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学情レポート 2019.07

企業の動向・学生の動向 【2019年7月15日号】

企業の動向・学生の動向

■企業の動向

 経団連の指針を遵守する企業の内々定出しにも落ち着きが見られるようになった6月末。一足早く内々定出しを行ってきた企業の多くは承諾の是非が保留状態だった学生に対して、最終の意思確認を行っている。インターンシップ期での学生との関係構築も含め、6月は2020年卒採用の成果が試される時期であるが、企業によってその明暗が大きく分かれている。中堅メーカーA社では、セミナーや選考開始を例年よりも早めたことが奏功し、内々定辞退を見越して採用予定人数の2倍近い内々定を出すことができた。ところがその後、内々定辞退が多発し、6月下旬段階で内々定承諾は採用予定数の2分の1程度だという。また、採用予定人数が100名を超える流通B社では、自社セミナーの予約・参加状況が昨年と比べ芳しくなく、採用ターゲットを第二新卒にまで広げ、若手人材の通年募集に向け動き出している。また、一定数の内々定承諾が得られた企業であっても安泰とは言えない。秋口以降も追加セミナーを行う企業が近年増加しているだけに、例年以上のきめ細やかな内々定者フォローが欠かせない状況だ。ある大手企業の人事担当者は、「内定式を行う10月はもちろん年内いっぱいは安心できない」と不安を口にしている。

 一方で、2021年卒学生向けのサマーインターンシップ募集には拍車がかかっている。例年であれば冬季のインターンシップイベントにしか参加していない企業が、今年は6月のイベントに参加するなど前倒し傾向が見られる。こうした動きに乗り遅れまいと人事部門の増強を図り、2020年卒と2021年卒両方の学生対応強化に乗り出す企業も増加している。人材不足が深刻化する中、若手人材確保に向けた各社の動きは熾烈を極めていきそうだ。

(柳 亮太)

■学生の動向および学生を取り巻く就職環境について

 6月以降、2020年卒学生に対する内々定出しに拍車がかかり、ほとんどの大学において民間企業就職希望者の内々定率は昨年同時期を上回っている。納得できる内々定先と出会え、就職活動を終える学生が出てきている一方で、内々定を保持しながら就職活動を継続する学生が多いのが現状だ。各大学では複数の内々定を持つ学生に対し、「志望度の高い企業以外は早く辞退連絡をするように」と指導してはいるが、聞く耳をもたない学生も少なくない。未内々定学生も含め、夏休み期間も就職活動を継続する学生は相当数いるとみられる。

 2021年卒学生のインターンシップに向けた動きも活発化している。多くの大学でサマーインターンシップ参加希望者は昨年よりも増加傾向にある。インターンシップが実質的に早期母集団形成の役割を担うなど、採用活動との境目がいっそう曖昧化しており、学生もインターンシップを、就活準備の、あるいは就活そのものの最初のステップと捉えているきらいがある。また、経団連による採用指針の廃止もあり、少しでも早く就活関連の情報を得ようとしてか、「3年生向けの就職ガイダンス参加者のうち、約半数が1・2年生だった」というケースも見られる。もっともこの場合、1・2年生向けの呼び込み強化が影響しているようで、「1・2年生の意識に変化は見られない」という大学も多い。それでも就活スケジュールの見通しが立てづらい中、低年次生向けのキャリア教育に注力しようという大学は増えている。一方で、インターンシップで1・2年生も受け入れる企業はまだ少なく、「1・2年生も受け入れてくれる企業とは関係を強化したい」という声がこのところよく聞かれる。

(岩本 和彦)

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