キャリアセンター訪問

10年後、この道を選んでよかったと
満足してもらうことが最終目標。

名城大学 キャリアセンター長 経済学部教授 勝浦正樹さん
名城大学
1926(大正15)年に名古屋高等理工科講習所として開設し、1949(昭和24)年に開学した名城大学。「穏健中正で実行力に富み、国家、社会の信頼に値する人材を育成する」を立学の精神とし、現在では9学部25学科で約15,000人が学ぶ中部地区最大の文理融合の私立大学に発展し、これまでに200,000人を超える卒業生を輩出しています。開学100周年を迎える2026年までに達成したいあるべき姿を「多様な経験を通して、学生が大きく羽ばたく『学びのコミュニティ』を創り上げる」に定め、教職員が一体となって「名城大学を卒業して良かった」と思える大学づくりを目指している同校のキャリアセンターの特長、強みについて、同校のキャリアセンター長であり、経済学部で30年近くにわたって教鞭を執っていらっしゃる勝浦先生にお話を伺ってきました。
※記事の内容は取材当時のものです。

就職という“点”ではなく、「仕事と人生」という“線”で考える支援体制。

――全国トップクラスの就職率99.5%だけでなく、「志願したい大学」でも東海地区でNo.1※になる等、入り口と出口の両面で素晴らしい実績を上げていらっしゃいますね。
本学はもともと名古屋高等理工科講習所として開設した歴史があり、ノーベル賞受賞者をはじめ世界レベルの研究者が数多く在籍していることもあって、理工系主体の大学という印象が強かったのですが、近年では2016年にナゴヤドーム前キャンパスを竣工し外国語学部を新設する等、文理融合の総合大学として進化を遂げています。また本学では急激な社会変化の中でも逞しく生き抜くことができる人材の育成のため、「先見性、多様性、専門性を身につけた実行力・実現力」を発揮できる創造型実学を重視した教育・研究を行っており、例えば学びで得た知識を活かし、地域社会の課題を学生たちの力で解決するといった、より実践的な教育の場を全ての学部で提供しています。そうした姿勢を広く皆様に知っていただいた結果、高い評価をいただいているのではないでしょうか。

※出典:株式会社リクルートマーケティングパートナーズ「進学ブランド力調査2020」より

――勝浦先生は2年前にキャリアセンター長に就任されたとのことですが、貴校のキャリア・就職支援の特長・強みについてお教えください。
まず一つ目として、学生が早期から自身のキャリアについて、就職という“点”ではなく、「仕事と人生」という“線”で考えられるような支援体制が挙げられます。本学のキャリアセンターでは1・2年次を対象とした「自分の生き方」や「将来の進路、働き方」について考えるきっかけとなるような講演会の開催や、自己診断テスト、個人相談、公務員相談等を実施しており、人生における自分の働き方、生き方を考え、見つけ出していくことを一人ひとりに寄り添ってサポートをしています。
――そのために貴校では、キャリアセンター職員による個別指導担当制を導入されているそうですね。
これが二つ目の特長で、特に3年次からはキャリア形成や就職における担任のような形でキャリアセンター職員を学生一人ひとりに割り振り、指導にあたっています。他大学でも実施されている例はお聞きするのですが、本学ほどの規模の大学では珍しいのではないでしょうか。本来であれば学生との面談を最低1回は必ず実施しているのですが、今年は新型コロナウイルスの影響で直接面談が難しい中、学生の不安を払拭するためにも電話やオンライン等を駆使して何とかコミュニケーションをとるよう、職員は負担が大きいにもかかわらず最大限努力してくれています。

原点はやはり、「学生が好き」という気持ち。

――新型コロナウイルスのような予期せぬ出来事が起こっても、きめ細かい支援・指導を継続するには、お話しの通り職員の皆さんにとって大変だったでしょうね。
手前味噌で恐縮ですが、いかなる局面でも学生ファーストで物事を考え、上から言われるのではなく自分たちから発案して動けるスタッフが揃っているのが、本学のキャリアセンターの一番の強みだと思いますし、2年前に着任した時は正直ここまでやるかと驚きました。新型コロナウイルスの感染拡大によって学生との直接面談が難しくなった際にも、全国の大学に先駆けていち早くオンライン面談の体制を確立してくれましたし、現状維持ではなく常にプラスアルファでできることは何かを考え、行動してくれます。
――21年卒及び22年卒学生の就職活動のご状況はいかがでしょうか?
21年卒の内定率は例年より遅れ気味でしたが、ここにきてようやく前年並みの水準まで追い付いてきました。その中で21卒への支援に力を注ぐだけでなく、22年卒への対応にも遅れが生じないよう、様々な施策を行っている状況です。22年卒に関しては残念ながら例年実施してきた集合型のガイダンス等の開催は難しい状況ですので、オンラインを活用した動画配信はもちろん、教員と連携してゼミや授業の時間を少し割いていただき、キャリアセンター職員が就活への意識の醸成を促すとともに、キャリアセンターへの接点をなるべく多く作る等、できることは何でもやっている状況です。ただ幸い、こうした取り組みも全てスタッフが自発的に行動し、実施できていますので、とても頼もしく感じています。
――そうした職員の皆さんの行動力を生み出す秘訣は、どこにあるのでしょうか?
やはり原点は「学生が好き」という気持ちではないでしょうか。本学のキャリアセンター職員は学生から内定の連絡をもらうと我が事のように喜び、試験がダメだったと聞くとまた我が事のように悔しがっています。個別指導担当制が行き届いているからでしょうか、本当に親身になって学生一人ひとりの個性に合った支援を徹底して行う姿を見ると、これこそが本学の就職率の高さを支えている源泉だな、といつも感じています。

また一方で、単に経験則や感覚で行動しているわけではなく、例えばガイダンスを実施した際には出席率はもちろん、学生の満足度等を全て数値化し、スタッフ全員が共有すると共に、そこから次に施策を考えたり、スピーディに改善点を見つけるといった、データに裏付けされた行動ができているのも本学スタッフの強みだと思います。

8,000名以上のOB・OGが登録する「卒業生就職アドバイザー」。

――職員の皆さんの意識が高いからこそ、学生も触発されてキャリア・就職意識が高まっていく、とてもよい循環が生まれているんですね。
就職率99.5%という数字は確かに誇れるものですが、この数字に捉われてしまっては私たちが本当に目指すべき方向を見失ってしまいかねません。学生一人ひとりが納得できる進路を選択し、10年後、20年後にこの道を選んでよかった、と満足できることが我々の最終目標ですから、目先の数字に捉われることなく、その中身の部分を追求し続けていきたい、そのために低学年次からじっくり時間をかけて、キャリア意識を醸成していくことが大切だと考えています。
――進路に対する満足度の高さ、その一例が就職活動中の在学生を支援する「卒業生就職アドバイザー」の登録数の多さですね。
企業で実際に働いている先輩が進路先の選び方やウェブサイト等では得られない職場環境の生の声といった、就活生に有益な情報を提供してくれるのが「卒業生就職アドバイザー」で、8,000名以上のOB・OGが登録してくれており、個別相談や就職アドバイザー訪問会に協力してくれています。またこれまでの卒業生は200,000人以上、愛知県に本社を置く企業の社長数もNo.1※と、数多くの卒業生が社会で活躍してくれており、キャリアセンターではそうしたネットワークも最大限に活用し、優良企業を学生に紹介できています。

※出典:日本経済新聞 2019年9月17日付(帝国データバンク名古屋支店調べ)

――では最後に、今後の貴校のキャリア・就職支援のあり方について、勝浦先生のお考えをお聞かせください。
本学学生は愛知県を中心とした東海4県の出身者が圧倒的に多く、卒業後このまま地元で就職を希望する学生が多いのですが、個人的には地域に縛られることなく、幅広い視点で自分に合った就職先を見つけてもらいたいと考えています。これは業種・職種に関しても同様で、今の学生は例えばあなたはこれに向いてますよ、と言われたことに決めつけがちで、視野が狭くなってしまう傾向が強いように感じています。自分の可能性を狭めるのではなく、実はあなたが持っている可能性はすごく大きいんだよ、ということに気付き、幅広い角度から進路選択をしてもらえるような指導をしていきたいと考えています。

本学の学生は実学教育で培った高い実践力を有しており、また文理融合大学である利点を活かして、文系・理系の垣根を越えた様々な学びやチャレンジを経験しています。企業の皆様にとっても10年後、20年後に名城大生を採用してよかったと思っていただけるような学生をこれからも輩出してまいりますので、ぜひ引き続き温かいご支援の程どうぞよろしくお願い申し上げます。

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