「ガクチカ」最前線!

大学生活で得た学びや経験を活かして、
より多くの人の役に立っていきたい。

中部大学「地域連携住居」 上野左京さん/豊田稜介さん
中部大学「地域連携住居」
中部大学では文部科学省平成25年度「地(知)の拠点整備事業」(大学COC事業)に選定された「春日井市における世代間交流により地域活性化・学生共育事業」の一環として、「地域連携住居」プロジェクトを推進しています。春日井市及びUR都市機構、そして中部大学が連携し、大学のキャンパス機能を約4km離れた「高蔵寺ニュータウン」まで拡大し、地域と共に育む大学教育の場と学生生活の場を融合したキャンパスタウンとして活性化する構想で、学生は高蔵寺ニュータウンを活性化する地域貢献活動に参加することの条件に、低い家賃で入居できるといった様々なメリットを受けることができます。
今回はこの「地域連携住居」制度を利用し、充実した大学院生活を過ごしている上野左京さん(大学院応用生物学研究科応用生物学専攻1年/写真左)と豊田稜介さん(大学院応用生物学研究科応用生物学専攻1年/写真右)に、同大学でどのような学びを深めているか、そして地域連携住居での生活ぶりについてお話をお聞きしました。
※記事の内容は取材当時のものです。

高校時代に興味を持った分野について、大学院で学びを深めている。

――まずはお二人の専攻の内容についてお教えください。

上野:私はがんの治療法の一種である「温熱治療」について研究しています。がんの3大療法として挙げられるのが「手術療法」「薬物療法」「放射線療法」ですが、いずれも正常細胞に対する影響が大きい等の問題があり、それに代わる治療法として注目されているのが「温熱療法」です。がん細胞は増殖力が強い分、熱に弱く、43度前後で縮退していくという性質があります。問題はがん細胞をピンポイントで温めるための方法で、これまでは電子レンジと同じ加熱方法でがん腫瘍部位を温める方法をとっていたのですが、がん腫瘍以外も温められてしまうため患者さんの痛みが大きく、治療を続けることに大変な困難を伴っていました。しかし私たちが研究している方法は酸化鉄のナノ粒子をがん細胞にくっつけ、IHヒーターと同じ交流磁場にかけることで酸化鉄のナノ粒子のみを発熱させてがん細胞を弱らせることができ、最終的には免疫細胞の力でがん細胞を死滅させていくことができます。

私は高校時代から化学に興味があり、物質の反応を突き詰めるというよりも化学を生物に利用し、多くの方の役に立ちたいと考え、この分野を選びました。

豊田:私は微生物に関する研究を行っており、なかでも木材等から得られる木質バイオマスをグルコースに効率よく分解できるカビを使った研究に取り組んでいます。木質バイオマスの分解には濃硫酸等を使って化学的に分解する方法と、微生物等を使って酵素で分解する方法に大別されるのですが、前者は環境への負荷が大きいため、酵素による分解法に期待が寄せられています。実はカビにも様々な種類があり、分解のやり方にも得手不得手があります。木を分解するカビとして有名なものはすでにあるのですが、私が研究しているのはそのカビとは少し性質が異なるため、不得手な部分を補うような働きができないかと考え、研究を進めています。

大学進学の際、ミドリムシを使ったバイオ燃料でジェット機を飛ばす、という話を聞いたことがあり、こうした生き物の工業利用が進めば、持続可能な資源として活用できますので、将来伸びそうだな、と考え志望しました。

地域の人々との交流を通じて、学生の人間力アップを図る。

――ではお二人がご利用されている「地域連携住居」制度の内容についてお教えください。
上野:中部大学とUR都市機構、そして春日井市が連携し、高蔵寺ニュータウン内にあるUR都市機構の管理物件に中部大学生がお得に入居できる制度です。家賃が通常より20%割引、2DKという広さに30,000円~33,000円で入居することが可能です。その代わりに私たち入居者は高蔵寺ニュータウン内の活性化に資する地域貢献活動に参加すること等が条件となっています。大学としては地域の人々との交流を通じて学生の人間力アップを図り、UR都市機構は空き家対策、そして春日井市にとっては高蔵寺ニュータウンの地域活性化を若者が担ってくれるといった、それぞれにメリットがある制度になっています。

豊田:地域貢献活動はポイント制になっており、半年間で5ポイントを獲得することが条件となっています。内容はごみ拾いや草刈りといった肉体系から小学校の行事のお手伝い、地域住民との交流会への参加といった様々なものがあり、おおよそ1時間~1.5時間の活動で1ポイントが獲得できます。私は入学してから学内にある学生寮で生活していたのですが、そこは1年生限定となっており、2年生になる際に学生支援課の方にこの制度を紹介してもらって入居を決めました。大学まで車ですぐで通学はとても便利ですし、一人暮らしに2DKは広すぎるくらいで、卒業してからここより狭いところに住めるか、ちょっと不安になるくらい快適ですね(笑)。

上野:私は入学してから2年間、民間の賃貸住宅に住んでいたのですが、学費以外の費用を奨学金で賄っており、少しでも支出を減らしたいのと、地域貢献活動を経験することで就活にも役に立つかなと思い、入居することにしました。大学院進学後は研究室に1日中いることもあり、アルバイトをすることも難しいのですが、家賃負担が減ったのと通学が便利になったので、思いっきり研究に没頭することができています。

「働く」とは文字通り、人の役に立つために動くこと

――大学生活も6年目となりますが(取材日:2021年4月14日)、これまで学んだこと、将来に活かしたいことはありますか?
上野:私は高校時代まではあまり積極的に人を関わるほうではなかったのですが、福岡から愛知にきてゼロから人間関係を作っていく上で、それではもったいない、自分から人との関わりを広げていこうと考え、いろいろな方と関係を深めていく中で、視野がとても広がったように感じています。また地域貢献活動を通じて年配の方との接点を持たせてもらえたのも、とてもいい経験になりましたね。

豊田:私は科学物理実験室というサークルに所属しており、小学生を対象に工作教室を実施しているのですが、小学生にも理科の面白さを伝えるためにいかにわかりやすく噛み砕いて教えるか、また地域貢献活動で出会うお年寄りの方々にも同年代とは違う話し方や伝え方を考えるといった経験を通じて、相手の気持ちになってコミュニケーションを取ることの大切を学びました。私は将来、教員になりたいと考えており、こうした経験を活かしていきたいと考えています。
――上野さんは一般企業への就職を目指して、現在就職活動中とのことですが、企業選びのポイントはありますか?
上野:私は「人の役に立つ」仕事ができる企業を、という軸で就職活動をしているのですが、その上で企業の対応の丁寧さをよく見るようにしています。例えば実際の話ですが、私宛のメールにも関わらず内容が「〇〇さんへ」というテンプレのままになっていたり、数日後の面接の予定の連絡がまだ来ていなかったりしたことがありました。採用担当の皆さんもお忙しいのは理解しているのですが、やはり連絡が早かったり、受付時の対応が丁寧だったりすると入社後も社員を大切にしてくれるのでは、と好印象を持ちますね。
――では最後に、お二人にとって「働く」ことに関して、どのようなイメージがあるでしょうか?
豊田:少子化の中、子供の教育はこれまで以上に大切であり、次世代をしっかりと育成していくことが日本の将来につながっていくと考え、教員を志望しました。1人でも立派な若者を育成し、未来を創る仕事に就けるよう、試験突破に向けて頑張りたいと思います。

上野:「働く」とは文字通り、「人(人偏)」のために「動く」こと、人の役に立つために動くことだと考えています。これまで培ってきた力や経験を活かして、より多くの人の役に立っていきたいですし、そのためにも研究はもちろん、就職活動にも全力で取り組みます。

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