キャリアセンター訪問

『ワンキャンパス』&『教育DX』を活用し、
未来の社会を生き抜く「根幹的な実力」の育成を目指します。

京都産業大学 進路・就職支援センター 課長 松本光眞さん
京都産業大学
1965(昭和40)年に学祖 荒木俊馬により開学した京都産業大学。「将来の社会を担って立つ人材の育成」を大学の使命とし、創立時の2学部収容定員1,120名から、現在では10学部・9研究科で約15,000名の学生が京都・神山(こうやま)キャンパスに集う一拠点総合大学へと発展を遂げています。
また同校は2020年度に、文部科学省の補助事業「デジタルを活用した大学・高専教育高度化プラン」に採択されています。これはデジタル技術を用いた先進的な教育の実現に取り組む大学を支援するものであり、同校は「学生の成長のためのデータ駆動型教育」をテーマとして掲げています。具体的には、学生の学びに関するデータをはじめ、学内に点在する学生諸活動のデータを統合・分析することを基盤として、「教育の質保証」「学修成果の可視化」、さらには、デジタルを積極的に利活用する「Society 5.0時代の教育の実施」に全学をあげて取り組んでいくものです。今回は同校の卒業生であり、進路・就職支援センター課長として後輩たちの進路・就職(キャリア形成支援を含む)をサポートしている松本さんに、京都産業大学ならではの「人づくり」に対する考え方等を中心にお話をお伺いしました。
※記事の内容は取材当時のものです。

コミュニケーションスローガン「むすんで、うみだす。」

――貴校はコミュニケーションスローガンとして「むすんで、うみだす。」を掲げていらっしゃいますが、これにはどのような意味が含まれているのでしょうか?
このスローガンのルーツは本学の学歌にあります。学祖・荒木俊馬が作詞したのですが、その歌詞の中で産業を「むすびわざ」と読み解いています。また当時としては画期的な「学問と社会を結ぶ=産学連携」も理念として掲げており、京都産業大学のアイデンティティはまさにこの「むすんで、うみだす。」に集約されていると思っています。

時折、企業様からこのスローガンについて尋ねられた際、Appleの創業者であるスティーブ・ジョブズ氏の有名な言葉「Connecting The Dots」を使って説明することがあります。一見、無関連に思える点と点が何かの拍子につながり、新たなアイデアがうみだされる…といった内容の話です。

本学に置き換えると、文理融合のワンキャンパスでうみだされる様々な知や経験が、学生自身の中で化学反応を起こし、新しい“何か”をうみだす源泉になっている…といった感じですかね。

「学問」と「社会」、「京都」と「世界」、「人」と「人」…。何かと何かを“むすぶ”ことで、新しい価値や未来への希望を“うみだす”。そのために多様な人々と共に行動していける人、そのような「むすぶ人」の育成を、スローガンとして掲げています。
――何かと何かをむすんで、新しい何かをうみだすには、「ワンキャンパス(一拠点)総合大学」という貴校の強みが活かされそうですね。
文系・理系、人文・社会・自然科学の「知」が集まり融合する一拠点総合大学がうみだすエネルギッシュなチャレンジ精神は、今も脈々と受け継がれています。他学部の授業も比較的容易に受講することができますし、課外活動においても多種多様な価値観を持った学生が触れ合い、切磋琢磨できる環境が整っています。まさに、「むすんで、うみだす。」環境が、スローガンの具現化に寄与していると感じています。

本学の建学の精神に根差すのは「人づくり」。本学はこれまで約15万人の卒業生を輩出してきましたが、その多くが本学ならではのこうした環境に身を置くことで、建学の精神に掲げる「将来の社会を担って立つ人材」としての素養を身に付け、社会で活躍しています。そうしたOB・OGのチカラも学生に勇気を与えてくれており、日頃から大変感謝しています。

「学生の成長」のためにデジタルを積極的に利活用する「教育DX」を推進。

――2020年度の文部科学省補助事業「デジタルを活用した大学・高専教育高度化プラン」に採択されたことも、貴校の今後の「人づくり」に大いに役立ちそうですね。
本学ではこの補助事業の募集前から「学生の成長」を実現する教育改革としてデジタル技術の利活用に積極的に取り組んでおり、今回採択されたことでその動きをより加速させることができると期待しています。本学のテーマは「学生の気づきと主体的な学びを促進するデータ駆動型教育の実現」で、例えば従来、学生が自身の学修状況を確認できるものはテストの成績や単位取得(修得単位)の状況であり、「どのような能力が身に付いたのか」「何が不足しているのか」ということを見える化することは一苦労でした。しかし、デジタルを活用したデータの分析・可視化が進むと、学生は各々の進路の実現に必要となる能力の分析を俯瞰的に行えるようになり、教員はより丁寧な教育を実現できるようになります。国が目指すSociety 5.0へと社会が変化するいま、未来を担う学生を育てる教育の場こそ先進的でなくてはなりません。このような考えのもと、「学生の成長」のための“質の高い教育”を実現するために、デジタル技術を利活用する教育モデルへの変革を全学あげて進めてまいります。このように、学生に挑戦を促している本学自らが、「挑戦する姿勢」を学生に示していくことは大切なことだと思っています。

なお、このご質問は「教育」に関する内容ですので、以上の私の説明は教学部門の受け売りです(笑)。

私ども進路・就職支援センターは、こうした学びを重ねてきた学生たちを「希望する進路」に導くことが仕事となりますので、「学生」と「社会(企業等)」を結びつける意識をもって、丁寧に支援していきたいと思っています。

あわせて、この「教育DX」を進路支援にも活用すべく、多様化している採用関連テクノロジーへの対応をはじめ、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)においても、自身の「学業における成長」を客観的に他者(企業等)に示せるよう可視化できる「ディプロマサプリメント*」の開発等にもつなげていければと考えています。

*卒業時に学生自身が「何ができるようになったのか」を可視化するための学位証書の補足資料
――松本さんがいらっしゃる進路・就職支援センターも、学生の主体的な活動を支援することを重視しておられます。
本学では就職を「自己実現のファーストステップ」と捉え、やりたい仕事=自らが進むべき道(進路)は、学生自身が主体的に培ってきた目的意識や価値観に基づいて見出されるべきだと考えています。

進路・就職支援センターとしては、「自分で情報を集め、判断して、行きたい道を自身で選べるよう支援する」という方針のもと、学生の長所を一緒になって引き出し、「納得度の高い就職」につなげることを心掛けています。このような手厚い支援を実現するため、本学のキャリア支援部門のスタッフは約55名と、対学生比率でみると全国トップクラスの陣容で、学生数15,000名という規模でありながら就職希望者一人ひとりと向き合う「丁寧なコミュニケーション」を大切にしながら、きめ細かい支援を行っています。
――そのご方針の成果でしょうか、卒業生の進路把握率は100%と、貴校の規模ではなかなか実現できないご実績を誇っていらっしゃいます。
これに関しては開学以来守り続けており、諸先輩方が作り上げてくださった伝統です。ですが大切なのは把握することではなく、把握した学生のうち、助けを必要とする学生に対して出来るだけ早い時期(学生一人ひとりの成長に応じた適切な時期・必要な時期のうち出来るだけ早い時期)に声掛けをすることにあります。そうした地道な積み重ねが、結果的に納得度の高い進路(就職・進学等)にむすびつくのだと考えています。コロナ禍により、対面での授業や進路支援が制限され、思うような支援ができず苦慮することもありますが、教員の協力も得ながら、教職協働で支援を行っています。

キャリア形成は一過性の「就活スキル」ではなく、社会を生き抜く「根幹的な実力」

――教職協働での献身的な支援に加えて、貴校では在校生・卒業生のネットワークもうまく活用しておられます。
本学では教職員だけでなく、内定した4年生や、社会の第一線で活躍する卒業生も後輩のキャリア形成・就活を応援してくれています。特に就職活動を終えて進路が決定している4年生が「学生就職アドバイザー」として実体験を交えて後輩にアドバイスを行う支援は、20年来の伝統があります。また本学の「学生就職アドバイザー」の特徴として、卒業するまでの期間だけでなく、卒業後5年間にわたって協力していただくことをお願いしており、例年2月ごろに3年生向けに実施している「就活祭」という企画に参加してもらっています。残念ながら今年(2021年2月)はオンラインでの開催となったのですが、例年多くの4年生アドバイザー及び卒業生アドバイザーが手弁当で集まってくれ、在校生に対して模擬面接や模擬グループディスカッション、OB・OG訪問会等、多彩な企画を実施してくれています。

大変ありがたいことに、お会いする企業様からよく「就職支援に熱心ですね」とお声掛けいただきますが、おそらくは以上でご説明したように、先輩から後輩へ「建学の精神」が継承できている点なども、大きな要因の1つだと認識しています。
――では今後に向けて、貴校のキャリア形成・就職支援の方向性についてお聞かせください。
変化の激しい時代、また多様な生き方がある時代だからこそ、キャリア形成は一過性の「就活スキル」ではなく、未来の社会を生き抜く「根幹的な実力」でなければならないと考えています。変化を敏感に捉え、今までにない切り口でいろんなものを統合し、新しい何かを創造するチカラ(総合エンジニアリング力、チームで戦略等をまとめ上げるチカラ、とでも言いましょうか)、まさに本学が目指している「むすんで、うみだす。」チカラが、これからの社会に必要なチカラであると思っています。
――では最後に、貴校並びに貴校学生のPRをお願い申し上げます。
企業の皆様におかれましては、平素より多大なるご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
本学は10学部、大学院9研究科を一拠点に集約する総合大学です。学生数は約15,000人で、全国各地から集まってきており、文系・理系をはじめ、多様な学問分野が一拠点で融合することによる“知の化学反応” を引き起こせる環境にあると自負しております。

また本学には「神山STYLE」といわれる、一種独特の気風があります。それは神山キャンパスで学んだ者が、知らず知らずのうちに身につけている気風であり、「明朗公正で、優れた協調性と正確な情勢判断力を持って国内外を問わず活躍できるチャレンジの気概と、やり始めたら最後までやり抜く力」です。この気風が長年、京都洛北の地で醸成されてきたせいか、本学学生は「明るく、元気・やる気があり、素直である」と評されることが多く、魅力的なセールスポイントになっていると感じております。さらに「チームで働く」ことが求められている昨今において、多様な人材が切磋琢磨する環境は、「多彩な人たちと協力しながら前進していくチカラ」を向上させることにもつながっていると考えております。
コロナ禍により、企業様と直接お目にかかる機会が少なくなっておりますが、これからも全教職員が一丸となって、「将来の社会を担って立つ人材」の育成・輩出に全力で取り組んでまいります。

(むすびに・・・)

中国の古典「管子」にこうあります。

1年の計は穀物を植えること、

10年の計は木を植えること、

そして終身の計は人を植えることである。

先々の見通しを立てることが益々難しくなっていく中、「将来の社会を担って立つ人材」を育成していくには、産官学がタッグを組み、連携しながら取り組んでいく必要があると感じております。

これからも本学学生並びに京都産業大学にご期待いただくとともに、今後とも指導・ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

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