昨今、少子化による生産年齢人口の減少によって人材不足が深刻化しています。
加えてコロナ禍により人材の流動化が進み、人材獲得の競争率が高まっています。
そのため、多くの企業が「いかにして人材を採用するか」を考えるようになっています。
本記事では、採用を成功させるポイントや採用手法のトレンドなどを交えて、採用活動について解説いたします。
採用活動とは
採用活動ときくと、採用面接や求人の出稿などの業務を思いうかべる方が多いのではないでしょうか?もちろんこれらも採用活動に含まれますがそれらだけが採用活動ではありません。
採用活動とは、採用計画の立案から入社後のフォローアップまでの一連のプロセスを指し、具体的な活動としては、広報活動、企業説明会、面接、内定通知、内定承諾後から入社直後のフォローアップなども採用活動に含まれます。
また、採用活動には「新卒採用」と「中途採用(経験者採用)」と大きく2種類に区別されます。
新卒採用とは、企業が大学や専門学校などを卒業予定の学生(新卒者)を採用することです。中途採用は社会人経験のある人材を対象にスポットで採用活動を行います。
中長期的な教育を前提にポテンシャルを求めるなら新卒採用、スキルや経験を重視する即戦力採用なら中途採用のほうが適しているといえるでしょう。
※引用:「新卒採用のメリット5つ。 自社に合う方法は?中途採用との違いも解説」(https://service.gakujo.ne.jp/jinji-library/saiyo/00022/)
採用活動の目的と効果
採用活動の目的は、企業が掲げる目標やビジョンを達成するために必要な人材を補うことです。単なる人材不足を解消するためのものではありません。
新たな人材を採用することで、以下のような効果が見込めます。
- 今までになかった考え方を取り入れることができる
- 社員同士のコミュニケーションが増える
- 新入社員への教育をとおして、既存社員の成長がみこめる
- 技能やノウハウを継承することができる
採用活動の時期
採用活動はいつおこなうのがよいか、疑問に感じる方も多いのではないでしょうか?
新卒採用、中途採用に分けそれぞれ解説します。
新卒採用
政府が要請している採用活動の日程ルールは以下です。
- 広報活動開始:卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
- 採用選考活動開始:卒業・修了年度の6月1日以降
- 正式な内定日:卒業・修了年度の10月1日以降
※出典:2025(令和7)年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程(厚生労働省)
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000184189_00002.html)
しかし、上記のスケジュールに沿って動く学生は多くありません。
新卒学生の就職活動への動き出しの時期は年々早まっており、2026年卒の学生は例年よりさらに早期化の傾向がみられます。
※出典:2025年卒学生対象 就職活動意識調査レポート
(https://service.gakujo.ne.jp/jinji-library/report/25student-report2402/)
引用元の記事で2026年卒業予定の学生を対象にした採用スケジュールの例を、昨年までのデータを基に解説しています。
ダウンロードできるスケジュール表もご用意しているので是非ご活用下さい。
※引用:「【26卒最新】新卒採用スケジュール|学生の動きと企業の疑問点を解消」(https://service.gakujo.ne.jp/jinji-library/saiyo/00055/)
中途採用
中途採用は新卒採用のようにある程度スケジュールが決まっているわけではありません。
各社が好きなタイミングで採用をおこなうことができます。
中途採用市場には、求職者が増える繁忙期と落ち着く閑散期があります。
どちらの時期にも、採用活動を進める上でのメリットとデメリットがあります。採用活動を効果的かつ効率的に進めるには繁忙期と閑散期を把握し、戦略や採用スケジュールを見極めることが大切です。
※引用:「中途採用にベストな時期はいつ?繁忙期と閑散期を徹底解説」(https://service.gakujo.ne.jp/jinji-library/saiyo/00049/)
下記記事で、中途採用のベストな時期について、繁忙期や閑散期に採用活動するメリットや注意点、成功に導くコツなどを解説していますので、ご参考にしてください。
採用活動のステップ
採用活動のおもなステップについてご紹介いたします。(順番は企業によって異なります。)
- 採用計画の立案
- 採用手法の決定
- 募集・選考
- 内定者フォロー・入社後のフォローアップ
それぞれについてくわしくご紹介いたします。
1. 採用計画の立案
企業が採用活動を進めていく上で重要なプロセスの一つが、採用計画の立案です。
通常、採用計画は、経営計画に基づいて募集職種や採用スケジュール、選考フロー、採用人数、採用要件などを決定します。
経営計画の中でも経営資源、特にヒト、カネに注目し、適切な人材はそろっているか、どの程度人件費をかけられるのかなどを確認していきましょう。
2. 採用手法の決定
採用活動の業務には、採用手法を決定する仕事もあります。採用担当者は数多くある採用手法のなかから、自社に適した方法を決定しなければなりません。
採用手法のそれぞれにメリット・デメリットがあり、それぞれでコストが異なるので慎重に選びましょう。
「採用手法の最新トレンド」章で、おすすめの採用手法をいくつか紹介しておりますので参考にしてみてください。
3. 募集・選考
採用手法が決まると、募集を開始します。
募集にあたって求人広告を出す場合、仕事内容や応募資格、給与、休日など応募者が入社後のイメージをつかめるように、労働要件を詳しく記載することが大切です。
選考では面接で実際に応募者と会話し人柄や能力を探ります。
実際の面接だけでなく、それぞれのスケジュール調整や面接官の選定・フォローなども、採用成功に重要な要素となりますので、意識してみてください。
4. 内定者フォロー・入社後のフォローアップ
内定者のフォローアップも重要な業務です。応募者に内定を出しても、必ず入社にいたるとは限りません。
「新しい職場に馴染めるだろうか」「仕事を覚えられるだろうか」など不安を感じている内定者も多いです。
内定後のフォローが不十分であれば、内定辞退者を出すおそれもあります。内定通知後は、内定者に定期的に連絡を取る、社員との交流会を実施するなど、フォローを欠かさずおこないましょう。
また、入社直後のフォローアップも採用活動の業務です。入社後の手続きの説明や新入社員研修の進行などは採用担当者がおこなう場合が多いです。
採用活動を成功させる具体的なポイント
採用活動を成功させるポイントについてご紹介いたします。
- ペルソナを設定する
- 労働条件を見直す
- インターンシップを開催する
- リクルーターを活用する
- 求人やメールなどの文面にこだわる
それぞれについてくわしくご紹介いたします。
ペルソナを設定する
ペルソナとは「商品やサービスの典型的なユーザーモデル」です。
性別・年齢・居住エリアのほか、これまでの経験・趣味・ライフスタイル・将来の夢・最近の悩みなどの細かい点を明確にして、サービスや商品の利用者を想定する際に用いられます。
ペルソナを企業の採用活動に活用するときは「企業が入社して欲しいと思う架空の人物像」を指します。
採用活動では、経営陣や採用担当者のニーズと現場のニーズを一致させたペルソナを設定することで、有用な人材確保や採用ミスマッチによる早期離職を防ぐ効果を期待できます。
※引用:採用活動における「ペルソナ」とは?ターゲットとの違いや作り方を詳しく解説(https://service.gakujo.ne.jp/jinji-library/saiyo/00008/)
労働条件を見直す
近年、働き方が多様化しワーク・ライフ・バランスを重視する学生や求職者が増えています。
中でも優秀な人材はより良い労働環境を求め、好条件の企業で働きたいと考える傾向があります。
労働条件を見直すことで、優秀な人材からの応募を増やし、採用活動を成功させましょう。
労働条件を見直す際の一例としてフレックスタイム制の導入があります。
株式会社学情によると、フレックスタイム制を導入する企業に「魅力を感じる」「どちらかといえば魅力を感じる」と回答した20代が8割を超えました。
ぜひ、フレックスタイム制をはじめとした労働条件の見直しをご検討ください。
出典:「20代の仕事観・転職意識に関するアンケート調査(フレックスタイム制)2023年7月版」(https://service.gakujo.ne.jp/jinji-library/report/230714/)
インターンシップを開催する
インターンシップをおこなうことで、企業は意欲や能力の高い学生を発掘・採用できる可能性が高まります。
2025年卒の採用活動からは、インターンシップの実施形態が職業体験の必要性の有無に基づき、タイプ1からタイプ4に細分化されました。
※引用:「オープン・カンパニーとは?インターンシップとの違いや特徴、実施事例を紹介」(https://service.gakujo.ne.jp/jinji-library/saiyo/00097/)
今後、インターンシップと呼べるものは、タイプ3とタイプ4です。
これらのインターンシップは実施期間が5日以上と長いため、参加学生個人の能力や性格をじっくり見極めることができ、自社にあった人材の獲得を期待できます。
リクルーターを活用する
自社の人的リソース(若手社員・内々定者など)を活用することも採用活動を成功させるポイントの一つです。
特に理系学生は、研究室と企業のつながりを利用し、就職する場合も多くあります。
現役社員にリクルーターとして出身大学や研究室を訪問してもらい、後輩学生とコンタクトをとってもらいましょう。
大学や研究室と連携しコネクションをつくることで、採用活動がうまくいく場合もあります。
求人やメールなどの文面にこだわる
採用活動で使用する求人やメールなどの文面で、学生や求職者の興味をひくことも採用活動を成功させる効果的な方法です。
人間が一瞬で読める文字数は15文字程度だといわれています。そのため必要な情報や伝えたいメッセージを短くまとめ、文面に反映すると良いでしょう。
さらに、以下のフレーズを文面に盛り込むことで学生や求職者の興味をひく可能性が高まりますので、ご参考にしてください。
有益性:早期選考案内、ES免除
希少性:理系学生限定、セミナー残枠わずか
具体性:入社6年目で大規模イベントのリーダーに
共感性:人々の幸せに貢献したい、安定した仕事
独自性:シェアNo.1、業界No.1
未知性:IT×農業で営農の効率化を
採用手法の最新トレンド
近年、採用市場は求職者有利の売り手市場です。
求人広告などに掲載し求職者からの応募を待つ従来の採用手法だけでは、人材の獲得が難しくなってきています。
このような状況下でも、採用活動を成功させるために様々な採用手法が登場しています。
採用活動を成功させるためには、採用手法の傾向を理解し、うまく活用していくことが重要です。
採用手法の最新トレンドをいくつかご紹介するので、是非参考にしてみてください。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、求職者のプロフィールが登録されたデータベースを活用し、自社が求める人材を見つけ、ターゲットに直接アプローチする採用手法です。
従来は、求職者からの応募を待つスタイルの採用手法が一般的でした。
これに対し、ダイレクトリクルーティングは企業側から求める人材像に合う求職者にアプローチできるのが特徴です。
ダイレクトリクルーティングは顕在層だけでなく潜在層にもアプローチできるため、採用の可能性がある母集団の形成が期待できます。
※引用:「採用担当者の業務内容とは?求められるスキルや向いている人の特徴を紹介」(https://service.gakujo.ne.jp/jinji-library/saiyo/00095/)
株式会社学情では、ダイレクトリクルーティングサイト会員数4年連続No.1の「あさがくナビ」をご提供しています。
もし、ダイレクトリクルーティングを始めたいが自社に十分なノウハウやリソースがないという場合は、ぜひ当社がお手伝いさせていただきます。お気軽にお問い合わせください。
ジョブ型雇用
ジョブ型雇用とは、必要な職務内容に適したスキルや経験を持つ人材を採用する方法です。
近年、人的投資を強化するために評価制度を見直す企業が増加しています。
成果に応じて評価をする「成果主義」と連動し、職務領域と求める成果を明確にしたジョブ型雇用の導入が加速しています。
理系など、専門スキルを持つ学生は特に「ジョブ型」を意識している傾向があります。専門スキルを持つ優秀な学生を採用するためには、「ジョブ型」の導入・活用が不可欠になっています。
ジョブ型雇用を導入して「狙った職種や学部の人材を確保したい」と考えているなら、「あさがくナビ」がおすすめです。
あさがくナビは、2023年のオリコン顧客満足度調査で学生満足度第1位を獲得し、会員数40万名を超えるダイレクトリクルーティングサイトです。
ジョブ型雇用を導入したばかりの場合やダイレクトリクルーティングが初めての場合も、充実した機能で徹底支援します。ぜひご相談ください。
カジュアル面談
カジュアル面談とは、企業と求職者が気軽にお互いのことを理解するための面談のことです。
採用の合否は判断しません。
そのため基本的に履歴書の提出や服装の指定がなく、リラックスした雰囲気のなかで行われます。
※引用:「採用担当者の業務内容とは?求められるスキルや向いている人の特徴を紹介」(https://service.gakujo.ne.jp/jinji-library/saiyo/00095/)
求職者側は、採用面接では聞きにくい職場のリアルな雰囲気や仕事内容についての質問がしやすくなるため、企業理解を深めた上で応募の判断ができるでしょう。
これにより企業側は、入社後のミスマッチを低減させることができます。
株式会社学情が運営する[20代専門]転職サイト「Re就活」は、従来のカジュアル面談機能を大幅にアップグレードしました。求職者から企業に面談オファーができるほか、企業からもヘッドハンティングの送付を通じて、求職者に面談を打診できます。
「スキルフィット」だけでなく「カルチャーフィット」を重視する20代に支持される「Re就活」で、自社のターゲットにマッチした人材を採用しましょう。
リファラル採用
リファラル採用とは、自社の従業員や取引先などから、自社の採用条件に合った知人や友人を紹介してもらう採用手法です。
紹介者が自社や応募者について良く知っているため、マッチング率や定着率が高くなると考えられます。
※引用:「リファラル採用とは?メリットデメリットや実践するポイントも解説」(https://service.gakujo.ne.jp/jinji-library/saiyo/00017/)
企業の採用課題としてあげられるミスマッチによる離職や優秀な人材の獲得、採用コストに関する問題などを解決するために、有効な手段として注目されています。
ミートアップ採用
ミートアップ採用とは、求職者との直接の交流を通じて、企業の魅力を伝えながら人材を確保する採用手法です。
一般的な企業説明会は、企業が求職者に対して一方的に会社説明をするのに比べて、ミートアップ採用は、ミートアップ採用は企業説明会よりも少人数で開催するのが一般的なため、参加者と密度の濃い交流が実現できます。
参加者に企業のカルチャーを直接伝えられるため、採用に関係なく自社のファンが増えることを期待できます。
また、参加者が企業の魅力に関する情報をSNSで発信する機会が増えれば、さらなるファンの拡大や企業ブランドの向上が見込めるでしょう。
※引用:「ミートアップ採用とは?企業が活用するメリットや開催までの手順などを解説」(https://service.gakujo.ne.jp/jinji-library/saiyo/00096/)
あさがくナビの少人数制ダイレクトリクルーティング型イベント「就活サポートmeeting」では、参加学生全員と面談の機会を持つことができるため、企業の魅力を十分に伝えることができます。
まとめ
採用活動には、採用計画の立案から内定者のフォローアップまで幅広い業務があります。各ステップを見直し、どこに課題があるのかを洗い出してみましょう。
株式会社学情では、採用コンサルタントが中堅中小企業から大企業まで、幅広い支援を長年続ける中で培ったノウハウを活かし、新卒採用/中途採用問わず貴社の採用活動を支援します。
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