注目企業の人事インタビュー 

特別編:緊急事態宣言後の第二新卒・既卒採用の動きについて

人事の図書館 編集長 大西直樹
新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が解除され、6月から経済活動の再開が本格化しています。しかし、コロナ禍が学生の就職活動並びに企業の採用活動に与えた影響は大きく、昨年度とはスケジュールも活動内容もかなりの変更を余儀なくされているのが実情です。
そこで人事の図書館では、2020年4月下旬に実施した会員向け緊急アンケートに引き続き、学生及び大学、そして企業の現状をお伝えすべく、特別編として3回にわたって記事をお送りしています。今回は第二新卒・既卒採用の最新の状況について、株式会社学情 大阪企画営業本部企画営業第2部マネージャーである柳亮太さんにお話をお伺いしました。
※記事の内容は取材当時のものです。

求職者は今後、さらに活発な動きを見せると予測。

――新型コロナウイルスの影響で、企業の第二新卒・既卒の採用計画にどのような変化が出ているでしょうか?
新型コロナウイルスの影響が広がるにつれて、業種・規模を問わず、採用予定を減らすという企業が増えてきました。特に影響が大きいのが、社会人経験1年未満でもOKという求人で、以前に比べ激減しています。採用数を絞り込む中で、より即戦力に近い人材を採用したいという企業の狙いの表れではないでしょうか。

一方、スーパーやドラッグストア、物流といった好影響を受けている業界は、むしろ採用意欲は旺盛です。また、建設業や製造業、IT業界等は、いまなら採用難易度が高い理工系人材を採用できるチャンスと捉えて、採用活動を活発化させている企業も多いですね。
――では、求職者の動きはいかがでしょうか?
当社が運営している20代専門転職サイト「Re就活」に掲載いただいている各企業へのエントリー状況を見ますと、コロナ以前より3~5倍に大きく増加しており、多くの求職者が活発に活動していることが読み取れます。応募者の質もよく、掲載企業様の満足度は高いですね。

ですが私は、今活動している求職者はまだまだ予備軍で、これから年内にかけて20代転職希望者が爆発的に増えてくると予測しています。新型コロナウイルスの影響で、これからの私たちの働き方や生き方、価値観が大きく変わることは間違いありません。例えばテレワークを体験した社員が、これからの働き方を変えたいと思うのは必然でしょうし、今自分が働いている会社がアフターコロナの時代を生き抜いていけるかどうかを、この瞬間多くの若者が見極めようとしているはずです。これから近いうちに、そうした若手社会人の多くが本格的に転職活動を始めることになりますので、企業にとっては優秀な人材を採用する、まさに絶好のチャンスになることは間違いありません。

オンライン時代の採用成功に欠かせない視点とは。

――求職者が企業に求めるポイントに、何か変化は感じておられますか?
さほど大きな変化はないように思いますが、「手に職」志向は強まったように感じますね。具体的にはIT業界への転職を目指して、プログラミングの勉強を始める等、自分の将来を冷静に分析し考えた結果、将来性のあるIT業界への転職を考える若者は増えていると思います。それともうひとつ、テレワークの普及の影響でしょうか、勤務地に対する考え方が変わってきたように感じています。UIターン就職を希望する方も増えていますし、勤務地や通勤時間で会社を選ぶという求職者も増えていますね。
――面接・選考もオンラインが当たり前の時代になりましたので、物理的な距離や時間に縛られない働き方を希望する方も増えそうですね。
新型コロナウイルスの影響により、各企業共にオンラインでの選考を導入せざるを得なかったわけですが、言われる通りすでに当たり前になりましたし、一度も直接対面せずに内定、入社といったケースも少なからず見られます。新卒採用と異なり、第二新卒・既卒採用はよりスピード感が求められますので、他社に取られるよりは、という思惑も大いに働いているのではないでしょうか。
――しかし、オンラインだけではなかなか伝えられない情報もあるかと思います。企業側の工夫も必要ですね。
コロナ禍以降で採用に成功しておられる企業は、企業の魅力を求職者に伝えるためのツールの整備をしっかりとされていますね。例えば「風通しの良い社風」は、目に見えるものではありませんし、ましてやオンラインでのコミュニケーションで求職者に伝えるのは至難の業です。ですが、単なる社員紹介や仕事の説明ではなく、職場の雰囲気や社員がイキイキと働いている様子を自然に捉え、自社の魅力をアピールできる動画を作成し、求職者に見てもらうことで、平面的になりがちなオンラインコミュニケーションを、より立体的で感情を刺激するものに変えることが可能になります。今後もオンラインを活用した選考はなくならないと思いますので、そうした条件下でいかに熱のこもったコミュニケーションを求職者と図れるかが、採用の成否を分けるのではないでしょうか。

20代通年採用時代がいよいよ、本格的に到来。

――「Re就活」の利用者が増加していると先ほど教えていただきましたが、人材紹介サービス「Re就活エージェント」の登録者も増えているそうですね。
かつては企業にとっても若手社会人にとっても人材紹介サービスはあまり馴染みがなかったのですが、最近ではスクリーニング業務に手間をかけることなく、優秀な人材を採用したいという企業側の思惑と、キャリアアドバイザーの支援を受けながら、初めての転職活動を乗り切りたいという求職者側の想いが合致し、数多くの質の高いマッチングに成功しています。先ほど申した通り、今後さらに多くの若手社会人が転職活動をスタートさせていきますので、媒体掲載と人材紹介の2つの方向で網を張っていくことが、より優秀な人材作用のための近道ではないでしょうか。
――では最後に、今後の第二新卒・既卒採用の動向について、お考えをお教えください。
繰り返しになりますが、今後数か月間のうちに20代若手人材の流動化が一気に進むことが予測されています。また一方で新卒採用の出遅れによる、採用予定人数の確保や内定辞退者への対応のため、多くの企業で秋・冬に第二新卒・既卒採用を実施することが考えられます。その結果、「20代通年採用」はますます一般化していくことになるでしょうし、新卒・既卒・第二新卒採用がよりシームレスになるのではないでしょうか。当社ではそうした20代通年採用時代に対応した各種サービスをいち早くご提供しており、皆様の採用活用を誠心誠意支えてまいります。これからも学情にどうぞご期待ください。

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