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学情レポート 2017.08

企業の動向・学生の動向 【2017年8月10日号】

企業の動向・学生の動向

■企業の動向

 2018年卒採用において、7月は各企業の大勢が見える月となった。大手企業においては、概ね予定通り内々定を出し終え、内々定者懇親会など辞退防止に向けた施策に注力した月となった。一部理系学生の確保に苦心する企業もみられるが、学校等からの紹介で補い、8月以降に大きな動きを予定している企業は少ない。中堅・中小企業では、内々定出しまでは順調に歩を進めたものの、6月下旬頃から辞退のほか、そもそも内々定者と連絡がつかなくなるケースも出てきている。2018年卒学生の特徴として、明確な辞退の伝達が無く、「連絡がつかない」「メールの返信がない」など、いわゆる「サイレント辞退」が相次いでいる。そのため追加募集へ踏み出す判断が遅れてしまう企業も多くみられた。弊社主催の合同企業セミナー「就職博」への出展希望も7月上旬から一気に増え、7~8月開催分は出展上限数を上回る申し込みが入る回も出てきている。現在確保できている内々定者が無事入社に至るか読みづらい中、仕切り直しを迫られる企業が増えそうな状況である。新卒採用に固執せず、若手確保という観点から、第二新卒や既卒をターゲットにした施策を打つ企業も出てきている。

 2018年卒採用が続く一方で、2019年卒採用の計画立ても本格化している。動きとしては例年より1ヵ月程度早い印象だ。特に2017年10月~2018年2月にかけて学生に自社を周知する施策に注力する予定の企業が目立つ。2018年卒採用において内々定者に占めるインターンシップ参加者の割合が高く、「プレ期の活動は採用活動に有効」と捉える企業の増加が背景にある。3月にピークを迎えていた採用市場のスケジュールは変化していきそうだ。

(山中 健介)

■学生の動向および学生を取り巻く就職環境について

 「内々定企業を1社に絞りきれない」大学のキャリアセンターには2018年卒学生からのこのような相談が相次いでいる。「苦労するだろうと思っていた学生が大手企業の内々定報告に訪れた」というケースや、中には「10社以上から内々定を得たという報告がきた」というケースもあり、内々定ラッシュと呼べるような状況だ。入社先を決めきれない学生については、就職活動準備をそれほど行わず、会社や仕事に求めるものや社会人としてどのように成長していきたいかを深く考えないまま内々定獲得に至ったことが原因と見られる。一方で活動継続中の学生も多い。7月下旬に東京で開催された「就職博」のオープニング講演参加者のうち、約半数は「最近就職活動をスタートした」学生であった。ここにきて志望先を公務員から民間企業に転向する学生や、部活動を引退し就職活動をスタートさせた学生も増えている。専攻にもよるが、各大学で耳にする内々定率は概ね60%というところだ。弊社が7月17日~22日に行った調査でも、就職活動継続率は30%前後であり、一定数の学生は活動真っ只中にある。

 2019年卒学生は夏期休暇を利用したインターンシップ参加を本格的にスタートさせた。7月中は2018年卒学生よりも2019年卒学生からのインターンシップに関する相談が多かったという大学も少なくない。「インターンシップは意識の高い学生だけのものではなくなり、従来参加していなかった層の学生まで参加するようになった」との声を大学関係者からはよく耳にする。就職活動の早期化助長という懸念点はありつつも、社会や仕事を知るきっかけにもなり得る。インターンシップが有益な活動になることを願いたい。

(森 郷)

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