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社会保険の電子申請義務化

人事の図書館 編集担当者

事業者の行政手続コストの削減が目的。

2020年4月(※)から、大企業に社会保険の一部の手続きにおいて電子申請(e-Gov)の利用が義務化され、既にご対応されている企業も多いかと思います。現時点では一部の企業、一部の手続きのみが義務化の対象となっており、目的は政府の行政手続コストの削減とされておりますが、新型コロナウイルスの影響で加速度的にITツールの導入や働き方の変化が進むなか、今後ますますその対象が広がる流れとなることは間違いないでしょう。

これらは、事業者の行政手続にかかるコスト削減を図る取り組みの一環として行われております。厚生労働省が2016年に発表したデータによると、事業主の行う社会保険・労働保険に係る重点14手続について、オンライン申請の利用率はわずか13%でした。こういった現状を改善し、非効率な書類やCD-R等の電子媒体による提出からのモデルチェンジが求められています。

なお、現時点(2020年12月7日)で、対象となる法人は以下の通りです。

・資本金、出資金等の額が1億円を超える法人
・相互会社
・投資法人
・特定目的会社

大企業が対象となっていますが、従業員数や被保険者数ではなく資本金の額で決定することが特徴です。

※2020年4月以降に開始する事業年度にかかる申告書の提出について、適用となります。12月決算である会社は、2021年1月からの対応が求められます。

電子申請には、大きく2つの方法がある。

電子申請の対象となっている手続きは、以下の通りです。
(出典:厚生労働省)

電子申請には、大きく2通りの方法があります。1つは、電子申請(e-Gov)のWebサイト(https://www.e-gov.go.jp/)から直接入力して送信する方法で、自社に申請専用のシステムを用意する必要がないというメリットがありますが、実際の運用としては効率が悪く、特に大量の手続きを行う大企業には不向きともいわれています。もう1つは民間の業務ソフトを導入して申請する方法です。上述したWebサイトにはアクセスすることなく、ソフト内で手続きを完結させることができるため、今回の申請に対応した「社会保険手続専用のシステム」等、自社に合ったものを導入することができれば多くの手続きも効率よく処理することが可能です。

例えば、雇用保険の手続き1つをとってみても、被保険者証、離職票、各種給付金の支給決定通知書など、様々な書類が必要になります。従来の書面の手続きでは、これらは紙として保管し、必要に応じてその書類を探して手渡しする等の対応が発生します。これらが、電子申請で完結できるようになれば、PDFファイルとして保存し、必要となるタイミングに印刷すればよくなります。全国に複数拠点を持つ企業でも、拠点間でファイル共有することができれば、紙の郵送の手間やそれにかかるタイムラグ等を省くことができ、これだけでも業務は随分効率化されるのではないでしょうか。

これからは人事も「デジタル化」に対応しなければならない。

日本の行政手続については、諸外国と比べてもIT化・デジタル化が遅れています。ことさら人事・労務分野においては顕著で、デジタルツールをうまく使いこなせない担当者も少なくありません。しかし、煩雑な人事・労務周りの様々な業務を効率化し、採用活動や人事評価制度の構築等、本来手間をかけるべき業務への比重を高めることは、今後人事担当者に求められる必須のスキルだと考えられます。

また、新型コロナウイルス感染症の影響で私たちの働き方はこの1年で大きく変わりました。デジタル化の浸透で、今後はますます変化のスピードが速まり、否が応でもそういった変化に適応していく必要があるといえます。

近年は、HRTechと呼ばれる分野が急激に台頭しており、過去に人事の図書館でもご紹介した「健康管理システム」や「モチベーション管理ツール」、また「人事給与システム」等様々なサービスが日々ローンチされています。読者の皆様においても、ぜひこれを機会に自身の業務の見直しとITスキルを高め、生産性の向上を図ってみてはいかがでしょうか。

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