HR関連法令・制度のご紹介

新たな雇用・訓練パッケージ

人事の図書館 編集担当者

コロナ禍での「雇用の下支え・創出」「仕事と訓練受講の両立」を目指す特例措置

新型コロナウイルスの感染状況は依然、予断を許さない状況が続いており、2度目の緊急事態宣言は最終的に3月21日(日)に解除されたものの、今もなお感染再拡大局面を迎えております。そうした状況のなか、2月12日(金)、新型コロナウイルス感染症による雇用への影響が長期化し、依然市場におけるミスマッチの拡大等、厳しい雇用情勢が継続しているなか、「新たな雇用・訓練パッケージ」がリリースされました。これは、余儀なく休業を強いられた人、シフト制で働いておりそのシフトが減少した人、生活に困窮する人などを支援するための制度となっております。

この「新たな雇用・訓練パッケージ」では、経済対策として雇用創出効果を生み出すこと、また、感染症対策業務等の地方自治体による直接雇用の機会等を捉え、就職に結びつけるための支援をすることを目的として、「雇用の下支え・創出」「仕事と訓練受講の両立」の両面から、施策を実施するとしています。雇用維持と生活支援を両立させつつ、訓練による今後のステップアップを図る、新たな施策の実施も盛り込まれております。

主に企業の人事担当者の皆さんに置かれましては、緊急事態宣言の発令により延長されていた「雇用調整助成金」の特例措置に関する情報等にご関心があることと思います。「新たな雇用・訓練パッケージ」では、その措置についても言及がございますので、本稿ではそれらの具体的な内容についてみていきます。

※なお、本稿は4月19日(月)時点でのリリース内容に基づいております。

雇用調整助成金の特例措置は段階的に縮小。

「雇用の下支え・創出」に向けて言及された措置は、以下の通りです。

(1)雇用調整助成金の特例措置について
短期休業による雇用拡大を目的とした、雇用調整助成金。2度目の緊急事態宣言の発令を受け、特例措置を4月末まで継続し、雇用の維持への対策としておりましたが、この特例措置が5月以降段階的に縮減し、7月以降は雇用情勢に合わせてさらに縮減措置となることが発表されています。なお、まん延防止等重点措置対象地域に指定された地域や、全国の特に業績が厳しい企業(※)においては、縮減措置を見合わせ、現行の特例措置を継続することも盛り込まれています。今後の動向にもご注目ください。

▼計算式
助成金額=(平均賃金額× 休業手当等の支払率)× 下記の助成率

【~4月末】
助成率(最大)
・中小企業、※に該当する大企業:最大10/10
・大企業:最大3/4
助成金額(上限)
・1人1日あたり15,000円

【5~6月】(※ に該当する地域・企業は、4月末までの措置を継続)
助成率(最大)
・中小企業、※に該当する大企業:最大9/10
・大企業:最大3/4
助成金額(上限)
・1人1日あたり13,500円

(2)大企業のシフト制労働者等への休業支援金・給付金の適用
休業支援金・給付金は、雇用調整助成金の活用すら難しい中小企業の労働者を対象としていましたが、新型コロナウイルスの影響が長期化するなか、シフト制で働く労働者が多い大企業の飲食店等を中心に大きな影響が出ています。シフト制等、労働日が明確でない状態で働く労働者は、その性質上休業手当を受け取りづらく、その場合に大企業であっても例外的に休業支援金・給付金の対象とします。原則、2度目の緊急事態宣言発令(1月8日(金)) 以降が対象となりますが、都道府県ごとの時短要請が発令された場合も対象となります。

収入要件の緩和により、労働者が職業訓練を受けやすくする措置を導入。

「仕事と訓練受講の両立」に向けて言及された措置は、以下の通りです。

(1)求職者支援制度への特例措置の導入(9月末までの時限措置)
職業訓練受講給付金は、月の収入が8万円以下であることが受給要件とされていますが、シフト制で働く方、副業・兼業をしている方等については月12万円以下に引き下げる特例措置が導入されます。また、訓練を欠席するやむを得ない理由(本人の病気、冠婚葬祭、子どもの看護 等)に、勤務日が重なるケースも特例として追加されました。やむを得ない理由で訓練を欠席する場合も、訓練実施日の8割以上受講していれば、当該給付金の需給が認められます。

(2)職業訓練の強化
求職者支援訓練や公共職業訓練の期間・内容が多様化・柔軟化しております。求職者、あるいは離職者が働きながら訓練を受講しやすくすべく、訓練設定の要件を緩和し、短期間や短時間の訓練コースが創設されます。

ご覧の通り、企業を対象とした雇用調整助成金の特例は段階的に縮減されますが、求職者自らが職業訓練を受ける際の支援が拡充されており、徐々に上向きつつある雇用情勢を受けて、その支援策も形を変え始めています。とはいえ、現在も継続しているまん延防止等重点措置対象地域に指定された地域や、全国の特に業績が厳しい企業においては縮減措置を見合わせることも盛り込まれており、個別事情に合わせた支援の形が模索され始めているとも言えます。制度の活用にあたっては、お近くの都道府県労働局または公共職業安定書(ハローワーク)にもお問合せください。

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