注目企業の人事インタビュー 

特別編:緊急事態宣言後の新卒採用の動きについて

人事の図書館 編集長 大西直樹
新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が解除され、6月から経済活動の再開が本格化しています。しかし、コロナ禍が学生の就職活動並びに企業の採用活動に与えた影響は大きく、昨年度とはスケジュールも活動内容もかなりの変更を余儀なくされているのが実情です。
そこで人事の図書館では、2020年4月下旬に実施した会員向け緊急アンケートに引き続き、学生及び大学、そして企業の現状をお伝えすべく、特別編として3回にわたって記事をお送りしています。今回は新卒採用の最新の状況について、株式会社学情 大阪企画営業本部企画営業第1部ゼネラルマネージャーである石谷博基さんにお話をお伺いしました。
※記事の内容は取材当時のものです。

6月に入り、いよいよ最終見極めが本格化。

――緊急事態宣言下では、企業の人事担当者も在宅で業務をされる方も多かったと思うのですが、状況に変化はありますでしょうか?
5月末頃までは半数以上の方が在宅での勤務でしたが、6月以降は7~8割は出社しておられます。ただし在宅と言っても、社外から個人情報にアクセスしたり、自宅で学生と面談をすることに抵抗がある方も多く、選考等がある際は出社しておられた方もいらっしゃったようです。いずれにしても皆さん初めての体験で、戸惑っているご様子の方がほとんどでしたね。
――6月以降はリアルでの面接も増えてきていますか?
はい、こちらも6月以降、対面での面接を実施する企業が増えています。最終面接まで全てオンラインで、という企業はまだまだ10%以下の少数派ですし、そうしたケースはインターンシップ等で学生の人柄等を熟知しているというのがほとんどだと思いますので、多くの企業が6月に入っていよいよ最終の見極め、という状況ではないでしょうか。
――これだけオンライン面接が普及しても、やはり一度は会わないと、という企業が大半なんですね。
要因はそれぞれの企業にとって様々だと思います。例えば接客業務が必要なある企業で聞いた話では、オンライン面談で非常に好印象だった方が、実際に会ってみると表情や振る舞いなどの印象がオンライン面談時とはまったく違っており、驚いたことがあったようです。もちろん見た目だけで学生を選んでいるわけではないのですが、体型や服装のセンス、何気ない所作や振る舞いといった面もトータルで評価するのが面接選考なので、やはり会ってから判断したい、と仰っておられました。

また一方で、オンライン面接をしているモニタの周りにカンペを貼り付けていて、それをチラチラと横目で見ながら受け答えする学生もいるそうです。もちろんそうしたケースは論外ですが、今後さらにオンライン面接が広がっていく中で、いかにして公平性を保つかは考えないといけない課題だと思います。

例年以上に長期化する可能性が高い、21卒採用。

――新型コロナウイルスが企業の採用計画に与えた影響は、いかがでしょうか?
現在当社では全てのお客様を対象に、採用活動のご状況や、お困りごとをヒアリングさせていただく活動を実施しているのですが、そこでは21卒採用について、増やす・計画通りの採用を実施する企業が約7割、減らす・凍結が約2割、わからない・未定が約1割となっており、当初想定よりは計画通りとお答えになられるお客様が多かった印象です。ただし22卒に関しては増やす・計画通りの採用を実施する企業が約4割、減らす・凍結が約2割、わからない・未定が約4割となっておりますので、今後の市況次第では減らす・凍結の割合が増える可能性もあると捉えています。
――21卒採用に関しては、採用活動が遅れていることもあり、長期戦になりそうですね。
大手企業が当初計画通りの採用活動を行えなかった分、夏・秋採用に動く可能性も高いと思いますので、中堅・中小企業は内定辞退が出る可能性に備えておく必要はあると思います。また例年に比べて学生の就職活動の量がかなり減っている中で、いかに納得感を持って就活を終えられるかが今後のカギになってくると思いますので、採用ご担当者の皆様はこれまで以上に学生の動きや心境の変化をこまめに掴んでおく必要があるでしょうね。
――すでに内々定を出している学生へのフォローはどのように実施しておられるのでしょうか?
これまで頻繁に見られていた学生を集めての研修や飲み会は、ほとんどありませんね。多くの企業がオンラインでの懇親会や研修等の実施に留まっているのが現状です。リアルで懇親会を実施し親睦を深めたい、というのが企業のホンネだと思うのですが、それができるのはもう少し先になるのではないでしょうか。

今後数か月間の業績が、22卒採用の行方を左右する。

――22卒採用に関して、今年の夏のインターンシップの状況も様変わりしそうですね。
すでに多くの企業が夏のインターンシップを取りやめ、秋以降の実施としています。学生にとっても夏休みは学業で忙しくなりそうですし、企業にとってまずは遅れている21卒採用を優先的に、とお考えですので、そこは双方にとって仕方のないことではないでしょうか。
またインターンシップに関しては、オンラインのみでの実施という企業はごく少数です。ただし今後はそうした企業も増えてくるのではないでしょうか。
――では最後に、今後の新卒採用の見通しについて、お考えをお聞かせください。
先ほど22卒採用に関しては今後の市況如何で採用数を減らす割合が増える可能性があるとお伝えしましたが、逆の可能性も十分にあり得ると考えています。多くの企業がこれから数か月間の自社の業績を判断材料にして、22卒の方向性を決めることになるでしょうから、私達も注視したいと考えています。

また一方で、新型コロナウイルスの影響で導入せざるを得なくなったテレワークやオンライン面接に代表されるような働き方改革の動きは、もはや後戻りをすることはないでしょう。今後は大人数を収容できる大規模オフィスから小規模点在型のオフィスにシフトしていくでしょうし、新入社員が最初からテレワークで働くことも当たり前になっていくのかもしれません。働き方、生き方に対する価値観が大きく変わる時代において、人事採用ご担当者の責務はますます重くなることと存じますが、お困りの際は弊社が全力で皆様をお手伝いさせていただきますので、どうぞお気軽にご相談ください。

関連記事

採用の課題はぜひ学情まで
ご相談ください。

電話でのお問い合わせ