近年、従来の採用手法に加えて、さまざまなアプローチ方法が登場しています。この記事では、基本的なものからトレンドの採用手法までご紹介します。記事の最後に選び方と成功事例も載せていますので、ぜひお読みください。
この記事で紹介する採用手法一覧
基本の採用手法 |
求人サイト |
人材紹介 |
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合同企業セミナー |
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ハローワーク |
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求人検索エンジン |
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トレンドの採用手法 |
ダイレクトリクルーティング |
リファラル採用 |
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アルムナイ採用 |
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SNS採用(ソーシャルリクルーティング) |
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オウンドメディアリクルーティング |
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採用動画 |
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カジュアル面談 |
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採用手法の効果をより高める施策 |
採用マーケティング/ブランディング |
ミートアップ採用 |
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就活カフェ |
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採用代行(RPO) |
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採用管理システム(ATS) |
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タレントプール |
基本の採用手法
まずは、従来からある基本的な採用手法から解説します。それぞれの手法について、概要とかかる費用の目安、メリット・デメリットを簡潔に紹介します。
求人サイト
求人サイトは、企業が求人広告を掲載することで求職者からの募集を集めるWeb媒体です。ナビサイトや就職サイトとも呼ばれる、もっとも基本的な採用手法です。採用をするとなればまずは求人サイトへの広告掲載を考える方が多いのではないでしょうか。
各社からサービスが提供されていますが、新卒採用向けとキャリア(経験者)採用向けで分かれている場合が多いです。とくにキャリア(経験者)採用向けの求人サイトには、さまざまな求人を扱う「総合型」と職種や地域に特化した「特化型」の2種類が存在します。
近年は、求職者が求人サイトに登録している情報をもとに企業からスカウトメールを送る「ダイレクトリクルーティング」の機能を備えている求人サイトも増えています。
求人広告の内容や掲載期間などによって変わるが、25~185万円程度が目安
- 数百万人単位の大規模な人材データベースから条件で絞り込むことで、自社の採用ターゲットへ効率的にアプローチできる
- 費用は求人の掲載自体にかかるので、採用人数によって料金が変わらない
- ひとりも採用できなかった場合でも料金がかかる
求人数が求職者数を上回る「売り手市場」によって採用は難化しており、応募を集めるためには求人広告の内容を工夫する必要があるでしょう。
人材紹介
人材紹介は、採用を行っている企業と求職者、双方のニーズを満たすようにマッチングさせるサービスです。人材紹介会社に所属するエージェントが、自社のタレントプールの中から条件に合った人材を探し、企業に紹介します。求職者に対してもキャリアカウンセリングなどを実施し、一人ひとりに合った求人を紹介します。
求人サイトを運営する会社が同時に人材紹介サービスを展開しているケースも多く、大規模な人材データベースを強みにしています。ほかにも「サーチ型」と呼ばれる、SNSや他社の人材データベースなどから人材を見つける人材紹介サービスもあります。
成功報酬型が主流で、採用した人物が内定を承諾、もしくは、入社するまで費用はかからない
※成功報酬の金額は、入社した人材の年収の30~35%程度が目安。たとえば、年収500万円の人材をエージェント経由で採用すると、150~175万円程度。
- 採用担当者の負担軽減(自社にマッチする求職者を見極めてくれるほか、面接日程の調整などもエージェントが代行)
- 候補者との面接に集中できる
- 自社を知らない人材にも、エージェントが自社の魅力や採用要件を客観的に伝えてくれることで、これまでとは異なる層の求職者に出会える
- ひとり当たりの採用コストが割高になる可能性がある
注意すべき点は、優秀な人材ほど年収が高くなり、支払う成功報酬もその分増えることです。自社の採用要件で人材紹介サービスを利用するのが適切か、事前に検討しましょう。
合同企業セミナー
合同企業セミナーは、さまざまな業界や業種の企業がひとつの会場に集まってブースを出展し、求職者に自社の情報を提供するイベントです。合同説明会や合同企業説明会とも呼ばれます。50社程度の中規模のものから、300~400社集まる大規模なものまでさまざまです。
新型コロナウィルスの流行以降は、オンライン形式でも開催されるようになりました。新卒採用向けのイメージが強かった合同企業セミナーですが、近年はキャリア(経験者)採用向けのイベントも増えています。
開催規模や日数、出展ブースの大きさなどにもよるが、50万~200万円程度が目安
- 一度に多くの求職者と接触でき、効率的な母集団形成が可能
- 求人広告だけでは伝わり切らない自社の魅力や雰囲気を口頭でアピールでき、企業の認知度や志望度向上につながる
- 求職者との双方向のコミュニケーションによって採用ミスマッチを減らせる
- 知名度の高い企業に求職者が集まる
合同企業セミナーで自社のブースに求職者を集めるには、積極的な声がけや目をひく装飾などの工夫が必要です。
ハローワーク
民間のサービス以外にも、厚生労働省がハローワーク(公共職業安定所)を設置しています。企業が求人を掲載するには申請をしてください。全国500か所にある窓口で手続きを行う方法と、ハローワークインターネットサービスを利用する方法の2つがあります。
無料
- 若い世代から60歳以上までの幅広い世代の求職者に働きかけられる
- 国が運営しているサービスなので、求職者にとって安心感がある
- 無料で利用が可能
- 全国一斉募集ができない
- 求人の文字数が限られている
- 専門的なスキルや即戦力採用には不向き
求人検索エンジン
求人検索エンジンは、一般的な検索エンジンと同様にキーワードで求人情報を検索できるサービスです。
求人サイトと異なるのは、インターネット上に公開されている大小さまざまな企業の求人情報をクローリング(プログラムがWebページを巡回し、情報を集める仕組み)している点です。自社に採用ページがなく、クローリングの対象にならなくても、求人検索エンジンに直接求人を掲載できます。
掲載は無料 ※上位表示させる有料オプションもある
- 求人サイトと異なり、配信をコントロールできる
- クリック率などの分析結果をもとに、より効果的な運用を目指せる
- 専門的な知識をもつ人材が社内にいないと運用がむずかしい
求人検索エンジンの有料オプションは基本的に「クリック課金型」で、設定する価格によって表示順位が変わるので、費用と効果の適正なバランスを見極める必要があります。
中途採用と新卒採用のトレンド
採用のトレンドは、新卒採用と中途採用で異なる点と共通する点が見られます。
中途採用では、会社を一度退職した人材を再雇用する「アルムナイ採用」や、社員から友人や知人を候補者として紹介してもらう「リファラル採用」が注目されています。即戦力の人材確保を重視する傾向から、こうした個別採用が活発化しています。選考の合否とは関係なく、企業と求職者がお互いに情報交換をする場である「カジュアル面談」も最近では一般的になりました。
新卒採用では、従来の求人サイトでの「マス型採用」と併用で、個別採用を導入する企業が増えています。具体的な手法は「ダイレクトリクルーティング」や「オウンドメディアリクルーティング」などです。
昨今の学生は、もともと知っている企業や志望度が高い企業にはマス型の求人サイト経由で自ら応募し、名前を知らない企業やBtoB企業からはダイレクトリクルーティング型のサービスに登録してスカウトを待つ傾向があります。また、SNSで情報収集をするため、企業もSNSを活用した情報発信を重視するようになっています。
さらに、対面型イベントの復活の兆しが見られます。新型コロナウィルスの流行で採用のオンライン化が進みましたが、今では対面形式とオンライン形式の併用が見られるようになりました。
株式会社学情が実施したアンケート調査では、対面形式の合同企業セミナーに参加する企業の割合が前年を3.2ポイント上回る39.7%でした。
※出展:株式会社学情「2025年3月卒業予定者/採用動向調査レポート」(https://service.gakujo.ne.jp/jinji-library/report/25saiyo-report/)p.15
全体として、採用市場では売り手市場の傾向が強まっており、競合他社との人材獲得競争が激化しています。このため、企業はさまざまな採用手法を組み合わせた「攻め」のアプローチを取り入れるようになっています。
トレンドの採用手法
トレンドの採用手法についてそれぞれ解説します。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、企業が求職者に直接アプローチする採用手法です。具体的なアプローチ方法は、スカウトメールの送付やヘッドハンティングのほか、対面型のイベント、SNS採用などがあります。
近年の売り手市場の影響で、求人広告だけで応募を集めるのがむずかしくなっている中、「攻め」の採用として注目されています。終身雇用が当たり前ではなくなりつつあり、働き手が主体的なキャリア形成を意識するようになったのも要因のひとつでしょう。
スカウトメールなどの機能がある求人サイトを利用する場合は、広告掲載料がかかる
※成功報酬型のダイレクトリクルーティングサービスもある
リファラル採用
リファラル採用は、自社に合う人材を既存社員から紹介してもらう採用手法です。すでに自社で活躍している人材の周りにいる人間なので、考え方や価値観が似ており、自社とのカルチャーマッチが期待できます。
紹介してくれた社員に企業がインセンティブを支払うケースが多いです。
縁故採用とは異なり、必ず採用する必要はありません。求職者との接触方法のみが特有で、そのあとの選考ルートはほかの採用手法と変わらない場合がほとんどです。
社員に支払うインセンティブの額は、1~50万円と企業によって幅広い
- 自社をよく知っている社員が紹介する人材なので、ミスマッチが起こりにくいと考えられる
- 求人広告や人材紹介サービスよりコストを抑えられる
- いつ紹介してもらえるかが不明確で、期限がある採用には不向き
- 不採用の場合に紹介者と応募者の関係が悪くなる可能性がある
インセンティブは、報酬として支払うと有料職業紹介の扱いになり法に触れる可能性があるので、注意しましょう。賃金の形で支払うのは問題ありません。
業務の一環としてリファラル採用を組み込む場合、不採用の場合でもインセンティブを渡すことが望ましいです。
くわしくはこちらの記事をご覧ください。
アルムナイ採用
アルムナイ採用とは、現役世代で中途退社した退職者を再雇用する採用手法です。定年退職は含みません。本人に働き続ける意志があったものの、出産や育児、配偶者の転勤といったやむを得ない事情で退職した社員が「アルムナイ」に該当します。
日本の生産年齢人口の減少にともない、即戦力人材の確保という点で注目されています。
アルムナイ採用を行うには、退職時に再雇用制度があることを伝え、アルムナイネットワークを維持します。SNSや、アルムナイに特化したサービスを利用するのが一般的です。定期的な交流会を開く企業もあります。
広報活動や外部サービスを利用する場合は費用がかかるが、基本的に無料
- もともと自社で働いていた社員なので、ミスマッチが起こる可能性が低い
- 即戦力が期待できる
- 一度退職して外の世界を見てきているので、ヒアリングによって自社の改善点がわかる
- アルムナイネットワークの維持には工数がかかるが、必ずしも再雇用できるとは限らない
- 既存社員との格差が生まれると不満の原因になる
- 離職へのハードルが下がる可能性がある
既存社員よりも好待遇でアルムナイを再雇用すると、既存社員が正当な評価をされていないと感じ、モチベーションが下がる場合があります。アルムナイ採用を取り入れるには、雇用契約の見直しや環境づくりに取り組みましょう。
SNS採用(ソーシャルリクルーティング)
SNS採用は、ソーシャルリクルーティングとも呼ばれます。SNSでの情報発信によって企業の認知度やブランド力アップを狙い、興味をもった求職者に直接ダイレクトメールなどで応募に促す採用手法です。ダイレクトリクルーティングのアプローチ方法としても使われています。
LINEやX(旧Twitter)、Instagram、YouTubeなどの一般的なSNSをはじめ、WantedlyやLinkedInなどのビジネスSNSも用いられます。アカウントの作成や投稿は無料ですが、長期的な運用を視野に入れてください。有料の広告を提供するサービスもあります。
基本的には無料 ※有料オプションが用意されている場合もある
- ファンがつき、自社への志望度が高まる
- 情報の拡散によって自社を知らない層にもリーチできる
- すぐに採用につながるとは限らない
- 採用ターゲットに興味をもってもらえるコンテンツを作り続けなければならない
- 長期的に運用を継続できる人員と環境が必要
SNS採用は、採用ブランティングとダイレクトリクルーティングの面の双方を備えており、成功すれば質の高い母集団形成が可能となります。
オウンドメディアリクルーティング
オウンドメディアとは「Owned Media」、つまり、自社が所有するメディアを指します。オウンドメディアにもさまざまな種類がありますが、自社への理解を深めるコンテンツを発信するメディアが採用に向いています。たとえば、社員が働く理由や新しい取り組みについてのインタビューや、役職者の考え方の発信などです。
自社のリソースを使ってページを立ち上げるほかにも、noteなどの外部プラットフォームを利用できます。SNSとの併用も効果的です。
メディアの立ち上げを外部に依頼する場合は、100~300万円程度
※依頼する範囲やクオリティによって大きく変わる
- オウンドメディアを通じて価値観に共感を抱いた求職者からの応募を集められるため、ミスマッチを減らせる
- オウンドメディアから流入を増やせれば、自社の認知度を上げられる
- マーケティングやSEOなどについての運用ノウハウが不可欠
- 短期間で効果が出にくく、ほかの採用手法と組み合わせた方が効果的
採用動画
採用がオンライン化するにつれて、Webを通じても企業の雰囲気を伝えようと、採用動画が注目され始めました。今では、オウンドメディアで動画を利用するほか、YouTubeにアップロードして企業認知を図る企業もあります。
費用や動画の作り方はこちらの記事で紹介していますのでぜひご覧ください。
カジュアル面談
カジュアル面談とは、選考の合否とは関係のない、企業と求職者がリラックスした雰囲気の中でお互いに情報交換をする場です。オンライン形式やカフェ、オフィス見学を兼ねて社内の会議室で開かれます。
求職者への接触は、従来の採用手法と同様に求人サイトや人材紹介、ダイレクトリクルーティングなどを通して行います。選考プロセスに「カジュアル面談」という前段階を設けて応募のハードルを下げ、より多くの求職者と接するのに効果的です。
無料(カフェなどで行う場合は、飲食代)
- ファーストステップが面接ではないので、求職者の応募のハードルが下がり、接点を増やせる
- 合否に関係ない場で疑問点を解消でき、ミスマッチが起こりにくくなる
- カジュアル面談を受けた候補者が必ずしも選考に進んでくれるとは限らない
採用手法の効果をより高める施策
この章では、直接採用にはつながらないが、採用の効率を上げる点で注目を集めている施策を紹介します。「基本の採用手法」「トレンドの採用手法」で紹介したものと合わせて実施すると効果的です。
採用マーケティング/ブランディング
採用マーケティングや採用ブランディングは、中長期的なスパンで自社の認知を拡大させる施策です。
採用マーケティングは、採用活動にマーケティングのフレームワークを取り入れた考え方です。採用マーケティングでは「認知」「興味」「応募」「内定」といった段階をファネル(じょうご)として捉え、ファネルごとに適したチャネル(採用手法)を選択してアプローチします。その上で、採用活動を数値化して、継続的にPDCAを回します。
採用ブランディングは、ファネルの最初の部分である「認知」を推し進める役割を果たします。企業がもつ魅力や価値を整理した上で、採用説明会・インターンシップ・Webサイトなどのあらゆる場で一貫したコンセプトを発信し、自社で働くこと自体をブランド化します。
ふたつの考え方に共通しているのは、就職・転職潜在層に普段から企業の価値を十分に伝え、自社の考え方に共感する人材からの応募や志望度の向上を図るという目的が含まれることです。
「売り手市場」のなかで他社との差別化を行うためにも、採用マーケティングや採用ブランディングの重要性はより増していくでしょう。
ミートアップ採用
ミートアップとは、共通の目的や興味をもつ人々が集まり、情報交換や交流をするイベントを指します。開催形式にはフリートークや勉強会、LT(ライトニングトーク)大会などがあります。
まずはカジュアルな場から就職・転職顕在層と接点をもち、自社への志望度や理解度を高めたうえで応募へと促すのが、ミートアップ採用です。実際に働いている社員と参加者で交流を深められる点で、自社のカルチャーを伝えるのに適しています。採用ミスマッチも起こりにくいでしょう。
就活カフェ
新卒採用では、就活カフェを利用する企業も増えています。就活カフェとは、就職活動中の学生が無料でWi-Fiや電源を使えるフリースペースです。
ミートアップの会場として利用できる就活カフェもあります。カフェ内にサイネージ広告やパンフレットを設置する、カジュアルなOBOG訪問や企業面談を実施するなど、学生との接点を増やす施策で活用されています。
就活カフェの多くはスポンサーからの協賛金で運営されているので、企業の利用には料金がかかります。
採用代行(RPO)
RPOは「Recruitment Process Outsourcing」の略称で、採用代行サービスのことです。代行を依頼できるサービスは、採用計画から母集団の形成、応募者の対応・管理、選考に関する対応、内定者のサポートまで幅広く対応しています。
労務や人事などの他業務と兼業している採用担当者にとって、マンパワー不足は悩みのタネでしょう。とくに、ここ数年は採用難易度が高まっており、十分なリソースを割かないと結果がついてこない場合も多いです。
採用業務の一部を外注すると企業の採用担当者は面接などに注力でき、採用の質を高められます。
採用管理システム(ATS)
ATSは「Applicant Tracking System」の略称で、採用管理システムと呼ばれています。直訳が「応募者追跡システム」である通り、面接日程の調整や選考結果の自動集計など、採用に関する情報を一元管理するシステムです。
人材獲得競争が激化する中、求職者への対応が遅れると、優秀な人材が他社に流れてしまうかもしれません。また、複数の採用チャネルを利用していると管理が感雑になりがちです。このような課題を解決するために採用管理システム(ATS)を活用する企業が増えています。
ATSの利用料金は、月額2~10万円程度が目安です。加えて初期費用がかかる場合もあります。具体的な導入手順や比較ポイントをこちらの無料ダウンロード資料で説明しています。ぜひご覧ください。
タレントプール
タレントプールは、英語で「優秀な人材」を意味する「Talent」と「蓄積すること」を意味する「Pool」を組み合わせた造語であり、別名「人材プール」とも呼ばれています。
タレントプールはその名のとおり、人材情報を蓄積するデータベースです。たとえば過去に入社には至らなかったが優秀な人材がいた場合、データベース上で採用候補者を管理できれば、アプローチすべき人材を絞り込みやすくなります。
自社に最適な採用手法を選ぶための4ステップ
自社に合った採用手法を選ぶために、4つのステップで考え方をご紹介します。
- 採用課題を洗い出す
- 採用ニーズを整理する
- 採用ターゲットに合った採用手法を選ぶ
- いくつかの手法を組み合わせる
1.採用課題を洗い出す
まずは自社の採用課題を整理できるかが肝心です。新しく採用活動を始める場合は、何のために採用をするのかを明確にしましょう。
すでに採用を行っているが、何らかの課題を抱えている企業は、具体的にどのような課題が採用フローのどこにあるのかを洗い出します。
たとえば、これらの課題が考えられます。
- 採用ターゲットに合った人材からの応募がない
- そもそも応募の数がすくない
- 選考に時間がかかり、候補者の管理が追いつかない
- 選考の通過率が低い
- 入社後の定着率が低い
- 採用に費用をかけられず、効果が出ない など
2.採用ニーズを整理する
次に、採用ニーズを明確にしましょう。採用ターゲットやペルソナがない場合は、募集する職種の現場にヒアリングを行うなどして、詳細な条件を設定します。採用ターゲットは条件によって分類されたグループ(集団)であるのに対して、採用ペルソナとは「企業が入社して欲しいと思う架空の人物像」です。
採用ターゲットやペルソナを設定すると、採用に関わるすべての社員が求める人材の共通イメージをもてるようになります。
3.採用ターゲットに合った手法を選ぶ
採用手法には、それぞれで異なるメリットとデメリットがあります。採用ターゲットが変われば、適した採用チャネルも変わります。
たとえば、採用ターゲットは即戦力なのに、中長期的な施策のオウンドメディアリクルーティングのみに取り組んでいても目的は達成されません。この場合は、アルムナイ採用や、採用要件や期限を正確に伝えた上での人材紹介サービスが適切でしょう。
カルチャーマッチを重視するケースでは、オウンドメディアリクルーティングやSNS採用などの採用ブランディング+ダイレクトリクルーティングが適しています。専門的なスキルをもった人材が欲しいのであれば職種に特化した求人サイト、採用にあまりコストがかけられない場合はSNS採用やリファラル採用…というように、採用ターゲットと社内のリソースを踏まえた検討が必要です。
4.いくつかの手法を組み合わせる
もし、高度な知識やノウハウが不可欠な採用手法ひとつに絞ってしまうと、採用がなかなか進まないケースが予想されます。例を挙げれば、ダイレクトリクルーティングはスカウトメールの質によって成功が左右されます。
また、ミートアップで出会った人材にカジュアル面談で理解を深める場を設けるといった柔軟性も重要です。
ほかにも、採用チャネルによって出会える求職者の層が変わるので、母集団の内訳を偏らせない点でも複数の採用手法の併用は効果的です。
ダイレクトリクルーティングのノウハウがない際は、外部に依頼するのもおすすめです。ダイレクトリクルーティングサイト会員数4年連続No.1「あさがくナビ」を運営する株式会社学情にぜひお問い合わせください。
手法ごとの採用成功事例
採用手法ごとに成功事例をご紹介します。導入しようとしている採用手法があれば参考にしてください。
動画を活用した採用ブランディングによる採用成功事例
自社の魅力を学生に訴求するための動画の作成
JobTube
業務内容や会社の雰囲気等を理解し、興味を持って選考に進んでくれた学生が増加
「堅い」企業イメージを払拭するために“職場体感型採用動画”「JobTube」を作成、マイページ上で視聴してもらうことで会社・仕事への理解や、志望度が向上しました。
キャリア(経験者)採用向け合同企業セミナーによる採用成功事例
自社と接点のなかった20代転職希望者からの応募増
Re就活、転職博
期待以上に質の高いマッチングを創出、定期的に採用に成功
キャリア対象の合同企業セミナーにはじめて参加し、1日で100名近くの求職者と接触。また、来訪者のほとんどが当社の採用ターゲットと一致する20代で、個別の面談によって応募を増やしました。
人材紹介による採用成功事例
人材獲得競争の激化により、20代人材の母集団形成が困難に
Re就活エージェント
2年間で20人の20代・若手人材の採用に成功
20代人材の母集団形成が困難な状況下で、「Re就活エージェント」を利用。質の高い求職者をコンスタントに紹介してもらい、2年間で20人の採用に成功しました。
自社の課題に適した採用手法を
目的や採用ターゲット、かけられる費用・工数によって適切な採用手法は変わります。まずは自社の課題を洗い出し、最適な手法を検討しましょう。
新卒採用もキャリア(経験者)採用も難易度は年々上昇しています。時代のニーズに合った、柔軟な体制を築くことが重要です。
就職・転職・採用を筆頭に、調査データ、コラムをはじめとした担当者の「知りたい」「わからない」にお応えする、株式会社学情が運営するオウンドメディアです。