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学情レポート 2018.11

企業の動向・学生の動向 【2018年11月15日号】

企業の動向・学生の動向

■企業の動向

 2019年卒採用は10月の内定式を経て一定の落ち着きを見せているが、特に中堅・中小企業では採用予定数に達しない、または急遽の辞退が発生したために活動継続を余儀なくされるケースも見られる。10月開催の「就職博」(東京・名古屋・大阪)では前月を上回る数の企業が出展するなど、学生への直接面談によるアプローチは引き続き旺盛だ。さらに、人材紹介サービス等の利用や第二新卒採用強化の動きも増加傾向にあり、採用継続企業の活動方法は多様化している。一方、前年と比べると、大手企業による秋採用実施は激減している。「採用基準に達する学生がほとんど残っておらず、今年度の採用に見切りをつけ、次年度に備えたい」(大手IT系企業)といった声も多く、例年以上に次年度活動へのシフトが進んでいる。

 2020年卒学生対象のインターンシップでは、大手企業はもとより、初めて実施する中堅・中小企業も加わり、各社入り乱れての学生募集となっている。例年以上の実施数であるため、学生もコンテンツの優劣などでインターン先を選別しており、応募状況には明暗が分かれている。10月に開催された「インターンシップ博」では、出展上限数に達してからも企業からの出展希望が相次ぎ、各社はこうしたインターンイベントも駆使しながらのインターン募集を続けている。一部の企業では経団連の指針を尻目に、インターンシップ後の学生接触を試みており、採用活動の前哨戦が既に水面下で繰り広げられている。採用広報解禁前とはいえ、インターンシップを中心とした活動を強化する動きが広がっている状況だ。

(津崎 宏昌)

■学生の動向および学生を取り巻く就職環境について

 2019年卒学生の就職活動は終息しつつあるように見えるが、10月中旬に東京で開催された「就職博」には前年同時期比で1割以上も多い学生が来場した。公務員、教員、進学からの転向組、留学帰りの学生もいるが、来場学生の約半数が内定保持者であった。売り手市場の負の側面として、学生の多くが、説明会参加数および受験企業数が少なく、決断する決定打を持ち得ていないためだと思われる。各大学の就職指導担当者曰く、文系で「内定率は7割程度」、理系で「9割前後」。また、「決断できない学生は年々増えている気がする」と語る担当者も多い。一定数の学生の就活は、まだまだ継続中である。

 一方、2020年卒学生については、様々な二極化が進行中である。10月開催の「インターンシップ博」に来場した学生の声を拾ってみた。「選考の特急券が欲しいので、10社以上のインターンに参加しました」という積極的な学生。「単日のインターンはただの説明会だから参加する意味がない」という学生。就活相談ブースに訪れ、「就活に向けて、今何をすればいいんですか?」や「友だちに連れられて渋々来たのですが、インターンってなんですか?」という学生も。目的意識を持ってインターンに参加した学生と、とりあえず参加し、それだけで就活準備は万全だと勘違いしている学生などで、今後差が広がりそうである。しかし、「インターンのエントリーシートって出せば通るんですよね。みんな通っています」との声もあり、インターンの時期から学生は売り手市場を実感している。企業はインターンで、大学は就職支援行事等で、業界・仕事理解をさせないと来年も決断できない学生が増えそうである。

(東 修三)

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