注目企業の人事インタビュー 

学生のことを第一に考え、
他社が真似できないような取り組みに挑戦していきたい。

富士特殊紙業株式会社 管理本部 総務部 総務課 課長代理 松原希一さん
富士特殊紙業株式会社
1950(昭和25)年にキャラメル包装用ロウ紙の製造業として静岡県富士市で創業した富士特殊紙業株式会社。その後、包装の原材料をセロファンへ、さらにプラスチックフィルムへと進化させながら食品パッケージ専業メーカーとして成長を遂げた同社は、お客様のニーズや時代の変化に応じて、品質や安全性に優れた最適なパッケージを開発・提供しており、本社工場で1日に印刷するフィルムの長さが東京~名古屋間往復距離に相当する636kmにも達する等、私たちが安心して美味しい食品を手にする上でなくてはならない、社会生活を根底から支える企業として業界内で存在感を発揮しています。
また同社はより安全面・環境面に配慮したパッケージ製造技術の開発にいち早く取り組んでおり、水性グラビア印刷や無溶剤ラミネート技術、そしてハイブリッド型デジタル印刷機「FUJI・M・O」等、業界に大きな影響を与える様々な世界初の開発に成功、その成果が認められ、「デュポン賞」「愛知環境賞」「地球環境大賞」「ものづくり日本大賞」といった数多くの賞で顕彰されています。「食品包装は重要な社会インフラ」と位置付けている同社は、誇りの持てる良いパッケージを安定的に共有する社会的責任を果たし、「おいしいをつつむ」食品包装の提供を通して笑顔を届ける企業として、更なる進化へのチャレンジを続けています。今回は管理本部総務部総務課に所属し、採用活動を始め、社員が働きやすい職場づくりにもご尽力されている松原さんに、同社の採用活動のご方針や独自のお取り組み等についてお話をお聞きしました。
※記事の内容は取材当時のものです。

世界初の「水性グラビア印刷」技術で、地球環境問題、労働環境問題の改善に貢献。

――普段の生活で何気なく手にしている食品パッケージですが、そこには様々な技術が凝縮されているそうですね。
食品パッケージは単に食品をまとめるだけでなく、湿気や酸素、紫外線、微生物等から食品を保護するという役割があり、さらに中に包む食品によって求められる密閉性や耐熱、耐寒性等が異なります。それらを実現するのが包装素材であるプラスチックフィルムの構造で、例えばポテトチップス等、揚げ物系菓子の袋の内側は銀色になっていますが、あれはアルミニウムを蒸着加工したフィルムです。このような様々な特性を持ったフィルムを積層(ラミネート)することで、様々な機能をもたせているのです。皆さんの目には同じように見えるかもしれませんが、全てが仕様の異なるオーダーメイドで製作されており、納品形態もお客様によって様々で、ひとつとして同じものはないといっても過言ではありません。食品パッケージとは実は、素材技術や印刷技術、成型加工技術といった数々の最先端技術の集合体であり、お客様が求める品質にお応えし続けてきた、私たちの努力とプライドの結晶とも言えます。
――その最たる例が、水性グラビア印刷をはじめとする数々の「世界初」の技術ですね。
かつてのパッケージ印刷は「油性(有機溶剤型)グラビア印刷」が主流で、いわば油性マジックでなければプラスチックフィルムに絵柄を書き込むことができなかったのですが、印刷現場はとても臭気が強く、さらに有機溶剤には発がん性物質が含まれている等、作業者にとって大きな負担になっていました。さらに揮発した有機溶剤を大気中に放出すると光化学スモッグ等の大気汚染の原因になるため、フィルター等で回収する必要があり、それを燃焼処理することで二酸化炭素の発生にもつながっていました。こうした問題を解決すべく、当社では業界で最も早くグラビアインキの水性化に取り組み、実用化に成功、地球環境問題、労働環境問題を改善し、より安全で高い品質の食品包装を実現いたしました。さらに水性グラビア印刷は油性と比べて画素数が多く、細かい部分のカラー再現性に優れているといった点も評価され、「デュポン賞」や「愛知環境賞」といった栄えある賞を数多く受賞しています。

また当社は、グラビア印刷現場の作業環境改善や、大気汚染の原因となるVOC(揮発性有機化合物)の排出削減が可能なこの技術を、食品パッケージ業界全体へ広めたいという思いから、水性グラビア印刷技術の特許について無償で公開しています。食をより安全に、美しく、豊かにするために、技術を広く提供し切磋琢磨することで、さらなる技術開発につなげていきたいと考えています。

1人1人にしっかりと向き合い、丁寧な情報発信で、限られた応募者の質を高めていく。

――貴社の採用活動のご方針についてお教えください。
まず大前提として、学生・求職者のことを第一に考え、できることは先入観なしになんでもやる、というのが私の考えです。当社のような中小企業を発見してくれて、わざわざ応募してくれる方は数が限られますので、1人1人にしっかりと向き合い、丁寧に情報発信をさせていただくことで、当社のファンになってもらうことで、限られた応募者の質を高めていく、そのためには大手企業と同じことをやっていては絶対にダメですし、逆張りの発想で、むしろやっていないことを積極的にやるようにしています。例えばコロナ禍で学生に直接会えない時は、自宅の近くまで行って、屋外の公園で面接をすることで、密を避けつつ、直接熱意を伝えるようにしていました。また工場見学や社員との交流ができないという状況でも、自分がカエルのキャラクターになって工場見学や社員紹介を行う動画をYouTubeで配信し、それを選考中の学生に見てもらうことで、親近感を持ってもらうようにしています。コロナ禍で制約は確かにありますが、それを逆にチャンスと捉えて、今後も他社が真似できないようなユニークな取り組みにどんどん挑戦していきたいと考えています。
――22年4月の新入社員の皆さんのご状況をお教えください。
大卒に限りますと新卒で2名、第二新卒で2名の計4名が入社し、5月末までに集合研修を終え、6月から正式配属となってそれぞれの部署でOJTを受けてもらっています。当社は愛知県瀬戸市に本社があり、応募者も圧倒的に東海圏からが多いのですが、オンラインで説明会を実施するようになってから、徐々に他エリアからもご応募いただけるようになってきました。
――採用活動に関して、近年感じておられる課題についてお聞かせください。
2年前、コロナが感染拡大した初年度はオンライン化への対応がうまくいかず、かなりもどかしい思いをしました。例えば説明会は当初、録画配信しか行っていなかったため、選考への移行率がとても低くなってしまいました。ZOOMで生配信を行うようになってから徐々に移行率は上がってきましたが、以前のような対面に比べるとまだまだ、というのが正直なところです。インターンシップや説明会は、できれば対面でやりたいのですが、瀬戸まで来てもらって、となると参加人数が少なくなる懸念もありますので、どのようなバランスで実施すべきか、見極めが難しいなと常々感じています。幸い、当社では最近名古屋の中心地である栄に新オフィスを開設しましたので、そこをうまく活用すれば、対面で学生と接する機会を増やせるのではと期待しています。

また説明会で伝える内容に関しても、工夫が必要だなと感じています。当社は食品パッケージのグラビア印刷を主業にしており、今後ますます需要が拡大していく業界なのですが、印刷というだけで斜陽産業と捉える学生も多く、誤解を解くためには丁寧な説明が必要です。またパッケージ印刷と聞くとデザインまで手掛けるような提案型営業ができる、と考える方も多いのですが、実際にはそんな華やかな業務はほとんどなく、多くが地味で堅実な仕事で、しんどいことも多いのが事実です。一番避けたいのが、入社後に思っていた仕事と違った、というイメージギャップを持たれることです。しかしマイナス面ばかり言ってしまうと学生が離れてしまいますので、笑い話に変えながら、いかに実際の仕事に近い、リアルな内容を伝えるかに腐心しています。

社員教育・福利厚生でもユニークな取り組みで、人に優しい職場づくりを実現。

――入社後の教育・研修制度についても、ユニークなお取り組みを行っているそうですね。
入社1年目~3年目でチームを組んでもらい、鉄道会社とコラボしたリアル謎解きゲーム等に参加してもらい、限られた時間の中で課題を解決するためのチームワークの重要性を楽しみながら体感してもらっています。また入社5年目の社員にはお客様の食品工場を見学し、意見交換等をさせていただくことで、当社のパッケージがどのように活用されているか、また製品の品質の保持・向上がどれだけ大切かを、直接肌で感じてもらうようにしています。さらにいずれのイベントでも終了後に社長をはじめ役員同席での酒席を用意しており、普段感じていることを本音で話してもらうことで、いわゆる「会社の上の方」ってこんなに身近なんだよ、ということを知ってもらい、社長のファンになってもらうこと、そして若手のうちから、あなたを会社は必要な人材だと思っているよ、ということを理解してもらう場にしています。
――貴社独自の福利厚生制度についてもお教えください。
当社では65歳定年が努力義務となったタイミングから、時代に先駆けて「66歳定年制」を導入し、社員が長く現役で活躍できる土台を用意しています。また社員の生活を生涯に渡って支えるための制度として、退職金に相当する額を35歳、45歳、55歳、66歳(定年時)の4回に分けて支給する「前払退職金制度」をおよそ50年前から導入しています。マイホームの購入や子どもの教育費等、まとまったお金が必要となる時期に支給されるため、ゆとりをもってライフプランを構築できると社員から支持されています。

また業界初・瀬戸市初となる取り組みとして、企業主導型小規模保育所「企業主導型事業所内保育所 あかつきキッズランド」を2017年に開園しました。当社社員以外にもご利用いただける、地域に根差した保育園で、今後は本社内の芝生広場で社員と子どもたちとの交流イベントを企画する等、人に優しい職場づくりを目指しています。
――では最後に、今後の貴社の採用方針等についてお教えください。
オンライン化が進む採用活動において軽視されがちですが、私は今こそ大学との関係づくり、連携が大切だと考えています。各校のキャリアセンターの皆様も様々な取り組みをなされていることは重々理解しているのですが、多くの学生が就活に対してマイナスイメージを持っていたり、働くということへの理解が低いのが現状ではないでしょうか。教職員の皆様から話をされるより、我々企業の人間が話したほうが、学生の耳に届きやすいということもきっとあるかと思いますので、キャリア・仕事観の醸成から就活アドバイス、社会人の本音の話に至るまで、様々な角度から学生にとって有意義な話をお伝えできるかと思いますので、ご興味のある大学がございましたら、ぜひお役に立てていただければと存じます。

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