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学情レポート 2020.12

企業の動向・学生の動向 【2020年12月15日号】

企業の動向・学生の動向

■企業の動向

 2021年卒採用について、主に中堅・中小企業の採用担当者から「ここにきて学生からの内定辞退連絡が入り始めた」との声を耳にするケースが増えてきた。企業との接触がほぼオンラインに終始した学生や、コロナ禍の中、内定先の将来性に不安を感じた学生などが、内定承諾はしつつも水面下で活動を続けていたことが要因とみられる。結果、採用活動の再開や継続を余儀なくされる企業も散見される。コロナ禍で柔軟な対応が求められた2021年卒採用において無事活動終了に至った企業がある一方、一定数の企業は採用活動を続けている。

 2022年卒採用では、インターンシップのwithコロナ対応が進められている。長期日程の夏期インターンの実施を見送り、その代替措置としてオンライン座談会等を実施する企業。インターンに関わる人員削減が決定したため、急遽先輩社員の声を集めた動画を制作し、間接的にでも様々な社員を知ってもらう取り組みを始めた企業。オンライン化の対応が間に合わず、少人数制の訪問型プログラムに切り替え、開催日数を増やして対応する企業など、制約がある中でも学生とのミスマッチを極力減らす方法を各社模索している。また採用計画数については、2021年卒採用と同程度を予定する企業が多い。過去にはリーマンショック時の新卒採用取り止めにより社員の年齢構成のバランスが崩れ、結果的に業績に悪影響を及ぼしたという企業も少なからずあり、同じ轍を踏まないためにも採用人数をキープする意向だ。ただし採用要件を再設定し、採用したい学生の明確化を図る企業が増えている印象であり、採用基準の厳格化傾向は強まりそうだ。

(石黒 翔太)

■学生の動向および学生を取り巻く就職環境について

 厚生労働省および文部科学省が11月17日に発表した、10月1日時点における2021年卒学生の内定率は69.8%で、前年同期比7.0ポイント減となった。例年であればこの時期でも各大学には多くの求人情報が寄せられているが、今年はそれが減少しており、学生の要望に沿う業界を案内できないこともあるという。また、オンライン授業が学生生活の中心になったことで就職支援の難易度が高まっている。弊社が各大学に対し実施した就職支援の課題に関するアンケートでも「大学への入構制限等により学生と直接接する機会が減り、特に未内定者へのフォローがしづらい」との回答が51.5%と過半数に達した。弊社ではこのような状況を踏まえ、12月~2月にかけ2021年卒学生対象の合同企業セミナーを追加開催する運びとなった。最後まで学生の就活支援を続けていく。

 2022卒学生のついては、各大学で就職ガイダンスが開催されており、その多くはオンライン形式だ。今年の学生は危機感が強いという話を頻繁に耳にするが、それにもかかわらず、こうした行事への参加状況は芳しくないという。オンラインのため、周りの学生から刺激を受けたり、情報交換を行う機会も減少しており、就職活動に向けての士気が上がりにくいようだ。各大学からは「自発的に就職活動に取り組む学生ならともかく、少し背中を押してあげないと頑張れない学生はその機会がないため心配」という声が聞かれる。一方でインターンシップに参加した企業の選考に進んでいる学生もおり、大学からも「例年より企業の動きが早い」という声を耳にする。就職活動に対する取り組み具合は学生により差が生じている。

(巽 浩一)

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