• お問い合わせ

学情レポート 2019.10

企業の動向・学生の動向 【2019年10月15日号】

企業の動向・学生の動向

■企業の動向

 10月1日、多くの企業で2020年入社予定者の内定式が執り行われた。ただし、採用予定数に達した企業は一部で、多くの企業は10月以降も採用活動を継続しており、内定式は中締めのセレモニーという意味合いが強かった。前日までの出欠確認連絡の中で想定以上の内定辞退に悩まされるケースも多発し、例年にも増して波乱含みの内定式前夜でもあった。あるソフトウェア会社では、夏時点では4名が内々定承諾していたが、内定式を前に辞退が続き、出席者は1名のみになってしまったという。一方で、技術者採用を行っているある中小メーカーでは、新卒の母集団形成に苦戦している状況を踏まえ、7月より新卒採用枠に既卒・第二新卒者も含めることにした。結果的に機電系の学卒者の採用ができ、新卒採用の補てんに成功したという。母集団形成がインターン期から始まっている新卒採用の現状を踏まえると、入社までのリードタイムが長く、採用効率は悪化の一途をたどっている。そうした中、既卒・第二新卒者の中から優秀な人材を採用する流れは、今後さらに広がっていくと予想される。

 夏休みが明け、2021年卒学生対象としては最初の山場であったサマーインターンシップは終息を迎えた。大学と連携しながら参加者を募る企業も増え、「昨年を大幅に上回る申し込みや参加があった」という声も聞かれた。一方で、ITや技術系のインターンシップ実施企業では集客に苦労する傾向が見られた。後期の授業が本格化する10月以降はいっそうの苦戦が予想される。各社はインターンシップイベント参加による露出強化を図るほか、内定者や新入社員を介しての後輩に対する告知など、様々な手でこの難局に挑む意向だ。

(柳 亮太)

■学生の動向および学生を取り巻く就職環境について

 2020年卒学生の就職活動は落ち着きを見せ始めているが、9月下旬に東京で開催された合同企業セミナー「就職博」の来場者数は8月下旬開催時を上回った。BtoCのメーカーやゲーム制作会社など学生に馴染みのある企業が出展し、そうした企業を目当てに関東以外から足を運ぶ学生の姿も見られた。たとえ内々定を得ていても就職活動を完全には終わらせず、より魅力的な企業の募集案内を見つけたら再び動き出す学生も一定数いるようだ。なお9月下旬には東京のほか、大阪、福岡でも「就職博」が開催されたが、参加学生へのアンケートによると、いずれの地区も学生の70%前後が未内々定であった。学生優位の売り手市場の中で、2020年卒採用を継続している企業からすればまだチャンスがあると言えそうだ。

 2021年卒学生のインターンシップ参加は例年にも増して活況を呈している。インターンシップへの積極的な参加を促す大学が増えたこともその一因だが、その背景にはある事情がある。各大学によると、キャリアセンターを訪問する企業から「インターンシップ参加者から採用を行う」と明言されるケースが増えているという。これまでもインターンシップと採用を結びつける企業は少なからず存在したが、それを堂々と宣言されたとなると、「学生の就職の機会損失を防ぐためにもインターンシップを勧めざるを得ない」と仕方なく参加を促すケースもあるようだ。また学生からは「インターンシップ内で自己分析や面接対策を行う企業が多いが、違いがよく分からない」といった声がよく聞かれる。同一内容であれば1社参加すれば十分と捉える学生も多い。企業としては独自性のあるコンテンツ考案が求められそうだ。

(松井 健悟)

レポートダウンロード