注目企業の人事インタビュー 

求める人物像を明確にし、未来を担う人材の確保を目指す。

三栄商事株式会社 代表取締役社長 後藤正幸さん/総務部 企画室 鬼頭俊介さん
三栄商事株式会社
1946(昭和21)年、まだ戦後まもなく物不足で稼働すらおぼつかなかった生産工場に向けて、手に入りにくかった工具の販売からスタートした三栄商事株式会社。社名にこめられた「お客様・仕入先様・社員の幸せを実現し、共に繁栄していくように」という願いは創業以来70年以上にわたって着実に実践されており、取扱品目は工作機械、測定器、機械部品といったモノづくりの現場に欠かせない製品から、産業用ロボットにまで広がっており、また仕入先は約600社、取引先は約1,000社、営業地域も東海地方から中国、タイをはじめとする世界各国に拡大しています。今回は2013年6月に36歳の若さで代表取締役社長に就任した後藤正幸さん(写真右)と、採用業務を中心に総務部企画室で活躍する鬼頭俊介さん(写真左)に、同社が目指す新しい商社像とは、そしてそれを実現するための人事・採用戦略に関して、お話をお伺いしました。
※記事の内容は取材当時のものです。

会社の戦略実現のため、人材要件を再定義。

――1946年の創業以来、70年以上にわたって工作機械等を扱う専門商社として発展を続けてこられた貴社ですが、今後の課題もお感じになられているそうですね。
後藤:70年に及ぶ歴史と伝統、確かにこれは先輩方に作っていただいた、何物にも代えがたい当社の財産です。しかしそれがこれからの当社の発展を約束してくれるわけではありませんし、未来は私たちの力で切り拓いていかなければなりません。歴史と伝統に甘んじることなく挑戦と革新を続けていく会社、さらに従来の商社のビジネスモデルから脱却し、自らでお客様の課題を見つけ、それに対する解決策を提案できるコンサルティング集団へと進化を遂げていかなければ、今後も引き続きお客様・仕入先様・社員の幸せを実現していくことが難しくなる、と私は考えています。

そのため当社では近年、M&Aによる装置メーカー、ソフトウェア開発会社のグループ化や、AI領域の企業を新設しています。新たな血を入れることで企業体質を変えていくと共に、さらなる強靭化を図ることで、これからもお客様のご期待にお応えできる企業であり続けたいと考えています。
――そうした狙いを実現するためには、優秀な人材の獲得が不可欠ですね。
鬼頭:仰る通りで、こうした会社の戦略を実現するために、まずは採用する人材の要件を再定義することにいたしました。それが「困難な問題や未経験のことに積極的に取り組む気持ちを持っている人」と「人に言われて受動的に動くのではなく、自ら目標を見つけて行動できる人」です。当社の採用は営業職が中心で、これまではいわゆる「営業向き」の学生を、といった程度しか決めていなかったのですが、「挑戦と革新」を生み出してくれる人材の獲得のために、より具体的に落とし込み、明文化しました。学生にとっても当社が求めている人材像をより理解しやすくなるでしょうし、入社後のミスマッチも少なくなるのでは、と考えています。

新入社員の行動から感じた、新たな方針の手応え。

――では、2020年4月入社の新入社員のご状況をお教えください。
鬼頭:2名が入社し、約2か月間の研修期間を経て現在は本社営業部に所属し、社会人としてのキャリアをスタートしています。当社は主に工作機械を取り扱っており、機械に関する知識があるに越したことはありませんが、しっかりとした教育・研修体制を用意しておりますので、文理・性別問わず誰でもプロフェッショナルとして通用できる人材に育て上げています。また新入社員1人に対して入社6年目くらいの先輩社員がマンツーマンでサポートするメンター制度を取り入れており、不慣れな社会人生活にも安心して溶け込めるよう配慮しています。

後藤:嬉しい話がありまして、今年の新入社員は会社から指示していないにも関わらず、メンターとの面談を毎週自分たちで設定しています。そこで1週間を振り返って反省の中から課題を見つけ、それを次週に克服していくことに取り組んでおり、自分の成長をより具体的に実感できている、と話してくれています。先ほどお話ししました人材要件に「自ら目標を見つけて行動できる人」とありますが、まさにそれを実践してくれており、とても頼もしく思うと共に、新たな採用方針への手応えを感じています。
――新型コロナウイルスの影響はいかがですか?
鬼頭:新入社員に関しては、従来であればグループ会社のメーカー工場でのモノづくり研修や全ての営業部署を横断する営業同行研修等を実施しているのですが、今年に関しては実施できず、オンラインを活用した座学の研修が中心になりました。新入社員も不慣れな環境での研修に不安を感じることも多かったようで、私たちはその払拭に努めることが一番の仕事でしたね。

後藤:21卒採用に関しても説明会や一次面接についてはオンラインでの対応に切り替えました。ただ幸い、内定者に関しては全員インターンシップから応募してくれた学生で、コロナ以前に対面で何度も会っており、当社の雰囲気も十分に理解してくれていましたので、こちらも安心して内定を出すことができました。

間口を広げるよりも、一人ひとりとしっかり向き合いたい。

――インターンシップの内容についてお教えください。
鬼頭:当社では昨年の夏から開始しており、内容は業界・企業研究の進め方と自己分析といった就活対策を中心にした1dayワークショップを秋冬期間まで複数回実施しています。今年も新型コロナウイルスの感染が落ち着き始めた8月頃から、少人数に限定して対面で開催しています。今年度も同様にここから採用につながってくれればと期待しています。
――では、近年の貴社の採用における課題、そしてそれに対する対応策についてお教えください。
後藤:冒頭にお話しした通り、当社はこれから挑戦と革新のさらなるスピードアップを目指しており、それには実行する人材の獲得が何よりの課題ですので、まずは人材要件の再定義を第1歩として、それに沿った学生の採用に努めていきたいと考えています。しかし残念ながら当社が狙うターゲット層がどこにいるのか、どうやってアプローチすればよいか、そしてどうやって採用に結びつけていくか、に関してはまだ答えが見つかっていない状況ですので、試行錯誤しながら当社にとっての最適解を見出していければと思います。

鬼頭:当社はそれほど多くの新卒学生を採用する訳ではありませんので、間口を広げて多くの学生と接点を持つよりは、人材要件に合った学生とピンポイントで接点を持ち、しっかりと向き合ってコミュニケーションをとることに軸足を置きたいと考えています。その結果、当社の理念や社風に共感してくれて一緒に頑張って働きたいと考える学生が一人でも増えればよいと思いますし、その方がミスマッチも少なく入社後も長く活躍してくれるのではと期待しています。

後藤:新卒採用から通年採用へ、といった流れもよく耳にしますが、当社はすでに人材要件に合致する方であれば新卒に限らず、通年で採用をしており、そこに対する準備はできています。これからも採用活動についても挑戦と革新を忘れずにフレキシブルに展開し、10年後、20年後の当社を支えてくれる人材の確保を目指してまいります。

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