中小企業のなかには「新卒がとれない」と悩んでいる企業も多いでしょう。本記事では、中小企業の新卒採用がうまくいかない理由や対策について解説します。新卒採用に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
新卒採用の現状
近年、新卒採用では売り手市場が続いており、人材獲得競争が激化しています。リクルートワークス研究所の調査によると、2025年卒の求人倍率は1.75倍と、前年よりも0.04ポイント上昇しました。
採用難が続く一方で、大手企業は買い手市場、中小企業は売り手市場といった採用格差が生じています。中小企業の採用を成功させるには、採用課題に適した対策が必要です。
※参考:リクルートワークス研究所「第41回 ワークス大卒求人倍率調査(2025年卒)」
中小企業の新卒採用がうまくいかない原因と対策
中小企業の新卒採用がうまくいかない原因と対策について解説します。
採用要件が明確でない
明確な採用要件が定まっていないと、採用活動を効率的に進められません。
採用要件とは、企業が人材を採用する際に基準となる条件のことです。採用要件が明確でないと、採用ターゲットに適した採用手法を選べなかったり、ミスマッチを誘発し、採用に至っても内定辞退や早期退職につながってしまったりする可能性があります。
ペルソナを設定する
採用要件を明確にするには、採用ペルソナを設定しましょう。
採用ペルソナとは、採用したい人物像のことです。学歴や資格だけでなく、価値観や行動特性など、求職者のパーソナリティーに関する項目も細かく設定します。
採用要件を明確にすることで、選考の精度が高まったり、企業と求職者のミスマッチを防いだりする効果が期待できます。
採用手法が適切でない
採用手法が適切でないと、母集団形成ができなかったり、企業と求職者の間にミスマッチが生じたりする可能性があります。
新卒採用における採用手法には、以下のようなものがあります。
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メリット |
デメリット |
求人サイト |
・幅広い学生にアプローチできる。 |
・採用できなくても掲載費がかかる。 |
人材紹介 |
・採用要件に適した人材を紹介してもらえるため、マッチング精度が高い。 |
・採用する人材の年収に伴って成功報酬額が上がる。 |
合同企業セミナー (合同企業説明会)
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短期間で多くの学生と面談の機会が持てる。 |
・イベントに参加する人員が必要。 |
ダイレクトリクルーティング |
・求人サイトに登録している求職者に、直接コンタクトが取れる。 |
・業務負担が大きい。 |
リファラル採用 |
・企業を理解したうえで紹介を受けられるので、マッチング精度が高い。 |
・紹介される人材のタイプに偏りが生じやすい。 |
最適な採用手法を選定するために、それぞれの特徴をおさえておきましょう。
採用ターゲットに適した採用手法を選定する
新卒採用を成功させるには、採用ターゲットに適した採用手法を選定することが大切です。
大手求人サイトは登録者数が多く、幅広い求職者にアプローチできます。一方で、掲載企業数も多く、求人情報が埋もれてしまう可能性もあります。
採用手法を選定する際は、求人サイトの規模やネームバリューだけでなく、採用ターゲットに適しているかを確認しましょう。
企業の知名度が低い
中小企業は知名度の低い企業が多く、母集団形成に苦戦しやすい傾向にあります。
大手企業は知名度が高いため、学生が能動的に情報収集を行います。一方、企業知名度の低い中小企業は、企業側から働きかけないと、企業の存在を知ってもらえないため、企業の魅力や強みを効果的にアピールできません。
採用広報に力を入れる
企業の知名度を上げるには、採用広報に力を入れましょう。採用広報とは、自社が求める人材を採用するために実施する広報活動のことです。
採用広報の手法には、次のものがあります。
- コーポレートサイト
- 広告
- イベント
- SNS
- ブログ
- 採用サイト など
採用広報を実施するには、マンパワーや予算が必要です。まずはできることから取り組んでみるのがおすすめです。
母集団形成ができていない
母集団形成ができていないと、採用要件に適した人材を採用することが難しくなります。
母集団形成とは、自社の求人に興味を持つ求職者を集めることです。母集団形成が不十分だと、限られた人材のなかから採用しなければならず、ミスマッチを誘発する可能性があります。
採用ターゲットに適したアプローチをする
質の高い母集団形成を行うには、ダイレクトリクルーティングを活用し、採用要件に適した求職者へ効率的にアプローチするのがおすすめです。
「あさがくナビ」では、学生が設定したアバターと自己診断した性格タイプ、就職活動の進捗度からスカウト検索ができます。それらの項目に応じてスカウトメールが送れるので、高いプレエントリーの実現が可能です。
他社との差別化ができていない
他社との差別化ができていないと、学生になかなか興味を持ってもらえません。
株式会社学情の調査によると「若手のうちから裁量を持って働ける職場は『魅力を感じる』」と回答した学生が8割でした。また、やりがいや成長実感を得ながら仕事をすることを重視する学生が約9割にも上ります。
他社との差別化を図るには、自社の魅力や仕事のやりがいを改めて分析し、求職者にアピールすることが重要です。
※参考:株式会社学情「裁量・やりがいに関する調査」
企業独自の魅力や強みを発信する
他社との差別化を図るには、独自の魅力や強みを積極的に発信することが大切です。
新卒採用サイト「あさがくナビ」の動画型のスカウトメール「JobTubeスカウト」を活用すれば、掲載原稿や画像 できるので、企業の魅力をリアルに伝えられます。動画を撮影する手間がないので、業務負担を増やすことなく、短期間での作成が可能です。
選考スピードが遅い
選考スピードが遅い、選考回数が多過ぎる企業は、学生から敬遠される可能性があります。
株式会社学情の調査によると、就職活動準備の中で「タイパ」を意識すると回答した学生が約7割でした。就職活動の効率化を意識する傾向が高く、企業側にはスピーディーな選考が求められます。
また、選考スピードが遅いと、待っている間に他社の選考が進み、関心が移ってしまう点にも注意が必要です。
※参考:株式会社学情「タイパ(タイムパフォーマンス)についての調査」
選考フローを見直す
まずは自社の選考フローが適切か確認しましょう。多くの企業は2〜3回の選考で内々定を出しており、一次選考から内々定までの平均日数は27.8日です。
面接回数が多かったり、選考に時間がかかっていたりする場合は、選考フローの見直しが必要です。他にも、選考結果や内定通知を迅速に連絡することで、企業側の熱意を学生に伝えられます。
内定後フォローが十分でない
入社意欲を確認できても、内定を辞退されることは珍しくありません。株式会社学情の調査によると「第一志望ではない企業から志望順位を聞かれた際に、どのように回答するか」という質問に対して、約半数の学生が「第一志望だと伝える」と回答しました。
内定承諾率を上げるには、内定後フォローを行い、学生の志望度や熱意が下がらないように対策する必要があります。
※参考:株式会社学情「選考についての調査」
入社への不安や疑問を解消する場を設ける
内定承諾を得るには、会社説明会や選考では解決できなかった不安や迷いを払拭しなければなりません。内定者懇親会や職場見学、既存社員との面談などを通して、企業理解を深めてもらうことで学生の志望度を上げていくことが大切です。
中小企業の新卒採用を成功させる3つのポイント
中小企業の新卒採用を成功させるポイントについて解説します。
カジュアル面談を実施する
カジュアル面談とは、相互理解を深めるための面談です。
選考前に企業と求職者がリラックスしながら対話することで、本音で話しやすくなります。また、カジュアル面談では選考の合否は出さないため、選考で聞きづらいことも質問しやすいのが特徴です。
相互理解を深めることで、ミスマッチの防止や面談数の増加による志望度アップが期待できます。
採用枠を広げる
採用目標人数を達成するには、採用枠を広げて第二新卒やヤングキャリアの採用を目指すこともおすすめです。
第二新卒やヤングキャリア層には、働く意欲や成長意欲が高い求職者が多く存在します。4月入社を目標に採用活動を進めれば、新卒と同時入社でき、入社準備や研修にかかる業務負担が軽減できます。
第二新卒やヤングキャリアの採用を目指すなら、20代採用に強い「Re就活」がおすすめです。若手採用に特化した求人サイトを活用することで、採用活動を効率的に進められます。
便利な採用ツールを活用する
中小企業では、採用担当者が採用以外の業務を兼任している場合が多く、マンパワーが不足しがちです。便利な採用ツールを活用し、業務負担を軽減しましょう。
「あさがくナビ」では、応募から来社までの一連の流れを完全システム化した「カンタン面接調整システム」を導入しています。システムを活用することで、採用の効率化だけでなく、スピーディーな選考や面接設定率の向上が目指せます。
新卒採用がうまくいかないときは「あさがくナビ」でマッチングの高い採用を目指そう!
新卒採用がうまくいかない原因には「採用要件が明確でない」「採用手法が適切でない」などがあります。中小企業の新卒採用を成功させるには、採用課題を把握し、課題に適した対策をすることが大切です。
新卒採用がうまくいかないときは「あさがくナビ」の活用をご検討ください。
「あさがくナビ」は、会員数40万人を誇るダイレクトリクルーティングサイトです。採用要件にマッチした人材に対し、直接アプローチすることで、母集団形成やマッチング度の高い採用が期待できます。
新卒採用にお困りの方は、株式会社学情へお問い合わせください。
株式会社学情 エグゼクティブアドバイザー(元・朝日新聞社 あさがくナビ編集長)
1986年早稲田大学政治経済学部卒、朝日新聞社入社。政治部記者や採用担当部長などを経て、「あさがくナビ」編集長を10年間務める。「就活ニュースペーパーby朝日新聞」で発信したニュース解説や就活コラムは1000本超、「人事のホンネ」などでインタビューした人気企業はのべ130社にのぼる。2023年6月から現職。大学などでの講義・講演多数。YouTube「あさがくナビ就活チャンネル」にも多数出演。国家資格・キャリアコンサルタント。著書に『最強の業界・企業研究ナビ』(朝日新聞出版)。