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学情レポート【COMPASS】2019.11

企業・大学アンケート結果に見る2020年卒採用の状況、そして2021年卒採用の展望は?

2019年8~9月に東京・名古屋・大阪・福岡の4都市で開催された弊社主催「就職講演会・名刺交換会」には、多くの企業採用担当者ならびに大学就職指導担当者が来場した。各地区の来場者を対象に、採用活動状況や就職指導状況に関するアンケートを実施。今号ではその調査結果をもとに、2020年卒採用の現状や2021年卒採用の展望についてレポートする。

※レポート内の各項目は小数点第一位を有効桁数と表記しているため、択一式の回答の合計が100.0%にならない場合があります。

調査概要

調査対象:全国の企業採用担当者、大学就職指導担当者
有効回答数:企業担当者1,030件、大学担当者289件
調査方法:「就職講演会・名刺交換会」来場者へのWebアンケート
調査期間:東京 / 2019年9月12日~9月17日
     名古屋 / 2019年9月9日~9月12日
     大阪 / 2019年8月27日~8月30日
     福岡 / 2019年9月10日~9月13日

1. 企業アンケート結果

2020年卒採用の状況について

インターンシップ実施企業は前年比5.8ポイント増の67.6%。インターンシップ実施が本採用に有利に働く。

採用活動のプレ期に各社が注力しているインターンシップ。実施企業は年々増加しており、今回の調査では前年同時期比5.8ポイント増の67.6%が2020年卒学生を主対象とするインターンシップを実施したと回答した。経団連の「採用選考に関する指針」では、インターンシップは「採用選考活動とは一切関係ないことを明確にして行う必要がある」と明記されてはいるが、採用活動の一環として実施されるケースが大半である。そのため、以降についてはインターンシップ実施企業と未実施企業でアンケート結果を比較し、インターンシップ実施の有無が採用活動にどのような影響を及ぼしたのかを見てみる。

まず各社の活動状況であるが、「既に終了」は31.3%に留まり、61.1%が「継続中」である。3月の採用広報解禁以降、順次選考が行われてきたが、それからおよそ半年後の状況として、活動を終えられた企業は3割強に留まった。インターンシップの実施別で見ると、「既に終了」はインターンシップ実施企業が36.2%と、未実施企業(20.6%)を15.6ポイント上回り、インターンシップ実施が本採用に有利に働いたことが読み取れる。

また、採用予定数に占める「内々定を出した人数」の割合として、採用予定数に対し「101%以上」内々定を出した企業は、インターンシップ実施企業では60.6%であるのに対し、インターンシップ未実施企業は34.0%と、26.6ポイントの差が生じている。採用予定数に占める「内々定承諾者数」の割合についても概ね同様の傾向が見られ、インターンシップを通じての学生との早期接触が採用活動に寄与していることがうかがえる。

インターンシップ実施の課題は、実施企業は「学生が集まらない」、未実施企業は「マンパワー不足」が最多に。

前年度と比較した採用活動の進捗については、「苦戦+やや苦戦」(44.3%)が「順調+やや順調」(33.8%)を10.5ポイント上回っており、前年度以上に苦戦を強いられる企業が多い。ただし、前年度調査では「苦戦+やや苦戦」が54.9%、「順調+やや順調」が24.2%であり、苦戦した企業の割合は減少し、順調に進められた企業の割合は増加するなど、悪化の一途をたどったわけではないようだ。インターンシップ実施別で見ると、「順調+やや順調」はインターンシップ実施企業(35.4%)が未実施企業(30.4%)を5.0ポイント上回る一方で、「苦戦+やや苦戦」は未実施企業(45.5%)が実施企業(43.8%)を1.7ポイント上回っている。インターンシップ実施企業の方が順調に進められてはいるが、実施有無によってそこまで大きな差が生じているわけではない。前述の内々定出し人数等の定量データと比べると、順調か苦戦かは担当者の感覚によるところが大きい。インターンシップ実施企業には実施企業なりの悩みがありそうだ。

インターンシップ実施における課題を聞いたところ、インターンシップ実施企業で最多となったのは「学生が集まらない」で51.7%。「マンパワー不足」(44.1%)、「採用に繋がらない」(41.2%)と続く。同設問は2年前から設けており、前々年、前年の最多は「マンパワー不足」であったが、今回初めて「学生が集まらない」が最多となった。インターンシップが広く実施されるようになって数年が経ち、運用面で一定のノウハウが蓄積された一方で、実施企業の増加により、それがそのまま参加学生数の減少に繋がったと見られる。「採用に繋がらない」の数値も高く、手間暇をかけて実施してきたものの簡単には結果に繋がらない状況から、採用活動に苦戦したと感じる企業も多いようだ。インターンシップ未実施企業は3年連続で「マンパワー不足」(59.3%)が最多となった。「社員の協力が得づらい」(33.2%)、「コンテンツ策定に手間が掛かる」(32.6%)と続き、労力面から実施に踏み出せない企業が多い。

2020年卒の外国人留学生の採用状況について

外国人留学生採用実施企業は29.5%に留まる。

これまで専攻と関連しない業務への就業が認められていなかった外国人留学生について、法務省は5月30日、「日本語能力を生かせれば、幅広い業務に就くことを認める」よう、出入国管理法の告示改正を行った。外国人留学生の採用は、若手人材の確保やダイバーシティの推進など、企業の成長に欠かせない条件を満たす重要な一手であり、今後拡大する可能性を秘めている。では、2020年卒採用において外国人留学生の採用はどの程度実施されたのか。今回の調査によると「実施している」は29.5%に留まり、「実施していない」が61.9%と大半を占め、まだまだ未実施企業が多数派だ。実施企業のうち採用予定数の前年度比は、「前年並」(47.1%)が約半数を占めるが、「増やす」(12.6%)が「減らす」(4.7%)を7.9ポイント上回り、増加傾向も見られた。

2021年卒採用の展望について

採用予定数、採用予算ともに「増やす」企業が「減らす」企業を上回る。

2021年卒採用に関するアンケート結果を見ると、各社の採用意欲には一層の高まりが見られる。採用予定数の見通し(前年度比)については、「前年並」が68.3%と過半数を占めるものの、「増やす」(17.8%)が「減らす」(4.1%)を13.7ポイント上回った。弊社調査では、リーマンショックによる影響から脱したこの10年ほどは増加基調が続いており、2021年卒採用でもその流れは継続されそうだ。採用予算(前年度比)についても、「増やす(「101~120%」「121%以上」の合計)」(29.5%)が「減らす(「80~99%」「51~79%」「50%以下」の合計)」(8.8%)を20.7ポイント上回る。新卒採用に重きを置く傾向に大きな変化はなく、超売り手市場とも称される学生優位の状況にますます拍車が掛かりそうである。

インターンシップの実施意欲も旺盛だ。2021年卒学生を主対象とするインターンシップの実施(予定)の有無は、「実施している・実施予定あり」が76.4%と4分の3を超える。前述の2020年卒学生を主対象とするインターンシップ実施企業=67.6%を8.8ポイント上回り、実施企業の増加が見込まれる。実施(予定)時期について最多は「3年生の7~9月」と「3年生の12~1月」で、ともに61.2%で並んだ。「3年生の2月」(53.5%)がそれに続く。参考としてグラフ上では過去2年の調査結果も併記しているが、「3年生の7~9月」が年々上昇していることが読み取れる。これまでは採用活動への導入を意識し、採用広報解禁に近い冬期インターンシップを重視する傾向が見られたが、採用活動の主戦場をインターンシップと位置づけ、3年生の夏休みという早期から攻勢をかけていく企業が増加していると見られる。

2021年卒採用で強化しようと考えていることとして、「インターンシップ」が62.5%で最多となり、この設問からもインターンシップに対する注目度の高さがうかがえる。2番目には「内定者フォロー」(49.7%)が挙げられた。ここ数年、多くの採用担当者を悩ませているのが内定辞退者の続出であり、その防止策にも注力する意向だ。「合同企業セミナー」(42.0%)がそれに次ぎ、リアルな場での接触に力を割く意向の企業も多い。2020年卒学生を主対象とするインターンシップの実施別で見ると、インターンシップを強化する企業はインターンシップ実施企業では75.1%と4分の3に達する。「学生が集まらない」「採用に繋がらない」など苦労も多いが、それでも採用活動の突破口としてインターンシップを強化する意向の企業が多い。未実施企業でも35.9%がインターンシップを強化すると回答。これまでインターンシップ導入に二の足を踏んでいた企業の新規参入が予想される。

2. 大学アンケート結果

2020年卒学生の状況について

内々定状況は「良い」が「悪い」を大幅に上回る。

各大学へ調査した2020年卒学生の内々定状況(前年同時期比)は、「非常に良い~少し良い」が51.5%と、「悪い~少し悪い」(4.2%)を大幅に上回った。学生にとって内々定を得やすい環境が広がったと言える。

ただ、各大学に「2020年卒学生に見られた傾向」を聞くと、数字には表れない課題も見えてくる。「複数内々定を得る学生と、1社も得られない学生の二極化が進んだ」「積極的に動く学生が多い反面、動きの鈍い学生やまだ就職活動をスタートしていない学生もいる」といった声が多く挙げられ、内々定を獲得し就職活動の舞台から下りた学生の裏で、内々定を得られない学生や就職活動に積極的ではない学生が一定数いることがうかがえる。各大学では今後そうした学生のフォローに注力していくことになりそうだ。その他、2020年卒学生の傾向として「インターンシップ参加後、その企業の選考に進み、そのまま内々定を得るケースが増えた。その分、通常のエントリーは減少した」「残業時間や休みがきちんと取れるかといった“働き方”を重視する学生が増えた」「内々定獲得後に迷う学生が増えた」(反対に「内々定獲得後すぐに就活を終える学生が増えた」という声も)といった声が多く挙げられた。

学部1~2年生の状況について

インターンシップ参加を積極的に促進する大学が半数を超える。

2020年卒採用を最後に、経団連は「採用選考に関する指針」の策定を取りやめ、2021年卒採用についてはそれを引き取る形で、政府が「3年生の3月広報解禁、4年生の6月選考解禁」を呼びかけている。一方、それ以降の2022年卒および2023年卒学生(現在の学部2年生・1年生)の就活スケジュールは不透明だ(※)。そこで各大学に、1~2年生に対し積極的にインターンシップ参加を促進しているか聞いたところ、「積極的に促進している」が53.6%と半数を超え、「積極的には促進していない」(30.4%)を23.2ポイント上回った。就職活動を控えた3年生だけでなく、低学年に対しても積極的に参加を促す動きが広がっているようだ。それもあってか、例年と比べた1~2年生の変化を聞くと、「インターンシップに関する問い合わせが増えた」(31.5%)、「インターンシップ参加者が増えた」(30.1%)が上位に挙げられた。インターンシップに対し興味・関心をもち、実際に参加する1~2年生も増えている。一方で「特に変化はない」も31.1%と同程度挙げられ、3分の1ほどの大学では1~2年生に目立った動きは出ていないようだ。


※・・・なお政府は10月30日の「就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議」において、2022年卒学生対象の採用スケジュールについても「3年生の3月広報解禁、4年生の6月選考解禁」を継続し、経済団体・業界団体等に対しこのスケジュールの遵守を要請する旨、結論付けている。

外国人留学生の就職支援の課題について

「日本の就活のルールや選考基準を認知させづらい」が35.3%で最多に。

日本学生支援機構の調査によると、2017年4月1日から2018年3月31日までに卒業・修了した外国人留学生のうち、4年制大学(学部・院)を卒業・修了したのは24,636名。このうち、日本国内の企業に就職したのは8,623名で、国内企業への就職率は35.0%に留まる(出典:独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)「平成29年度外国人留学生進路状況・学位授与状況調査結果」、2019年4月)。もちろん進学したり、帰国したりする外国人留学生もいるが、日本人学生の就職状況と比較すると決して高い数字とは言えないだろう。その要因は何か。各大学に対し外国人留学生の就職支援における課題を聞いたところ、「日本の就活のルールや選考基準を認知させづらい」が35.3%で最多となった。ジョブ型・即戦力採用が一般的な海外の雇用スタイルに対し、メンバーシップ型・新卒一括(ポテンシャル)採用が主流の日本の雇用スタイルは外国人留学生には馴染みがない。就職活動に向け動き出すタイミングや選考方法、アピールすべき内容など、事前に知るべきポイントを認知させるのに苦慮する大学が多いようだ。次いで「留学生の希望に合う求人が少ない」(31.8%)、「募集求人の絶対数が少ない」(24.2%)と、外国人留学生に対する求人の内容(例えば、母国語を活かせる業務に携わりたいが、それができる求人が少ないなど)や数の面でマッチングが図りづらいという課題も多く挙げられた。

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