注目企業の人事インタビュー 

社員の成長・やりがいの実現を通じ、
「食育型カンパニー」のさらなる発展を目指す。

株式会社マルヤナギ小倉屋 健康経営と食育推進室 和夛泉季さん
株式会社マルヤナギ小倉屋
170年以上の歴史と伝統を持つ昆布の「小倉屋」ののれん分けによって、1951(昭和26)年に創業した株式会社マルヤナギ小倉屋。以来70年、「伝統食材の素晴らしさを次の世代へ」をメインテーマに、伝統の技を継承しつつ、未来志向の創造的な職の提案に取り組み、豊かな日本の食文化作りの一翼を担ってきました。
また近年では自社を「素材・おいしさ・健康をテーマに伝統食材を活かした新しい食の提案に取り組む『食育型カンパニー』」とし、洋風化・簡便化が進む現代日本人の食生活の改善、そして体にいいものを選んで食べる「選食力(せんしょくりょく)」を、子供向けだけでなく大人も含めた全ての世代に身につけていただくサポートを行うことを使命とし、自社工場のある兵庫県加東市や、地元の高校、JA等と連携し、様々な取り組みを進めています。今回は同社が行っている食育セミナーの講師としても活躍しておられる健康経営と食育推進室の和夛(わだ)さんに、マルヤナギ小倉屋の採用活動に関してだけでなく、企業理念にこめられた想いや社員の育成方針等、多岐にわたってお話をお聞きしました。
※記事の内容は取材当時のものです。

「食育型カンパニー」を標榜し大人も含めた全ての世代に対して食育活動を推進。

――貴社では自社を「食育型カンパニー」と標榜し、様々な活動を行っていらっしゃいますが、どのような狙いがあるのでしょうか?
食育というと、子供向けに行うCSR活動の一環、というイメージが強いと思うのですが、当社ではこれを事業戦略の根幹と位置付けると共に、伝統食材を扱うメーカーとして果たさなければならないミッションだと考えています。日本食はいま、世界でも注目されブームになっている一方で、われわれ日本人の食生活は逆に洋風化や簡便化が進み、生活習慣病が急速に増加しています。なかでも問題視されている食物繊維の摂取不足について、当社が取り扱う昆布や大豆、もち麦といった食材のほとんどが食物繊維を豊富に含んでおり、当社製品を通じて食べること、そして健康への関心を高めていただくことは、自社の発展のみならず、多くの方々の健康増進に貢献できると考え、大人も含めた全ての世代に対して食育活動を推進しています。
――その一環として貴社では生産者である農家との連携を深めていらっしゃいます。
食育活動の推進には安全・安心な食材の確保、すなわち持続可能な“食と農”の体制づくりが不可欠と考え、自社工場のある兵庫県加東市と連携協定を結び、加東市産もち麦を特産品として育てることや、もち麦を活用した町づくりの推進等を行っています。この取り組みが始まる前は国内流通しているもち麦のほとんどが海外産だったのですが、いまでは加東市は日本の中でのもち麦の一大産地として知られるようになり、地元の農業振興に大きく貢献することができました。さらに加東市にある県立社高等学校生活科学科の生徒さんたちと共同開発した取り組みが内閣府主催「地方創世☆政策アイデアコンテスト」で全国2位に相当する「優秀賞」を受賞する等、もち麦を活用した新たな特産品で地域経済の活性化にもつながる活動を行っています。

「マルヤナギ健康づくり推進プロジェクト」で社員の健康をサポート。

――食育活動を推進する一方で、社員の皆さんの健康についても取り組んでおられますね。
食育型カンパニーを標榜し、伝統食材の健康価値を伝えようという私たちが、もし不健康であれば、説得力がありませんよね(笑)。そして何より、一緒に働く仲間が「仕事もプライベートも楽しい」と思えるために、心も体も健康である「真の健康」をサポートしたいという経営者の熱い想いから2018年11月より「マルヤナギ健康づくり推進プロジェクト」がスタートしました。社員向け健康セミナーの開催や肥満率・喫煙率の削減、常駐の保健師による従業員の健康サポート、また従業員による「食生活アドバイザー」の資格取得の推進(2020年度までで211名が受験し、141名/全国の合格率36%に対して67%が合格)等、様々な角度から健康経営への取り組みを進めています。その結果、経済産業省が進める「健康経営優良法人」認定制度で当社は2019年より2年連続中規模法人部門で認定、2021年には大規模法人部門で認定を受けています。
――それでは、2021年4月入社の採用数等についてお教えください。
大卒で7名、高卒で10名の方に入社していただきました。昨年はコロナ禍でオンライン対応を余儀なくされましたが、遠方の学生が参加しやすくなったり、選考業務を軽減することができる等、メリットも大きかったように感じています。21卒に関しては説明会から2次選考まで、22卒は1次選考までをオンラインで実施しましたが、今後もオンラインと対面のよいところをうまく取り入れながら、学生が自分に合った方法を選択できるようにしていきたいと考えています。
――一方、インターンシップは対面での開催のみとされていますね。
インターンシップの本来目的である就業体験をなるべく重視しながら、学生にとって有意義な時間にしたいと考え、対面での開催のみにさせていただき、それでも参加したいと考えてくださる方に来ていただければと考えています。社員に参加してもらってグループワークを実施するのですが、営業体験ではある得意先の販売データ等を分析してもらって当社としてどういう提案をすべきか考えてもらったり、当社の1階にあるキッチンスタジオを使って実際に調理をしながら新たな商品開発に挑戦してもらう等、より当社の実際に仕事を体験していただける場にしていただけるよう、企画しています。

人生や仕事の結果は、考え方と熱意と能力の三つの要素の積で決まる。

――社員の育成方針にも貴社の特徴がよく表れていますね。
当社の企業理念、「働きがいのある会社を作り、広く社会に貢献します」にある通り、まずは従業員のことを第一に考え、個々の成長とより高いやりがいの実現が、お客様に喜びと感動を与える仕事の実践、ひいては会社の利益の増大につながっていくと考えています。この企業理念の根底にあるのが「その人の考え方や心のありようがすべてを決める」という思想で、会社も人も、従業員も経営者も、みんな同じくして自分たちの心を少しでも高めることが出来るように日頃から努力を続けることで、社会から歓迎される良い会社を作り、全従業員が誇りの持てる会社を実現したいと思っています。
――そのために大切にされているのが「人生の方程式」だそうですね。
仰る通りで、当社が経営の範とし、尊敬している稲盛和夫氏が、人生をよりよく生き、幸福を得るためには「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」、すなわち人生や仕事の結果は、考え方と熱意と能力の三つの要素の積で決まると提唱しています。能力と熱意は、それぞれ0点から100点まであり、これが積で掛りますので、たとえ際立った能力がなくても、人一倍の熱意をもって事にあたれば、すばらしい結果を残すことができます。しかし、考え方とは生きる姿勢であり、前向きか後ろ向きか、肯定的か否定的か、等によってマイナス100点からプラス100点まであり、考え方の良し悪しが、人生や仕事の結果を決めるといっても過言ではありません。この考え方、すなわち能力や熱意と共に、人間としての正しい考え方を持つことが何よりも大切であるということが、マルヤナギの人材育成の基本となっています。
――社員を大切にし、豊かな人生を送ってもらいたいという想いは、福利厚生制度等にもよく表れています。
先ほどの健康経営もそうですが、社員一人ひとりが心身共に健康で、仕事はもちろんプライベートの充実も図ってもらいたいという想いから、全社員が連続8日間の休みを年1回取得できるリフレッシュ休暇制度を設けています。制度化してまだ数年しか経っておらず、まだ取得率は100%に達していないのですが、徐々に増えてきており、今後も積極的に推奨活動を続けていきたいと考えています。

採用をプロジェクトと位置付け、各部署から集めたチームで活動を推進。

――近年の採用活動における課題、そしてその対策法についてお教えください。
内定者が大手企業とバッティングしてしまい、数年前までは内定辞退がすごく多かったことが大きな課題でした。10人内定を出しても3人しか残らない、といった状態でかなり苦しんだのですが、経営層から「大手企業がやっていることと同じことを『当社ではこれだけやってます』というのではなく、中堅企業ならではの良さを学生に伝えるようにしてはどうか」とアドバイスを受け、例えば一人ひとりの成長をしっかりとみてくれる環境・風土がある、大手が手を出していない所を攻めていく独自の事業戦略といった中堅企業・マルヤナギ小倉屋の良さを全面的にPRするよう、方向転換をしました。説明では最初から大手企業と中堅企業の違いを伝え、それを理解した上で当社を志望してくれる学生に対してきめ細かく情報発信・フォローをしていくといった選択と集中ができるようになったことで、近年では内定辞退率も下がり、自社にマッチした学生を採用できるようになりました。
――では最後に、いま貴社の採用活動で新たに取り組んでいる事例等があればお教えください。
当社では採用活動をひとつのプロジェクトと位置付け、各部署から若手社員に参加してもらって10名強のチームを作り、インターンシップから学生のフォローといった活動を行っています。先ほど申しましたインターンシップの体験型プログラムも、人事サイドから見ると難易度が高くて学生には無理なのでは、と思いましたが現場社員がうまく落とし込んでくれて形にすることができました。これ以外にも人事だけの発想ではなく他部署の方々の意見を柔軟に取り入れながら、マルヤナギ小倉屋の魅力を学生に訴求していきたいと考えています。

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