「ガクチカ」最前線!

ライフイベントを乗り越えて、
キャリアウーマンとして活躍したい。

芝浦工業大学 工学部電気工学科 4年 船野美和さん
芝浦工業大学 工学部電気工学科 4年 船野美和さん
芝浦工業大学では「イノベーションは多様性の中から生まれる」という考えから、Diversity and Inclusionの一環として男女共同参画を推進しています。女性教員の積極的な採用や、出産・育児・介護等の時期に研究時間が制約される女性研究者への研究支援員の配置、女子小中高生に向けた各種イベントの開催等、様々な取り組みを行っています。その結果、2020年度において女子学生比率は学部生で18.3%(2014年度:13.8%)、大学院生で15.8%(2014年度:9.5%)、本務教員の女性比率は20.8%(2014年度:10.0%)と大きく上昇、こうした成果と取り組みが評価され、2015 年度「東京都女性活躍推進大賞(教育部門)」を受賞、文部科学省 科学技術人材育成費補助事業「女性研究者研究活動支援事業(一般型)」では13 機関中唯一、最高評価S を獲得しています。今回は芝浦工業大学柏中学校・高校学校を卒業後、工学部電気工学科でプログラミングを学び、来年春から社会人として羽ばたこうとしている船野美和さんに、同校を志望した理由や就活での苦労話等について、お話をお伺いしました。
※記事の内容は取材当時のものです。

周りの環境に左右されず、やりたいことに集中して取り組むことが大切。

――併設の柏高校から芝浦工業大学に進学されたそうですが、電気工学科を選んだ理由をお教えください。
柏中学校に通っていた頃に流行りだしたロボット掃除機がきっかけで、ロボットや家電に興味を持つようになり、小学生を対象にしたロボット工作の組み立て補助のボランティアをやったりしていました。高校時代に大学の進学説明会があり、将来はロボットや家電に関わる勉強がしたいと相談したところ、外側(機械)をやるか内側(システム)をやるかで違っていて、家電だと機械系の方がよいのでは、とアドバイスをもらったのですが、自分としてはシステムやプログラミングの方への興味がより強かったので、電気工学科を志望しました。
――芝浦工大ではここ数年で女子学生の数が大きく伸びていると伺ったのですが、電気工学科はまだまだ女性の数が少ないそうですね。不安はありませんでしたか?
はい、全学平均では2割弱が女子学生なのですが、電気工学科は私の学年では120名中8名しか女性がおらず、他の学年もほぼ同じくらいの割合です。もちろん入学前から知っていましたし、最初は少し気後れすることもあったのですが、実験等の機会を通じて徐々に打ち解けるようになり、すぐに意識することはなくなりました。また芝浦工大では「Shiba-joプラチナネットワーク」という女性の在校生や卒業生、教職員の交流・支援を目的としたネットワークを2014年に設立する等、女性同士のつながりがとても強いので、安心して勉学に励むことができます。
――入試課のスタッフとして芝浦工大を志望する女子高生の相談対応をしているそうですね。
オープンキャンパスの運営スタッフとして来場者の受付やキャンパスの見学案内、高校生・保護者対象の相談会等を担当しています。女子高生の相談を受けることも多く、「女性の人数が少ないのはやはり不安」という声もよく聞くのですが、そんな時は「自分のやりたいことを最優先に考えて」とアドバイスをするようにしています。周りの環境に左右されず、自分のやりたいことに集中して取り組むことで、新たな自分を発見することもあるでしょうし、居心地のいい場所を見つけることもきっとできるはずです。私自身もそうだったので、勇気を持って飛び込んできてくれる女子学生が、もっと増えればいいなと思っています。

インターンシップで実際の雰囲気、空気感を感じておけたのは本当に良かった。

――就職活動はいつ頃から始められたのですか?
実は就職活動をやるのが怖くて、ずっと目を背けてきたのですが、いよいよ逃げられないと覚悟を決めて、3年生の5月頃から夏のインターンシップのための準備を始めました。まずはキャリアサポート課に行って何から始めればいいか相談したところ、「自分の力がどこまで通用するか、まずは大きな会社に行って試してみよう」とアドバイスをもらい、志望業界の中で規模の大きな企業のインターンシップに参加するところからスタートしました。
――どのような業界を志望されていましたか?
仕事の成果が大きなモノとして目に見える業界、そういう環境で自分の力を試したいと思い、重工メーカーや鉄道、インフラ業界を中心にインターンシップに参加しました。その中で社員の意見やアイデアを汲み取ってくれそうな雰囲気が自分に合っていると感じた企業を第一志望にして本選考に進み、無事に内定を勝ち取ることができ、6月末に就職活動を終了しました。
――今年は就活にも新型コロナウイルスの影響が大きかったと思うのですが、ご自身はいかがでしたか?
会社説明会や面接が全てオンラインになり、実際に会社の雰囲気等を感じ取れる機会がなかったので、インターンシップに参加しておいてよかったなと強く感じました。私自身、インターンシップで「この会社に入りたい!」という気持ちが湧いてきましたし、紙やWebの情報だけではエントリーシートの内容も乏しくなってしまい、自信を持って本選考に臨むことができなかったと思うので、実際の場所で雰囲気、空気感を感じられたのは本当に良かったです。

もうひとつインターンシップに参加して良かったと思ったのが、自分の力のなさを痛感し、もっともっと勉強しないと、と思えたことです。芝浦工大では専門性の高い授業が幅広く開講されており、単位取得後に資格を取ることができる授業もありますので、現在私は無線に関する資格取得に取り組んでいます。これから就く仕事に直接関係はないのですが、5GやIoTといった次世代技術に必要な知識になりますので、学生時代にしかできない学びをしっかりと修めたいと考えています。

社会人になれば、これまで以上に有意義な時間が過ごせるのではと楽しみ。

――卒業まであと5か月弱(取材日:2020年11月6日)となりましたが、学生時代に一番力を入れたことは何ですか?
自分の知識や経験を、後輩や子どもたちに伝えることです。中学・高校の頃に塾に通っていたのですが、勉強が分からない時に先生や友人に教えてもらうことで遅れを取り戻せただけでなく、授業がとても楽しくなりました。その時に感じた、「教えてくれる人の力ってすごい!」という想いから、私もできるだけ多くの方に色々なことを伝えることで、受け手が自分の目標に向かって楽しく取り組んでくれたらと思い、オープンキャンパスの運営スタッフだけでなく、学習塾や子供向けプログラミングスクールの講師のアルバイトもやっています。
――来年の4月は楽しみですか?それとも不安の方が大きいですか?
楽しみですね。大学生活も充実していますが、自宅に帰っても課題のことが頭を離れなかったり、ONとOFFの区別をつけにくいと感じることが多かったのですが、社会人になれば会社の時間と自分の人生の時間をうまく切り分けて、これまで以上に有意義な時間が過ごせるのではと期待しています。不安な点を挙げるとすれば、電気工学科では機械工学の基礎学問である4力学(熱工学、材料工学、流体力学、機械力学)を学ぶことができなかったことですが、自分が憧れる社会人像に近づくには会社に入ってからも勉強は続けていかなければなりませんので、新しい分野の学びにも挑戦していきたいと思います。
――では最後に、船野さんが憧れる社会人像とは?
テキパキと仕事ができるキャリアウーマンとして活躍し、将来的には高い役職について組織をリードできるような存在になることです。女性は結婚、出産、育児といったライフイベントが多く、私もきっと経験すると思いますが、それらを乗り越えて「偉くなりたい」ですね(笑)。今はまだ学生でただ単に憧れ、高望みしているだけかもしれませんし、実際に働いたらすぐに変わってしまうかもしれませんが、希望と野心は常に持ち続けて、日々成長していきたいと思います。

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