• お問い合わせ

学情レポート 2019.11

企業の動向・学生の動向 【2019年11月15日号】

企業の動向・学生の動向

■企業の動向

 2020年卒採用に関して、10月1日の内定式から1ヵ月が経過したが、採用目標数の充足には至らず、採用活動を継続する企業も多く見受けられる。「内定式の前日になって辞退の連絡が入った」「内定式当日に連絡もないまま欠席する学生がいた」といった事態に直面し、急遽追加募集を始めたケースもある。新卒採用のみでは採用目標数の充足に目途が立たず、既卒・第二新卒採用を実施し、2020年4月の同時入社を試みる企業も目立ってきた。ある中堅IT企業では初めて既卒・第二新卒採用を行ったが、9月に2名の内定出しに成功した。即時入社ではないが、来年4月に他の新卒者と合同で手厚い研修を行うことが安心材料となり、内定承諾に至ったという。新卒学生の卒業時期が近づくにつれ、こうしたケースは増えていきそうだ。

 一方、2021年卒学生を主対象とするインターンシップにも多くの企業が尽力している。夏休み中は順調に母集団形成を図れたが、秋以降は応募数に伸び悩む企業が増えている。大学の授業もあり、夏休み中ほどは学生も積極的に動けず、今の時期の学生募集にはコンテンツの創意工夫が不可欠な状態だ。秋ではなく、1~2月が母集団形成のチャンスと捉え、冬のインターンシップ準備に力を割く企業も出てきている。また、東京エリアでは来年夏のオリンピック・パラリンピック開催に伴う交通機関の乱れや学生の動向の読みづらさ等を考慮し、採用スケジュールを前年度よりも前倒しする意向の企業が多い。更なる早期化が進みそうだ。

(根立 豊広)

■学生の動向および学生を取り巻く就職環境について

 10月の内定式を経て、2020年卒学生の就職活動もある程度落ち着いたかに見えるが、10月に東京で開催された合同企業セミナー「就職博」には約500名の学生が来場した。来場者アンケートによると、6割程が未内定であった。各大学に内定状況を聞くと、文系で7割程度、理系で9割弱という声が多く、昨年同時期並みの水準だという。売り手市場と言えども、未内定のまま活動を継続する学生が一定数いる状況だ。また、企業へのエントリー数や受験社数の少なさに起因し、大学からは「内定を保持したまま決めきれない学生も多い」との声も聞かれる。「就職博」でも「今の内定企業で大丈夫か」と、より自分に合った企業を探すために来場する学生も見られた。内定先に納得感を得られないのは、比較的容易に内定を得やすい売り手市場であるがゆえの課題と言えそうだ。

 2021年卒学生に対して8月に実施した弊社の調査では、インターンシップ参加者は8割を超え、インターンシップ熱は年々高まっている。10月に東京・名古屋・京都・大阪で開催されたインターンシップイベント「インターンシップ博」には昨年同時期比140%以上の学生が来場し、賑わいを見せた。会場内の相談コーナーを訪れた学生の悩みは、「どの業界も面白そうで、どう絞ればよいかわからない」「やりたいことがなく、どの業界がよいのかよくわからない」の2つに大別される。一部、「選考で有利になると思い、志望する業界のインターンシップに10社以上参加した」といった学生もいるが、多くは「どの業界がよさそうか」を見て回っている段階だと言えるだろう。

(菅原 宏明)

レポートダウンロード