中小企業の中途採用を成功させる5つのポイント!苦戦する理由も解説
2024.10.23
中小企業のなかには、中途採用に苦戦している企業も多くあるでしょう。近年、労働人口の減少や人材獲得競争の激化により、即戦力採用が難しくなっています。
中途採用を成功させるには、課題に応じた対策が必要です。本記事では、中途採用で苦戦する理由や中小企業の中途採用を成功させるポイントについて解説します。
中小企業の中途採用にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
中小企業が中途採用で苦戦する理由
多くの中小企業が、中途採用での苦戦を強いられています。まずは、中小企業が中途採用で苦戦する理由について解説していきましょう。
求人倍率が高い
近年、生産年齢人口の減少や慢性的な人材不足により、求人倍率は高まる傾向にあります。これまでは働く女性や高齢者が増えることで人材不足を補ってきましたが、最近では就業率の伸びが緩やかになっているのです。
その結果、採用市場では人材獲得競争が激化し、中小企業はもちろん大手企業も採用難に直面しています。
企業の知名度が低い
求職者を獲得するには、企業の知名度が大切です。中小企業は知名度が低く、求職者の目に触れる機会が少ないため、なかなか接点がもてません。採用広報にかけられるコストが限られている場合、すぐに知名度を上げるのは難しいでしょう。
また、多くの中小企業が福利厚生や労働環境の改善に取り組んでいますが、その取り組みが求職者の目や耳に届いていない可能性があります。「中小企業は待遇や働く環境が整っていない」といった求職者が持つ従来のネガティブなイメージを払拭するには、企業が持つ独自の魅力を積極的に発信しなければなりません。
求職者が大手企業に流れている
株式会社学情が実施したアンケート調査では「給与が高い企業は志望度が上がる」と回答した20代が9割に迫る結果となりました。中途採用がうまく進まない中小企業は、給与や福利厚生、休暇などの条件面で、大手企業に競り負けている可能性があります。
また、中小企業と比べて、大手企業は大規模なプロジェクトに関われる機会が多いです。そのため、社会的影響力の高い仕事を希望している求職者のなかには、大手企業を中心に転職活動を進めている方もいます。
採用活動のリソースが不足している
中小企業では、採用担当者がほかの業務を兼任している場合が多く、採用活動に十分な時間と労力がかけられないケースがあります。業務が忙しく、求職者への対応やフォローが疎かになってしまうことも少なくありません。
また、採用予算が限られている場合、大手企業のように大々的な広報戦略が立てられないことも課題のひとつです。中小企業の中途採用を成功させるには、限られたリソースの効率的な活用が求められます。
中小企業が抱える中途採用の課題
中小企業の中途採用が難しいのは、中小企業ならではの課題があるからです。次は、中小企業が抱える中途採用の課題について詳しく解説していきます。
十分な母集団形成ができない
母集団形成とは、採用候補者を集めることです。採用要件に適した人材を十分に採用するためには、選考通過率や内定辞退率などを考慮した母集団形成を行い、採用予定人数よりも多くの求職者を獲得しなければなりません。
近年は売り手市場の傾向が進んだことで人材獲得競争が激化し、母集団形成が難しくなっています。とくに中小企業は大手企業と比べて知名度が低く、大手企業の求人に埋もれてしまいがちです。
選考辞退や内定辞退が多い
中途採用の際、選考途中や内定後の辞退の多さに困っている中小企業は少なくありません。中小企業の採用活動において、選考辞退や内定辞退が多い背景には、条件や働きやすさの面で大企業を含む同業他社に競り負けている可能性があると考えられます。
選考や内定の辞退を防ぐには、選考通過を知らせるメールや内定通知書を出すだけでなく、求職者の志望度を高めることが重要です。たとえば選考通過や内定の連絡に、次回の選考で質問することや意識してほしいポイントを落とし込んだ動画を添付して求職者へのフォローを行ったり、相互理解を深めるために面談を設けたりするのも効果的でしょう。
入社後の早期退職が多い
中小企業のなかには、せっかく採用に至っても早期退職が多く、悩んでいる企業もあります。人間関係や仕事内容、会社の雰囲気、キャリアアップのしかたなどにギャップを感じて早期退職してしまう例は少なくありません。
早期退職が多いほど採用費用が増加し、大きな損失につながります。早期退職を防ぐには、マッチング率の高い採用が必要です。
中小企業の中途採用を成功させる5つのポイント
中小企業でも、やり方や工夫次第で中途採用をうまく進めることはできます。次は、中小企業の中途採用を成功させるポイントについて解説していきます。
採用要件を見直す
応募が集まらず、母集団形成ができない場合は、採用要件が曖昧で採用ターゲットにアプローチできていない可能性があります。
採用要件とは、企業が求める人材の能力や特性などを定義したものです。より詳しい採用要件を設定する際は、求める人物像を具体的に表した「ペルソナ」を数種類つくってみましょう。
必要なスキルや資格だけでなく、人柄やポテンシャルなどを詳細に設定することで、明確な採用要件が完成します。
明確化された採用要件は、採用戦略の立案や選考基準の共有にも役立つでしょう。
第二新卒やヤングキャリアの採用を目指す
転職市場では、人材獲得競争が激化し、即戦力を採用するのは非常に困難です。即戦力にこだわりすぎると、十分な母集団形成ができず、採用コストの増加や人手不足の悪化につながる可能性があります。
母集団形成が難しい場合は、第二新卒やヤングキャリアの採用を検討してみましょう。
第二新卒とヤングキャリアの定義は次の通りです。
- 第二新卒:社会人経験3年未満で25歳以下
- ヤングキャリア:社会人経験3年以上で26〜29歳
第二新卒やヤングキャリア層には、自身のキャリアを重視した、働く意欲が高い人材が多くいます。企業の将来を担うコア人材を獲得するには、採用ターゲットを広げることも効果的です。
仕事のやりがいをアピールする
株式会社学情のアンケート調査によると、30歳前後の転職において重視することは「給与・年収アップ」が最多でした。次いで「仕事のやりがい」が44.9%、「仕事内容」が42.9%と続いています。
30歳前後の転職では、給与や年収アップだけでなく、理想とするキャリアや働き方を実現できるかも重要なポイントになっています。
中小企業の中途採用を成功させるには、企業独自のやりがいや魅力などの情報発信が大切です。積極的に情報発信することで、求職者の興味や意欲が引き出せます。
ターゲットや自社の課題に適した採用手法を取り入れる
採用活動を効率的に進めるには、ターゲットや自社の課題に適した採用手法を取り入れることが大切です。
ターゲットや課題によって、最適な採用手法は異なります。たとえば、第二新卒やヤングキャリアの採用を目指すなら、20代に強い転職サイト「Re就活」がおすすめです。
また、採用活動に十分なリソースを割けない場合は、人材紹介やRPOといった採用活動の一部を代行してもらえるサービスを活用するのも良いでしょう。
面接や内定後フォローで志望意欲を高める
面接や内定後フォローでは、求職者の志望意欲を高める工夫が重要です。たとえば、選考通過や内定連絡が遅いと求職者の志望意欲が冷めるため、すぐに連絡を取るようにするのもひとつの方法です。
ほかにも、企業に興味をもってもらうために既存社員と交流の場を設けたり、面談したりするのも良いでしょう。求職者の疑問や不安に寄り添うことで、志望度が高められるだけでなく、ミスマッチの防止効果も期待できます。
中小企業の中途採用に強い「Re就活」で20代の優秀な人材を獲得しよう!
売り手市場が続くなか、即戦力を採用するのは非常に困難です。即戦力の採用にこだわり過ぎると、質の高い母集団形成ができず「採用につながらない」「早期退職を誘発する」などの問題が発生しやすくなります。中途採用がうまくいかないときは、採用要件を見直して伸びしろを考慮したポテンシャル採用を検討してみるのもよいでしょう。
「Re就活」は中小企業の採用に適した中途採用サービスです。成長意欲の高い求職者が多数登録しているため、採用要件にマッチする人材との出会いが期待できます。中小企業の中途採用でお困りの方は、20代採用に強い株式会社学情へお問い合わせください。
株式会社学情 エグゼクティブアドバイザー(元・朝日新聞社 あさがくナビ編集長)
1986年早稲田大学政治経済学部卒、朝日新聞社入社。政治部記者や採用担当部長などを経て、「あさがくナビ」編集長を10年間務める。「就活ニュースペーパーby朝日新聞」で発信したニュース解説や就活コラムは1000本超、「人事のホンネ」などでインタビューした人気企業はのべ130社にのぼる。2023年6月から現職。大学などでの講義・講演多数。YouTube「あさがくナビ就活チャンネル」にも多数出演。国家資格・キャリアコンサルタント。著書に『最強の業界・企業研究ナビ』(朝日新聞出版)。