グローバル人材採用のススメ

「お客様のために」の理念のもと、幅広い人材の採用に成功。

株式会社巴商会 総務部 人事課 甲斐 祥子さん
株式会社巴商会
冷凍食品・化粧品といった身の回りの商品から、スマートフォン・ロケット等の最先端技術まで、あらゆる分野に利用されている産業用ガス。巴商会は私たちの豊かな生活に欠かすことができない産業用ガスの専門商社として、1,000種類以上、3,000社の仕入先ネットワークと6,000社のユーザーをつないでいます。また商社でありながら独自の研究所を有し、技術・商品分析の分野にも注力する等、産業用ガスに関するお客様のあらゆるニーズに対応できる技術力や、「お客様のためになることをする」の基本理念のもと、相手の立場に立って考え行動する企業姿勢が高く評価された結果、20年以上にわたり業界No.1の地位を守り続けています。今回は新卒で入社以来、一貫して総務部人事課で採用業務に携わっている甲斐さんに、同社のグローバル人材の採用・育成方針についてお話を伺いました。
※記事の内容は取材当時のものです。

一人ひとりへのきめ細かいフォローで、理系採用に成功。

――新型コロナウイルスの影響も徐々に沈静化しつつありますが(取材日:2020年6月23日)、新入社員の受け入れ等の影響はいかがでしょうか?
3月21日付けで新入社員を受け入れて、そこから3週間の新入社員研修を実施したのですが、期間中に全員参加の集合型研修から少人数でのグループ研修に切り替えたこと、会場そのものの変更、スケジュール変更(在宅勤務を取り入れる)等、終始慌ただしかったですね。なんとか最後まで終えることはできたのですが、様々な対応を余儀なくされ、新入社員も大変な思いをしたのでは、と感じています。配属後も在宅での勤務・研修が続いていたのですが、最近ようやく各現場も通常業務に戻りつつありますので、これからはそれぞれの部署でOJTを受けながら、大きく成長してくれることを期待しています。
――では、期待の新入社員の採用数等について、お教えください。
高卒や既卒・第二新卒の方を含め、35名が新たな仲間として加わりました。当社は全国各地に拠点展開を行っており、採用も関東を中心に北海道から九州まで幅広く実施しています。また当社では技術的な知識を必要とする技術営業や、お客様のガス施設の設計・施工及び定期メンテナンスを行う技術職、出張ガス分析や評価試験を行う商品分析職といった、理系出身者が学びを活かせる職種が数多くあり、例年理系採用に力を入れています。20卒に関してはこれまでの努力が花開いた結果、18名と半数以上が理系出身者という結果となりました。
――商社で理系採用はかなり難易度が高いと思うのですが、何か秘訣があるのでしょうか?
秘訣と言えるのかは分かりませんが、挙げるとすれば採用が全国に広がっている分、地方を含む全国の大学のキャリアセンターや先生との結びつきを大切にしていること、あとは配属予定の職場見学を実施する等、一人ひとりに合ったきめ細かい対応をしていることでしょうか。意識していることは、どのフェーズ(選考中、内定後等)においても学生さんの不安を取り除くことに手間を惜しまないということです。例年、年明けまで採用活動を継続しつつ、次年度の準備・活動も並行しなければならず、マンパワー的には大変なのは事実ですが、結果に結びついている手応えを励みにしながら、採用チーム一丸で取り組んでいます。

外国籍の方のスキルやモチベーションの高さが、会社全体にとって、新たな刺激に繋がる。

――では、グローバル人材の採用活動についてお教えください。
当社は1989年にタイに進出したのを皮切りに、現在は8ヵ国13拠点に海外グループ会社を展開しており、ビジネスのフィールドは世界中に広がっており、日本だけにとどまりません。特に2012年に新たに3カ国に進出するにあたり、さらにこの動きを加速化させていくためにはグローバルな視点や能力を有した人材の獲得が不可欠だと考え、まずは海外への留学経験を有する日本人学生の採用に注力するようになりました。その後、急激に増加してきた海外からの留学生採用も2017年頃から始めており、現在では新卒・中途採用で獲得した多くのグローバル人材が、様々な部署で活躍しています。
――海外留学生の出身国や、募集方法等はいかがでしょうか?
国籍は特に指定しておりませんが、中国・韓国を中心としたアジア圏が多いですね。左記の国以外でも、現在は台湾、インドネシア、ラオス、サウジアラビアの出身者が活躍しています。募集方法については、留学生を対象とした合同企業セミナーへの参加や、留学生を多く受け入れている大学への紹介依頼が中心です。
――選考基準に関してはいかがでしょうか?
まず日本語能力に関しては、少なくともN2、できればN1レベルを入社までに習得いただくよう指導しています。それに加え、当社が大切にしてきた「お客様のためになることをする」という企業理念を、しっかりと共有できる方を採用しています。グローバル人材の多くがポテンシャルや成長意欲に溢れており、何事にもアグレッシブに取り組む姿勢があります。本人の成長意欲を会社が引き出しつつ、お互いに歩み寄りながら、お客様のことを考え、会社の想いを汲んだ上で前向きに仕事に取り組んでくれる方であれば、当社できっと活躍していただけると思います。
――では、グローバル人材を受け入れてよかったこと、変わったことはありますか?
今となっては当たり前の話ですが、実際に配属することで、日本人でなければならない理由は必ずしも無い、ということを受入部署が気付けたことが大きいですね。宗教上の理由で食事面等少し配慮する必要はありますが、それ以外は日本語も話せますし、仕事を学ぶ意欲は日本人以上に持ち合わせていますので、むしろ受け入れてよかった、刺激になっているという部署がどんどん広がっていることが、当社にとってとてもプラスになっていると感じています。また、リテンションの意味でも、受け入れ後、人事から本人や配属部署に向けて定期的にヒアリングをする等、きめ細やかなアプローチも大切です。

様々なバックボーンを持つ方を受け入れ、会社の発展に貢献する。

――最近の若者は内向き志向が強い、と言われている中で、貴社では日本人学生でも海外志向の強い方が集まるそうですね。
当社程の社員数(914名:2019年8月20日現在)で、これほど海外展開している企業が少ないからでしょうか、それをチャンスと捉えて希望してくれる学生は多いですね。20卒採用でも留学経験をアピールする学生が多かったのですが、それ以上に21卒採用でその傾向が強まっています。実際、応募者のうち、約4割の学生さんが将来的に海外業務を志向しているくらいです。
――では逆に、課題に感じていることはありますか?
これは他の企業でも同じ悩みをお持ちではないかと思うのですが、当社で活躍しているグローバル人材の多くが、海外との輸出入業務や海外拠点の新規立ち上げといった、世界を相手にする仕事に就きたいと志望しているのですが、残念ながらそうした業務に携わっている社員の数は少なく、なかなかチャンスが巡ってこないのが実情です。もちろんそうした現状に関しては入社前に丁寧に説明しており、皆が納得してそれぞれの立場で頑張ってくれているのですが、会社が可能性を提示してあげないと、モチベーションを維持するのが難しくなるのでは、と危惧しています。海外志向が強い方が多く入社してくださるのは有難いのですが、まさに嬉しい悲鳴となっています。海外に関わる業務に就くには、産業用ガス専門商社としてのしっかりとした基礎が必要です。取り扱うガスの知識や安定供給の為の国際調達、各国のレギュレーションにも柔軟に対応する力も欠かせません。当社の場合はアジア圏に海外現地法人がある為、英語だけでなく、各国の言語も必要となる場合があります。
――何か対策をお考えでしょうか?
現在、例えば入社年数やTOEICのスコア、持っている資格といった基準をクリアした社員を対象にした海外トレーニー制度の導入を検討しています。そうやって海外業務で即戦力となれる人材をストックしておくことで、今後の会社のグローバル展開に素早く対応できるよう、準備を進めています。
――では最後に、今後の貴社の採用戦略に関して、お聞かせください。
今年の新入社員のうち、5名が既卒・第二新卒採用となっているように、当社では新卒だけでなく留学生、高卒といった幅広いチャネルで人材を募集しており、今後もさらにこの方向を強化していきたいと考えています。入社時期に関しても、現状は3月入社が基本ですが、幅広いチャネルで採用しているにもかかわらず、それらを全て3月に揃えることに無理が生じているとも考えております。9月入社での受け入れも検討する等、柔軟に対応することも、今後視野に入れるべきかもしれません。年齢、性別、そして国籍だけでなく、様々なバックボーンを持った方を受け入れることで、さらにお客様のためになる巴商会を足元から支えていきたいと思います。

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