注目企業の人事インタビュー 

好きなこと、得意なことを活かせる会社だということを
発信していきたい。

株式会社講談社 総務局人事部 副部長 宮屋敷陽子さん / 同副部長 山崎慶彦さん
株式会社講談社
「おもしろくて、ためになる」を共通理念とし、創業110年を迎えた総合出版社。誰もが知っている雑誌、書籍、コミックの出版・販売はもちろん、それらコンテンツのライツ展開(デジタル事業、ライツ事業、海外事業等)にいち早く着手し、多種多様なビジネスフィールドに進出している講談社の採用戦略について、2004年同期入社のお二人に語っていただきました。
※記事の内容は取材当時のものです。

「同じ人は採らない」という、多様性を重視した採用方針。

――2020年春入社の採用活動のご状況をお教えください。
宮屋敷:入社予定人数は26名で、男性が12名、女性14名です。当社は入社時29歳までの方を新卒と同じ枠で募集をしておりまして、社会人2名、院卒見込み5名、そして学部卒見込み19名の方々を新しい仲間としてお迎えする予定です。

山  崎:今年の特徴として、この中に外国人留学生の方が3名含まれています。これまでも門戸は開いていましたし、外国籍の社員も数名在籍しています。しかしハードルが高いと思われる方が多く、あまり応募につながっていなかったのですが、今年は改めて広報活動に注力した結果、優秀な方を採用することができました。

宮屋敷:海外にライツ展開する際に、現地の方々にどうすれば受け入れてもらえるかを考えるには、その国独自の文化や習慣を理解している人がより多くいた方が、当然いいですよね。当社ビジネスのグローバル化をより推進するためにも、今後も外国人留学生や海外留学経験者に対して積極的に広報活動を展開していきたいと考えています。
――ビジネスフィールドが広がった分、これまで以上により多様な人材を必要としている、ということでしょうか?
山  崎:もともと当社の採用方針は「同じ人は採らない」「20人20色」ですから、多様な人材を求め続けるという方針は変わりません。ビジネスフィールドが広がった分、それぞれが持っている個性や能力を発揮できるチャンスがより広がった、というほうが近いと思います。

宮屋敷:来年入社予定の方の中には、文系だけでなく理系の方、既卒の方、外国籍の方等、全く違うバックボーンを持つ方がいます。入社後まずは全員に、出版社の社員として必要な経験を積んでいただき、その後は自身の適性や希望によって目指す道が変わってきます。例えば理系出身の方であれば、当社の『ブルーバックス』のような理系書籍の編集者はイメージしやすいでしょうし、アプリの開発等の新規事業に携わることで学んだ知識を活かす、という道もあります。

山  崎:私も宮屋敷も入社してから様々な業務を経験させてもらっていますので、求職者の皆さんにとって好きなことや得意なことを活かして活躍できる舞台がきっと見つかる会社だ、ということを伝えていきたいと思っています。

出版=紙媒体、というイメージからの脱却を目指す。

――ITの進化やスマートフォン等のデバイスの発達により、出版業界を取り巻く環境は大きく変化していますね。
宮屋敷:その通りで、私たちが入社した15年前は、売上全体に占める紙媒体の割合が約9割、そのほとんどが書籍・コミック・雑誌の販売収入でした。それが今では6割弱まで下がっています。

山  崎:誤解しないでいただきたいのは、この10年間売上自体は減っているわけではなく、約1,200億円でほぼ変わりなく推移しているんです。紙の売上が減った分を補っているのが電子書籍等のデジタル収入とコンテンツのライツ収入です。ライツ展開というのは、例えば漫画をアニメ化や映画化、また海外展開する等、コンテンツを様々な形にしてファンの皆さんにお届けすることで、現在、デジタルと合わせて4割以上の売上を上げています。
ただ、私たちの広報不足もあるのですが、まだまだこのことを認知いただけてないのが実情です。

宮屋敷:「出版=紙媒体、それって斜陽産業だよね」というイメージを持つ学生も多くいますので、早い段階からその考え方を払しょくしていただけるよう、出版社のリアルをお伝えできる機会をできるだけ増やしている最中です。

山  崎:まずは現状をご理解いただき、出版業界も未来のある就職先の選択肢の一つだと捉えてもらえるようにしたいですね。いっそのこと「出版」とは別の名称にしたほうがわかりやすいかもしれません。
――そうした業界へのイメージは、志望者の数にも影響を与えていますか?
宮屋敷:当社もそうですが、出版業界志望の学生は以前と比べるとかなり減少しています。そこをどう盛り返していくか、が当社を含めた業界全体の課題ですね。

山  崎:そのための対策の一つとして、当社ではこれまで冬にしか実施していなかったインターンシップを、今年は初めて夏にも実施することにしました。多くの学生が夏のインターンシップに参加する今、出版業界が1社も実施していなければ、志望業界の選択肢にも入れてもらえなくなるんじゃないか、という危機感から、当社内の「とんがった」社員による講演が中心の「とんがり講座2019夏」というサマーインターンを実施します。冬にも複数日のインターンシップを実施する予定です。幅広いプログラムをご用意して、出版業界に興味をもって知っていただき、そして講談社のファンになっていただくきっかけにしたいですね。

宮屋敷:人事だけではできないプログラムばかりなので、現場の社員にはいろいろと無理を頼んでいるのですが、みんな快く協力してくれるので、本当に助かっています。当社は何より人が財産の会社です。優秀な人材を獲得することの重要性を多くの社員が理解しているからこそ、「協力しよう」という気持ちを持ってくれているのだと思います。

採用と人材育成の両輪で、人事から会社の発展を支える。

――インターンシップのほかにも、採用サイトや会社説明会が学生から高い評価を受けていますね。
山  崎:採用サイトは「学生をひき付けるユニークな新卒採用サイト12選」に、会社説明会は「みんなで作る、就活クチコミアワード2019」にそれぞれ選んでいただきました。

宮屋敷:それほど特別なことをやっているわけではないのですが、共通理念である「おもしろくて、ためになる」をどうわかりやすく伝えるか、それと現場社員の生の声になるべくたくさん触れていただきたい、ということは常に意識して、コンテンツを考えています。

山  崎:講談社の人事として脈々と受け継がれてきた、これだけは絶対に外せない、という内容と、時代に合わせてアップデートしていくべき内容、それぞれの必要性を考えながら全体構想を作り上げていくんですが、全てを入れ込むことはできませんので、その取捨選択が難しいですね。

宮屋敷:採用サイトも会社説明会も、詰め込み過ぎると消化不良を起こしてしまって、内容がぼやけてしまいますよね。ですから相手が本当に必要としている情報、逆にこちらがどうしても伝えたいポイントをきちんと明確に打ち出している、そんな筋肉質なサイト・説明会にしておくことが大切だと私たちは考えています。

山  崎:それと当社には、採用サイトへの協力を社員に依頼すると、「学生時代に読み込んでいた憧れのサイトに、自分が出られるなんて光栄です!」と喜んで引き受けてくれる社員が大勢いるんです。その結果、また面白い採用サイトができて、そのサイトを見て入社してくれた社員がまた喜んで登場してくれる、そんないい循環を生み出し続けていくのが、私たち人事の役割だと思います。
――新卒採用を取り巻く環境は今後ますます大きく変化していくと予測されていますが、御社ではどのようにお考えでしょうか?
山  崎:採用方針はぶらさず、戦略や施策は時代を先取りして柔軟に対応していく必要がある、と考えています。ただ、採用に正解はない、と常日頃から感じていますので、いいと思ったことはとにかくやってみて、時代の流れと結果を見据えつつまた次を考える、その繰り返しをやり続けるしかないのではないでしょうか。

宮屋敷:採用手法も大事ですが、私たちには人材育成というミッションもありますので、多様性のある人材を成長させるための、多様な受入れ態勢の構築にはまだまだ課題があると考えています。採用と人材育成の両輪で、講談社の財産である人づくりをしっかりと支えていきたいですね。

山  崎:これは私見ですが、「不真面目な人が、真面目に面白いことをやっている」のが講談社のいいところなので、私たち人事も求職者にとって、面白いこと、役に立つことを、真面目に、真剣に、そして面白おかしく考え、発信していきたいと思います。

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