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学情レポート 2020.02

企業の動向・学生の動向 【2020年2月15日号】

企業の動向・学生の動向

■企業の動向

 2021年卒採用は例年以上に早期化が進行している。早い学生は既に内々定を得ており、弊社が今年1月に実施した「内々定率調査」では、早くも8.1%の学生が内々定を獲得している。経団連が2021年度以降の4月入社予定者を対象とする「採用選考に関する指針」の策定から手を引いたことも影響していると見られる。ルールの策定は政府が引き継ぎ、現行通りのスケジュールで採用活動を行うよう要請してはいるが、指針同様、罰則はなく、企業への拘束力は大きくないと言えるだろう。主要就職情報サイトでの採用情報公開は3月1日からではあるが、自社の採用ホームページにおいて2021年卒採用のエントリーを開始する企業は日に日に増え、ルールの形骸化が進行している。ただ各社が期待を寄せるのは、新規のエントリー者よりもインターンシップ期に大なり小なり関係性を築いた学生であり、これまでの活動で母集団形成が思うようにできていない企業の人事担当者は相当な危機感を抱いている。そのせいか、3~6月にかけての合同企業セミナー出展を画策する企業がここにきて増加している。

 2020年卒採用については区切りをつける企業が大半の中、採用予定数に達していない企業は新卒採用の補填として、既卒・第2新卒者を採用する動きが広がっている。さらに政府が推進する雇用制度改革において、従業員数301人以上の大企業に対し、2021年4月から中途採用比率の公表を義務化する方針が示された。これにより、中途採用の流動化、特に20代の中途採用ニーズは今後いっそう高まることが予想される。

(張本 大地)

■学生の動向および学生を取り巻く就職環境について

 2020年卒学生について各大学の内定率は、就職希望者を分母にしたときに9割前後と、ほぼ昨年同時期並みの状況だ。一方で必要単位を取り終えたことで卒業の目途がつき、この時期から就職活動に乗り出す動きも見られるようになった。

 2021年卒学生の進捗については、昨年以上に二極化の様相を呈している。各大学では企業を招いての学内業界研究セミナーを開催しているが、これまでの参加学生数は昨対比7割程度という。キャリアセンターからは「夏から秋にインターンシップに参加した学生は、こうした学内イベントではほとんど見かけない」という声が聞かれる。インターンシップに参加した学生は早期から志望業界や企業を固め、新たに企業を探すのではなく本選考の準備にウェイトを置いている状態だ。「進んでいる学生からは昨年末頃から書類や面接の相談があり、年明けには数人から内々定報告があった」との話も聞く。全般的に早まる学生の動きを見越して、例年2月下旬~3月上旬に実施している学内業界研究セミナーの時期を2月上旬に繰り上げる大学も多い。また、2月2日(日)に東京で開催された弊社主催の業界研究イベントでも、相談コーナーに訪れた学生の約7割が本選考用エントリーシートの添削希望者であり、進捗の早さがうかがえた。一方で、「自己分析の方法を知りたい」「やりたいことが分からない」など基本的な質問も寄せられた。イベント来場者へのアンケートでも、4人に1人はインターンシップ参加経験がなかった。昨年以上のペースで就職活動を進める学生がいる一方で、3月の採用広報解禁を前にようやく動き出す学生も一定数いる状況だ。

(菅原 宏明)

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