HR用語の基礎知識

リファラル採用

人事の図書館 編集長 大西直樹

社員からの紹介による、新たな採用手法。

リファラル採用とは、「referral=紹介・推薦」という意味の通り、自社に在籍している社員や退職したOB・OGなどから知人を紹介してもらい、採用活動を行う事で、アメリカではGoogleやFacebookをはじめとしたIT企業を中心に数多くの企業が取り入れており、日本でもメルカリやサイバーエージェントといったベンチャー・IT系企業を皮切りに、急速に浸透している採用手法です。

「紹介・推薦」というと従来のコネクション・縁故採用と混同しそうですが、紹介者との関係性を考慮し、採用試験や選考過程をほぼ実施せずに採用するコネクション・縁故採用とは異なり、通常とほぼ変わりのない選考過程を適用することで、応募者が一定以上の基準をクリアしている人材かの見極めを行うのがリファラル採用です。売り手市場で人材確保が困難を極める中、人と人との個人的なつながりを活用して応募者の質や信頼性を確保するとともに、入社後のミスマッチを防ぐことができる採用方法として期待されています。

リファラル採用のメリット・デメリットは?

リファイル採用に関する主なメリットは以下になります。

メリット① 企業文化に合う人材とピンポイントで接触できる。
自社の社員を介して応募者を集めるため、企業理解や必然的に自社の企業文化に合う人材が集まってくることになります。また応募者の中には面談前にすでに企業理解や志望動機が形成されていることも多く、無駄のない効率的な採用活動を行えます。

メリット② 入社後の定着率が高い。
リファラル採用では多くの場合、紹介者と応募者が同じ会社の社員として働くことになります。入社後も紹介者からサポートやアドバイスを受けることができるため、早期退職が起きにくい、と言われています。

メリット③ 転職活動をしていない層にアプローチできる。
転職サイトやエージェントに登録していない、転職市場にはいない優秀な即戦力人材にアプローチすることが可能です。

一方で、リファラル採用には気を付けなければいけないデメリットも指摘されています。

人材の多様性を妨げる一因にも?

リファラル採用のデメリットとして挙げられるのが、以下になります。

デメリット① 紹介者との人間関係に配慮を。
通常とほぼ変わらない選考を行うということは、必ず採用に至るとは限らないのがリファラル採用です。不採用になった場合には、紹介者との人間関係に配慮をした上で、双方に通知を行う必要があります。また応募者が入社後に、紹介者が退職した結果、急激なモチベーションの低下につながったり、最悪の場合一緒に退職してしまう、ということにもなりかねません。

デメリット② 人材の多様性を妨げかねない。
「類は友を呼ぶ」という言葉にあるように、知人・友人を紹介してもらうリファラル採用の場合、紹介者と似たようなタイプの応募者が集まりやすく、人材の同質化,や組織の硬直化を招く要因になりかねません。

デメリット③ 紹介者の理解不足によるミスマッチ
リファラル採用は社員がメインになって活動する採用手法であるため、企業がどのような人材やスキルを求めているかを社員が正確に把握していない場合、ミスマッチが起こり、場合によっては人事担当に余計な手間がかかるケースがあります。

他にも、「応募者が必ずしも転職希望者とは限らないため、採用に至るまでの期間が長く、計画的な採用活動が難しい」といったデメリットも挙げられています。

リファラル採用成功には、社員満足度の向上から。

では、リファラル採用の成功させるためには、どのようなことに取り組めばよいのでしょうか。一例をご紹介します。

◆社員満足度(ES=Employee satisfaction)を向上させる。
社員が自分の会社を知人・友人に紹介しようと思えるには、何よりも社員自身に会社や仕事に対して愛着を持ってもらう必要があります。そのためには福利厚生や待遇、職場環境など、社員満足度の向上を注力しましょう。また、自社の経営状況や今後の戦略、将来性といった情報を社員に対してオープンにしておくことも重要です。

◆社内全体を巻き込む体制を構築する。
リファラル採用の成功には、社員の協力が不可欠です。一人ひとりに積極的に取り組んでもらうために、リファラル採用の意義や重要性はもちろん、現在募集している職種や人物像、応募要件といった社員が安心して候補者に声を掛けるために必要な情報をタイムリーに発信する、問い合わせの窓口を設置するといった施策が重要です。また、紹介者が入社に至った場合にはインセンティブを支給するといった制度を設けている企業もあります。

◆複数の採用手法を組み合わせた採用計画を立てる。
メリットも多いリファラル採用ですが、導入当初からこれだけで採用計画を充足させるのは極めて困難で、リスクも高いと言えます。既存の採用手法とうまく組み合わせて採用活動を行う事で、自社に合ったリファラル採用のあり方を確立させていきましょう。

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