7月上旬に実施した弊社の内々定率調査では、2020年卒学生の内々定率は74.4%。実に4人に3人が内々定を獲得している状況だ。各大学からも「内々定率は昨年同時期よりも5~10ポイントほど高く推移している」という声が聞かれる。内々定獲得状況は順調と言える。ただし、内々定先に納得感を持てずに就職活動を続ける学生も少なくない。弊社の同内々定率調査でも5割近い学生は就職活動を継続している。もちろん活動を続ける学生は内々定者に限らない。大学キャリアセンターには「大手企業を中心に受けていたため、受験企業が底をついた」「業界を絞りすぎて上手くいっていないが、他に興味のある業界が見つからない」「公務員・教員を目指していたが、民間企業就職に転向したい」といった相談が寄せられている。7月下旬に東京で開催された「就職博」の来場学生へのアンケートによると、未内々定の学生が68.8%と過半数で、昨年同時期(62.0%)を上回った。 一方、2021年卒学生について、夏期インターンシップに対する参加意欲は昨年以上に高まりが見られる。8月1日に東京で開催された弊社主催インターンシップイベント「Super Business Forum(インターンシップ)」の来場者アンケートによると、既に35.8%の学生がインターンシップの参加経験があるとのことだった。多くの学生はその先にある就職活動を見据え、業界や仕事理解を深めようと積極的にインターンシップを活用している。一方で、「インターンシップに参加しないと就職活動が上手くいかないと聞いて」「周りが行くから」という消極的な理由で参加する学生も一定数おり、早くも学生の意識には二極化が見られる。(菅原 宏明)