望度向上と早期離職防止に直結します。さらに外部福利厚生サービスを活用すれば低コストで制度を拡充でき、定着率の改善にも寄与します。
ターゲットや自社の課題に適した採用手法を取り入れる
採用活動を効率的に進めるには、ターゲットや自社の課題に適した採用手法を取り入れることが大切です。
ターゲットや課題によって、最適な採用手法は異なります。たとえば、第二新卒やヤングキャリアの採用を目指すなら、20代に強い転職サイト「Re就活」がおすすめです。
また、採用活動に十分なリソースを割けない場合は、人材紹介やRPOといった採用活動の一部を代行してもらえるサービスを活用するのも良いでしょう。
採用チャネルを多様化して母集団を広げる
ハローワークや自社サイトだけでは、求職者の属性が限定され母集団形成が難しくなります。転職サイトや専門職向けスカウトサービス、SNS広告、オンライン説明会、地方金融機関や大学キャリアセンターとの連携など複数チャネルを組み合わせて露出を拡大しましょう。
チャネルごとに求人情報の切り口を変え、社員紹介制度やOB・OGネットワークを活用すれば信頼性の高い応募が期待できます。接点を増やした後は応募経路別の数値を分析し、費用対効果の高いチャネルへリソースを集中させると効率的です。
このように接点を分散しつつ効果測定を繰り返すことで、質と量の両面で最適な母集団を構築できます。
採用支援サービスやツールを活用する
採用担当者が少人数の中小企業では、応募者対応や面接調整だけでも大きな負担になります。
ATS(採用管理システム)や面接日程自動調整ツールを導入すれば、メール送信やリマインドが自動化され、対応漏れや遅延を防げます。また、RPO(採用代行)をスポットで利用すれば、求人票作成や一次スクリーニングを外部に任せられるため、社内リソースを面接とクロージングに集中できます。
AI適性検査やオンライン動画面接サービスを併用すれば、ミスマッチ低減と選考スピード向上を同時に実現可能です。ツール導入時には公的補助金の活用や無料トライアルで費用対効果を検証すると安心です。
面接や内定後フォローで志望意欲を高める
面接や内定後フォローでは、求職者の志望意欲を高める工夫が重要です。たとえば、選考通過や内定連絡が遅いと求職者の志望意欲が冷めるため、すぐに連絡を取るようにするのもひとつの方法です。
ほかにも、企業に興味をもってもらうために既存社員と交流の場を設けたり、面談したりするのも良いでしょう。求職者の疑問や不安に寄り添うことで、志望度が高められるだけでなく、ミスマッチの防止効果も期待できます。
さらに、面談や面接の場で候補者の意欲を高めるため、具体的にどのような質問で不安に寄り添うべきか、こちらのリストをご活用ください。
なぜ中小企業は第二新卒採用と相性が良いのか
中小企業の中途採用では、即戦力人材の獲得が年々難しくなっています。
大手企業との条件差や知名度の違いから、経験豊富な人材を求めるほど競争が激化し、採用が長期化・高コスト化しやすい状況です。
こうした環境の中で注目したいのが、第二新卒層をターゲットにした採用です。
第二新卒は社会人経験が浅い一方で、ビジネスマナーや基礎的な業務経験を備えており、中小企業の採用方針や育成環境と高い親和性があります。
以下で具体的な理由を解説します。
育成前提の人材を採用しやすく、定着につながりやすい
第二新卒は社会人経験が浅いため、企業の価値観や業務の進め方を柔軟に吸収しやすい特徴があります。
自社流の育成を行いやすく、早い段階から組織にフィットした人材を育てられる点は、中小企業にとって大きな強みです。
また、学情の調査では、20代の中途採用者に対して「中長期的に戦力になること」を期待している企業が8割以上にのぼっています。
短期的な即戦力ではなく、育成を前提とした採用が主流になりつつあることからも、第二新卒採用は中小企業と相性が良いといえるでしょう。
※参考:株式会社学情「約70%の企業が選んだ採用ターゲットは? 経験重視のキャリア採用最新トレンド(2025年5月)」
採用要件の幅が広がり、母集団形成しやすくなる
第二新卒層を採用対象に含めることで、「経験必須」「即戦力限定」といった採用要件を緩和しやすくなります。
実際、学情の人事担当者調査では、新卒採用だけでは若手人材を確保できず、キャリア採用(第二新卒・若手中途)を強化している企業が約半数を占めています。
これは、若手人材の確保において第二新卒採用が重要な選択肢になっていることを示しています。
応募の間口を広げることで、「応募が集まらない」「母集団が形成できない」といった中小企業が抱えやすい課題の解消にもつながります。
※参考:株式会社学情「なぜ企業は『20代キャリア採用』を強化しているのか?新卒だけに頼らない採用戦略とは?(2025年5月)」

第二新卒は「キャリアアップ」より「キャリアチェンジ」を志向する層が多い
株式会社学情の調査によると、第二新卒層ではキャリアアップよりもキャリアチェンジを希望する人が過半数を占めています。
キャリアチェンジによって実現したいこととしては、「給与・年収を上げたい」のほかに、「興味のある仕事に挑戦したい」「労働条件を改善したい」といった項目が上位に挙がっています。
このように、第二新卒は必ずしも「同業・同職種でのキャリアアップ」を前提としておらず、未経験分野への挑戦や働き方の見直しを重視する傾向があります。
そのため、仕事内容や成長機会を具体的に伝えやすい中小企業は、第二新卒と相性が良いといえるでしょう。
※参考:株式会社学情「最新調査で判明!20代は「キャリアアップ」より「キャリアチェンジ」志向が多数派に(2025年9月)」

中小企業の中途採用成功事例
中途採用に課題を抱える中小企業が多いなかで、実際に成果を出している企業の取り組みをご紹介します。
アイティジョイン株式会社様
IT人材の需要が高まり、業界全体で人材獲得競争が激化する中、同社では従来の経験者採用だけでは限界があると判断しました。そこで採用ターゲットを若手・未経験層へと広げ、Re就活を活用したポテンシャル採用へと舵を切りました。
Re就活は若手層からの応募が多く、ニーズに合致した人材の採用に成功。加えて、社内では教育・研修制度の拡充にも取り組み、入社後の育成体制を強化しました。これにより、採用した人材が早期に現場で活躍するなど、持続的な組織成長につながる成果が生まれています。
※参考:株式会社学情「アイティジョイン株式会社様|自社のニーズにマッチした求職者に会える「Re就活」で採用活動を実施。」
カタニ産業株式会社様
創業120年を超える老舗企業の同社は、人材の高齢化が進む中、若手人材の確保が急務となりました。他社の合同企業セミナーなどにも参加しましたが、売り手市場の影響もあり、思うような採用にはつながりませんでした。
そこで、20代採用に強い「Re就活」を活用したところ、反響が大きく、結果として5名の若手人材の採用に成功。媒体のスカウト機能などを活用しながら、採用ターゲットに的確にアプローチできたことで、採用活動に手応えを感じられる結果となりました。
※参考:株式会社学情「カタニ産業株式会社様|支店主導で20代・若手人材採用に取り組み、計5人の採用に成功。」
日本ハムキャリアコンサルティング株式会社様
事業拡大に伴うキャリア採用にあたり、リファラル採用ではスピード感に課題を感じていた同社。そこで、若手人材に強い「Re就活」と、20代動員数・動員比率No.1を誇る合同企業セミナー「転職博」を活用し、ターゲットに合致した人材の母集団形成に取り組みました。
スカウトメールの活用や運用面での手厚いサポートにより、募集開始からわずか2か月で理想の人材を採用。さらに「転職博」では、多くの求職者に直接自社の魅力を伝えられたことで、スピーディかつ効果的な採用活動を実現しました。
※参考:株式会社学情「日本ハムキャリアコンサルティング株式会社(ニッポンハムグループ)様|募集開始から2か月後に、採用ターゲットに合致した方を無事に採用。」
中小企業の中途採用に強い「Re就活」で20代の優秀な人材を獲得しよう!
売り手市場が続くなか、即戦力を採用するのは非常に困難です。即戦力の採用にこだわり過ぎると、質の高い母集団形成ができず「採用につながらない」「早期退職を誘発する」などの問題が発生しやすくなります。中途採用がうまくいかないときは、採用要件を見直して伸びしろを考慮したポテンシャル採用を検討してみるのもよいでしょう。
「Re就活」は中小企業の採用に適した中途採用サービスです。成長意欲の高い求職者が多数登録しているため、採用要件にマッチする人材との出会いが期待できます。中小企業の中途採用でお困りの方は、20代採用に強い株式会社学情へお問い合わせください。

株式会社学情 エグゼクティブアドバイザー(元・朝日新聞社 あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)編集長)
1986年早稲田大学政治経済学部卒、朝日新聞社入社。政治部記者や採用担当部長などを経て、「あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)」編集長を10年間務める。「就活ニュースペーパーby朝日新聞」で発信したニュース解説や就活コラムは1000本超、「人事のホンネ」などでインタビューした人気企業はのべ130社にのぼる。2023年6月から現職。大学などでの講義・講演多数。YouTube「あさがくナビ就活チャンネル」にも多数出演。国家資格・キャリアコンサルタント。著書に『最強の業界・企業研究ナビ』(朝日新聞出版)。

