企業の動向

 2023年卒採用について各社の採用意欲は衰えず、多くの企業が採用活動を続けている。従業員60名程のある老舗メーカーでは、例年であれば工場見学及び面接に足を運ぶ学生がプレエントリー数の約60%に達するが、今年度は30%程に留まり、選考進出者の減少に頭を悩ませている。弊社が2023年卒学生を対象に実施した調査でも、プレエントリー、セミナー参加、面接受験を「21社以上」行った学生は、プレエントリーが43.8%、セミナー参加が38.2%であるのに対し、面接受験は8.2%に留まる。セミナーはオンラインを活用し幅広い学生を対象に実施できるようになったが、そこで強く興味喚起をさせないと面接に繋がらない。ここが今後の採用活動の課題と言えそうだ。
 2024年卒採用では各社インターンシップの実施に熱が入るが、その開催時期の早期化が目に付く。あるエネルギー商社では、例年であれば学生が参加しやすい8~9月の夏休み期間にインターンシップを開催していたが、今年度は2ヵ月前倒しして6月から受け入れを始めたという。弊社が内々定を獲得している2023年卒学生を対象に実施した調査では、「内々定獲得企業の中にインターンシップ参加企業があるか」という問いに対し「ある」と答えた学生が46.3%と半数弱を占めた。インターンシップ期の活動が採用の成否にも大きく関わっており、そうした状況下で、他社に先んじてより早くから受け入れを開始しようという動きが広がっている。早期化がますます進行する中、接点を持てた学生への継続的なフォローを始め、その後の採用に繋がる流れをいかに構築するかが今後の鍵になるだろう。
(フィールドセールス部 大久保 貴彦)

学生の動向および学生を取り巻く就職環境について

 2023年卒学生の動向を各大学に伺うと、昨年同時期と比べ内々定率は数ポイント上がっているという声や、昨年以上に複数内々定を獲得する学生が多いという声をよく耳にする。一方で、就職活動にまだ取り組めていない学生も一定数いるという。ただ夏休み中はそうした学生に連絡が付かないケースも多く、各大学では後期から個別支援に注力する意向だ。就職活動継続中の学生に見られる特徴としては、「面接に苦手意識がある」という点が挙げられる。8月に開催された弊社主催「就職博」の相談ブースでは、相談に訪れた学生の7割ほどが「面接が苦手」ということであった。これまではオンラインでの選考が多く、対面での面接が増える中で雰囲気にのまれてしまうケースもあるようだ。企業説明会や選考など、企業と対面で接する機会をできるだけ多く設け、苦手意識を少しでも払拭できるかが今後の課題といえそうだ。
 2024年卒学生については、例年以上に早期から動き出す学生が多いが、インターンシップや就職活動に対する意識は必ずしも高いとは言えない印象だ。各大学からは、「何となく」「皆が参加するから」という理由でのインターンシップ参加が増えているという声が多く、いかに目的意識を持たせられるかが課題となっている。学内の就職ガイダンスについても、4月実施時こそ参加率が良かったものの、そこから低下の一途をたどっていったという大学も少なくない。継続的に就職活動の準備に取り組もうという学生は少数であり、夏休み明け以降のガイダンスにどの程度学生が集まるかを懸念する大学が多い状況だ。
(キャリアサポート部 巽 浩一)