グローバル人材採用のススメ

将来を見据えた先手の人事戦略で、業績拡大を支援する。

住友電工情報システム株式会社 人事総務部 採用・人材開発担当 シニアマネージャー 森高利さん
住友電工情報システム株式会社
世界約40か国に約390社の連結子会社を有し、従業員数27万名超、グループ売上約3.1兆円にもおよぶ住友電工グループの一員として、グループ向けシステムのコンサルティングやシステム構築、運用サービス等を担い、グループの発展を支えている、住友電工情報システム。近年では住友電工グループで実用されているソフトウェアをパッケージ製品として提供し、シェアNo.1製品等を数多く世に送り出しており、高い技術と信頼性は、ソフトウェア開発を行う企業を対象にした国際的な指標で、国内で数社しかない最高レベルの評価を獲得しています。業績の拡大に伴い、新卒採用数がここ数年で倍増している同社の採用戦略、そしてグローバル人材への期待感について、採用ご担当の森さんにお話をお聞きしました。
※記事の内容は取材当時のものです。

学生との接点を増やし、採用数倍増に成功。

――2020年3月卒の採用状況はいかがでしょうか?
男性11名、女性12名の計23名にご入社いただく予定です。当社のようなIT関連企業は男性・理工系が多いと思われがちですが、当社は男女、文理共に一切不問で、人物重視で選考しています。全くの初心者の方でもITのプロフェッショナルに育て上げる、しっかりとした教育制度が整っていますので、入社時のITスキルは全く気にしておりません。
――ここ数年で採用数をかなり増やされているそうですね。
16卒は11名の採用でしたが、19卒で22名、20卒が23名ですので、倍増以上になっています。おかげさまで業績が順調に拡大しており、本当であればもっと多く採用したいのですが、教育面、及び継続性を考えるとこのくらいが適性ですので、今後数年間は20~25名程度の採用を続けていきたいと考えています。また足りない部分についてはキャリア採用で補うべく、こちらも積極的に採用活動を行っています。
――売り手市場で、しかも今後少子化の影響で若者の数が減っていく中、採用数を増やすのは大変だと思うのですが、秘訣はどこにありますか?
秘訣というほどのことは特にやっておりませんが、あるとすれば合同企業セミナーや学内企業説明会等になるべく多く参加し、学生との接点を増やすといった、地道な努力の積み重ねだと思います。参加数を増やすと共に、これまで参加できていなかった北陸や中四国、九州にも参加し、とにかく母集団の裾野を広げることに奔走しました。
――関東圏、東海圏での採用活動もこれまで以上に力を入れたそうですね。
当社並びに住友電工グループは、大阪ではある程度の知名度はあるのですが、関東圏・東海圏ではまだまだ低く、これまで採用活動に苦戦してきました。ですがこちらのエリアでも積極的に説明会等に参加した結果、20年卒では関東・東海圏で全体の約4割の方を採用することができています。

将来の危機に早めに備え、手を打っていく。

――数年前からグローバル人材採用にも注力しておられるとお聞きしました。
少子化の影響で若手人材が減少していく中でどのようにして安定した採用活動を行っていくのか、その選択肢の一つとして当社では外国籍人材の採用に取り組んでいます。何事もそうだと思うのですが、特に私たちの仕事は常に未来を予測し、先手先手で物事を動かしていくことがとても重要だと考えています。5年後、10年後、本当に人手不足が深刻になってから、じゃあ外国籍人材を大量採用しようと思っても、ノウハウの蓄積もなければ、人のネットワークもない状況ではどうすることもできません。ですから当社では3年ほど前から、新卒・キャリア採用合わせて数名を継続的に採用することで、将来の会社の発展を支える基盤づくりを行っています。
――グローバル人材と日本人で、選考方法等に違いはありますか?
いえ、全くありません。日本語能力に関しても、例えばN1以上等の明確な基準はなく、面接等を通じてしっかりとコミュニケーションがとれる方であれば、問題ありません。新入社員研修も全く同じ内容を受けていただきますし、配属先の選定も同じ条件で考慮し、決定しています。すでに入社された方は全員がシステムエンジニアとして配属され、現在も活躍していますが、今後は日本語の習熟度によって、ソリューション営業に配属される方も出てくるかもしれません。
――新入社員研修も、例年見直しをかけていらっしゃるそうですね。
入社後3か月間は全員での集合研修、その後配属先でのより実践的な研修、というのがこれまでのやり方でしたが、期間や内容等については、現場の声や社員の意見等を活かしつつ、柔軟に見直しを図っていきたいと考えています。例えば、配属先の研修で部署や担当者によって内容にばらつきが生じないよう、配属後も事業部門内で新入社員を集めた部署を作り、そこで教育やOJTを受けながら業務を実践し、特長を伸ばした上で数年後に適性に合った部署へ異動させる案が検討されています。

様々な福利厚生制度で、社員に利益を還元。

――貴社はユニークな福利厚生制度やワークライフバランスを支援する取り組みでも有名ですね。
業績が拡大し、生み出された利益を、手厚い福利厚生制度で社員に還元しています。ユニークなものとしては「社内コミュニティー活動補助制度」で、これは社員6名以上で行うBBQやスポーツ等の社外活動に対して補助金を支援する制度です。社員同士の親睦を深める良いきっかけになっている制度で、19卒の新入社員の中には集合研修の期間中に利用上限を超える申請をした人がいるほど、社員にも浸透している制度です。他にも賃貸住宅の自己負担が寮費並みになる新入社員向け住宅制度や、趣味や習い事といった自己啓発の補助制度、プライベートで使用するパソコンの購入補助といった、様々な福利厚生制度で社員の生活をバックアップしています。

また月の平均残業時間は18.0時間とIT業界では異例の少なさ、女性の育児休暇利用率も3年連続100%、且つ元の職場への復職ができていますので女性にとっても働きやすい環境といった、ワークライフバランスを重視した上で社員が長く働ける環境が整っているのも自慢の一つです。
――では最後に、今後想定される、採用活動を取り巻く様々な変化に関して、どのようにお考えでしょうか?
年々変化が起きているのは事実だと思いますが、短期間で急激な変化が起きるとは考えておりません。新卒の通年採用といっても、卒業時期が変わるわけではありませんので、当社としては4月の受け入れから逆算し、やるべきことを着実にやっていくだけだと考えています。ただ一方で、変化を先読みし、早め早めに手を打っておくことも重要だと考えています。例えば早期化対策に関しては、現在7月から東京・名古屋・大阪で1日SE体験を毎月1、2回開催しており、今後さらに質・量ともに充実させて、採用活動の大きな柱に成長させていければと考えています。

とはいえ、社員が活き活きと働ける環境は必要であり、活き活きと働くことができれば業績が良くなり、更に良い会社になっていくものです。離職率2%台の当社はそれができつつあると思います。採用の本質はそこにあり、活き活きと働く環境があることをいかに学生に伝えられるかがポイントだと考えています。

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