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学情レポート 2019.06

企業の動向・学生の動向 【2019年6月15日号】

企業の動向・学生の動向

■企業の動向

 2020年卒採用に関して、ゴールデンウィーク前後に多くの大手企業で採用責任者や役員による面接が行われ、連休明けからその合否が続々と学生に伝えられた。その結果、準大手や中堅・中小企業では5月中下旬にかけて選考や内々定の辞退が相次いだ。ある準大手の流通系企業では30名ほどの学生に内々定を出したが、承諾書を提出した学生は2、3名に留まるという。また、承諾書の受領後に辞退の連絡を受けた企業も多い。経団連の指針を遵守する企業の合否出しが一服するであろう6月末を提出期限とする企業も多いが、企業と学生が考える承諾書提出の重みには大きな乖離があり、承諾書の受領では一安心できない状況だ。学生の入社意思をどのようにして正確につかみ取るかが重要課題となっている。企業によっては、表向きには選考解禁となる6月1日に内定式ならぬ内々定式を行い、学生が参加するかどうかで入社意思を確認していた。また、採用予定数に対して内々定学生がまだ少ない段階でも、先輩社員を交えた昼食会等を定期的に実施する企業も増えている。

 4月の報道以降「通年採用」という言葉がメディアでも頻繁に取り上げられるようになり、新卒学生の4月一括入社のみで若手人材を確保する状況から時代は変わりつつある。既に多くの企業が新卒学生の代わりに既卒者・第二新卒者の採用に力を入れている。さらに、これまで専攻と関連しない業務への就業が認められていなかった外国人留学生について、法務省は「日本語能力を生かせれば、幅広い業務に就くことを認める」よう、5月30日に出入国管理法の告示改正を行った。留学生を採用しやすい環境への整備も進み、若手人材確保に向けた採用手法がより多様化していきそうだ。

(四十山 聡)

■学生の動向および学生を取り巻く就職環境について

 各大学のキャリアセンターには2020年卒学生からの内々定報告や承諾書に関する相談が相次いでいる。正確に把握できているわけではないが、内々定率を30~40%程とみる大学が多い。ただ文理の差は大きく、理系の大学や学部に関しては「既に70~80%に達しているのでは」という声も聞かれる。しかし、就職先を定め就職活動を終える学生はまだ少数で、内々定承諾書の提出期限に関する相談で大学側も苦慮している。「内々定者対象の合宿に参加しなければ内々定を取り消す」といった、内々定取り消しをちらつかせるオワハラの相談も寄せられているようだ。承諾書の提出期限内に他社の選考結果が出ず、仕方なく内々定辞退をする学生もおり、早期の入社意思確認は、学生と企業双方の機会損失になっている面もありそうだ。また、選考がうまくいかず「6月初旬のタイミングで『受ける企業がなくなった』と相談に訪れる学生は前年以上」という大学も少なくない。大卒求人倍率は1.83倍と高水準ではあるものの前年の1.88倍から0.05ポイント減少(出所:リクルートワークス研究所「第36回 ワークス大卒求人倍率調査(2020年卒)」)。大学側は、企業の選考基準が少し厳しくなっているという認識で、「6月、7月の結果を見ずに就職活動が前年並みに順調だと判断するのは時期尚早」とする大学が多い。いずれにしても、多くの学生は夏休み前までは就職活動を継続する意向だ。

 一方、2021年卒学生はサマーインターンシップへの関心が高く、インターンシップ関連のガイダンス参加状況は好調だ。大学主導のものとオープンに募集されているもの、両方を活用しながら企業・仕事理解を深めようという意向の学生が多い。

(江村 朋裕)

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