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学情レポート 2018.08

企業の動向・学生の動向 【2018年8月15日号】

企業の動向・学生の動向

■企業の動向

 2019年卒採用では、企業の形勢不利な状況が依然として続いている。弊社が7月中旬に約1,000社の企業に対して実施した「2019年卒採用に関するアンケート調査」では、採用活動を終えた企業は14.6%に留まり、多くが活動継続中だ。一部の大手企業だけが無事に採用終了を迎えたが、中堅・中小企業の多くは、内々定出しを積極的に行い、内々定者へのフォロー施策に注力してきたものの辞退が相次ぎ、活動継続を余儀なくされている。7月に開催された合同企業セミナー「就職博」には、東京・名古屋・京都・大阪・福岡の5地区合わせて延べ約600社が出展した。公務員や大学院進学から民間企業へと志望を転向する学生、部活を引退し就職活動を本格スタートさせた体育会系学生、内々定を保持しながら納得するまで就職活動を続ける意向の学生等を狙い、企業各社による積極的なアプローチが見られた。10月の内定式を見据えると7~8月を母集団形成の最終時期と捉える企業が多いが、企業によっては新卒学生だけでは採用予定数確保は難しいと、早めに判断を下すケースも見られる。新卒採用の補てんに第二新卒・既卒者へアプローチする動きは例年よりも早く広がっている印象だ。

 2019年卒採用が続く一方で、2020年卒採用の計画立てとそれに向けての夏期インターンシップ実施も活発化している。学生が夏休みに入る前に接触を図る企業も少なくないが、授業や試験と日程が重なり、思うように参加者を集められないケースもあるようだ。そのため、開催数を増やすだけでなく実施時間を短くする動きも例年以上に広がっている。

(臼井 堅太郎)

■学生の動向および学生を取り巻く就職環境について

 2019年卒学生を対象に、7月上旬に実施した弊社の内々定率調査では、内々定率81.8%と多くの学生が内々定を保有している。この状況だけを見れば2019年卒学生の就職活動ははや終盤戦の様相であるが、7月に東京で開催された「就職博」には前年同時期比114%となる約2,500名の学生が来場し賑わいが見られた。来場増の理由としては、公務員から民間企業志望へ切り替えた、現在の内々定先に決めて良いか迷っている、最近就職活動を始めた、といった学生の来場があったことが挙げられる。公務員志望だった学生の大半は、筆記試験対策はしているものの面接対策がおろそかで、面接で落ちる傾向がある。また、企業選びの軸を持てないまま内々定獲得に至り、納得感が得られず、就職活動終了の踏ん切りをつけられないという学生も多い。売り手市場ではあるものの、こうした何らかの壁にぶつかっている一定数の学生は就職活動を継続している状況だ。

 一方、2020年卒学生についてはインターンシップへの参加意欲が高く、前期の就職ガイダンスを振り返った際、どの大学からも「インターンシップのガイダンスは前年より参加学生が増加した」という話が聞かれる。ただし、「インターンシップに行かないと就職活動で出遅れるのでは」という後ろ向きな理由でインターンシップに参加する学生も多い。そのため、じっくり臨む必要がある長期間のプログラムは敬遠され、5~10日間程度のプログラムが多い大学経由のインターンシップの申込みは減少傾向にある。「しっかり就業体験をしたい」という意欲の高い学生と「就職活動のために仕方なく」という学生。この時期から学生の意識は二極化している。

(巽 浩一)

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