HR関連法令・制度のご紹介

新たな外国人材受入れ制度「特定技能」

株式会社学情 グローバル人材採用支援室 執行役員 瀬戸本 浩司

人手不足解消を目的とした、新たな外国人の在留資格

「特定技能」とは、日本の産業界における深刻な人手不足を解消するため、2019年4月1日から新たに導入された在留資格(外国人が日本に滞在するために必要な資格)です。
「特定技能」の導入で、政府が2019年以降の5年間で受け入れを予定している外国人労働者の数は26万人から34万人とされています。

特定技能には「1号」と「2号」の2種類があります。1号と2号とでは働ける業種や在留期間などの待遇も大きく異なるため、外国人を雇用する際には注意が必要です。

外国人が「特定技能1号」を得るには、
①技能試験に合格する
②技能実習2号を修了する
の2種類があります。なお、①の場合、生活・業務に必要な日本語が話せることが求められるため、日本語試験に合格する必要もあります。

日本語試験を実施する特定技能の受け入れ対象国(2019年6月時点、署名予定の国も含む)は、 ①ベトナム、②中国、③フィリピン、④インドネシア、⑤タイ、⑥ミャンマー、⑦カンボジア、⑧ネパール、⑨モンゴルの9ヵ国となっています。

外国人が就労できる特定産業分野は14種類

在留資格「特定技能」で外国人が就労できる分野には制限があります。特に人材を確保することが困難な状況にあり、外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野(特定産業分野)として、以下のように定められています。

【特定技能1号における就労分野】
特定技能1号で就労できる分野は ①外食、②宿泊、③介護、④ビルクリーニング、⑤農業、⑥漁業、⑦飲食料品製造業、⑧素形材産業、⑨産業機械製造業、⑩電気・電子情報関連産業、⑪建設業、⑫造船・舶用工業、⑬自動車整備業、⑭航空業の全14種類となっています。

特定技能1号を取得すると、1年、6ヵ月または4ヵ月ごとの更新で、通算で5年を上限として日本に在留できるようになります。ただし、家族の帯同は基本的に認められません。また、転職は同一業務区分内、または試験によって技能水準の共通性が確認されている業務区分間において認められます。

【特定技能2号における就労分野】
特定技能2号は、熟練した技術を要する業務に従事する外国人が対象となります。特定技能2号で就労できる分野は、①建設と②造船・舶用工業の2種類です。特定技能2号を取得すると、3年、1年または6ヵ月ごとの更新となりますが、期間に上限はなく、要件を満たせば家族の帯同も可能となります。特定技能2号を取得するには、技能試験に合格する必要があります。ただし、日本語試験は不要です。

「特定技能所属機関(受入れ機関)」と「登録支援機関」

特定技能所属機関(受入れ機関)とは、外国人と直接雇用契約を結ぶ企業や個人事業主等のことです。外国人が所属する機関は一つに限られ、複数の特定技能所属機関との雇用に関する契約は認められません。
また特定技能外国人を雇用する場合、職場生活、日常生活、社会生活においての支援をしなければなりません。

・入国前の生活ガイダンスの提供
・外国人の住宅の確保
・在留中の生活オリエンテーションの実施
・生活のための日本語習得の支援
・外国人からの相談・苦情への対応
・各種行政手続きについての情報提供
・非自発的離職時の転職支援
・その他

上記のような支援を受入れ機関が自社で行えない場合は、登録支援機関に委託することになります。

登録支援機関とは、受入れ機関から委託を受け、支援計画の全ての業務を実施する機関のことです。出入国在留管理庁長官の登録を受けることで、「登録支援機関」となることができます。登録を受けた機関は、登録支援機関登録簿に登録され、出入国在留管理庁ホームページに掲載されます。
国際貢献を目的とした「技能実習制度」と異なり、深刻化する人手不足の解消を目的としたこの制度により、外国人の単純労働者の受け入れが可能になりました。

一方、“外国人材=日本人より安価な労働力”といった誤認も根強く存在していることも事実です。「特定技能」では、報酬額が日本人と同等以上の雇用が義務付けられています。該当する業種の企業の皆様には歴史的な転機ともいわれるこの制度をしっかりとご理解いただき、活用いただければと存じます。

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