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学情レポート【COMPASS】2018.11

九州・山口ふるさと若者就職促進事業(九州・山口共同インターンシップ)

九州・山口8県の特選企業インターンシップ実施報告

今年6月、国は地方創生を推進していくための戦略となる「まち・ひと・しごと創生基本方針2018」を閣議決定した。既存の取り組みを加速化するための新たな施策を展開し、地方創生の一層の推進が掲げられている。近年、全国で多様な施策が取り組まれ、地方自治体が主導で人材還流を目指し、東京圏等からのUIJターン就職の促進を行う施策が多く行われている。その一つに九州・山口の8県が取り組む「九州・山口ふるさと若者就職促進事業」があり、平成27年度から取り組みを行っている。

「九州・山口ふるさと若者就職促進事業」は福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、山口県の8県が一体となり、東京圏等の若者人材を対象に、地域へのインターンシップやUIJターン就職イベントを通じて、成長する場・生活する場としての九州・山口の魅力発信と人材還流、地域定着の促進を目的としている。

本事業は株式会社アソウ・ヒューマニーセンターと株式会社学情が九州・山口8県で構成される九州・山口UIJターン若者就職促進協議会から委託を受け、運営事務局として各企画を実施している。

今回の特集では、本事業の一環でこの夏に行われた「九州・山口8県の特選企業インターンシップ(九州・山口共同インターンシップ)」の実施レポートを紹介する。

事業概要、実施報告

九州・山口8県の特選企業インターンシップ(九州・山口共同インターンシップ)

九州・山口8県の特選企業インターンシップ(九州・山口共同インターンシップ)は、東京圏・近畿圏の大学院・大学・短期大学・高等専門学校・専修学校等の学生(2020年以降の卒業予定者)を対象に、約170社の九州・山口8県の企業・団体とのマッチングを図り、7月~9月(夏季休暇期間)で5日間程度のインターンシップを実施する事業である。

将来のキャリアを考えたい、九州・山口地域の魅力を体感したい、今後の就職活動に役立つ経験をしたいといった高い意識を持つ学生からの多数の応募があり、9月末までに東京圏・近畿圏の学生約90名が、インターンシップに参加した。

参加者全体のうち、九州・山口出身者で夏季帰省とあわせて参加する学生(いわゆるUターン・Jターン学生)が約35%だった一方で、地域にこだわらず日本全国広いエリアで色々経験してみたいと考える九州・山口出身者以外の学生(いわゆるIターン学生)が約65%で、九州・山口出身者を上回る結果となった。

インターンシップ参加までの流れ
インターンシップ説明会(個別面談、受入企業紹介)

東京・大阪の2会場で5月からインターンシップ説明会を実施した。参加希望学生を募り、本事業の趣旨及び制度説明、地域インターンシップの理解向上を促す講演、個別カウンセリング及び受入企業紹介を行い、マッチングを行った。希望地域でのインターンシップに参加できるのであれば、受入企業の規模や業種を問わない学生が多かった。Iターン学生の中には就活シーズン突入前に今しかできない経験を積みたいからと、訪れたことのない地域や将来の就職先としてイメージしたことのない業種・仕事内容に敢えてチャレンジしたいという学生も多く見受けられた。

事前研修会

受入が確定した学生を対象に、参加にあたって必要な諸手続きや講習を行う事前研修会を実施。特に学生に好評だった研修は「社会人としての基礎マナー研修」である。挨拶や身だしなみ、基本となるビジネスマナーを事前に学べたことで、自信を持ってインターンシップに参加できると安心したようだ。また同じ志を持つ者同士のつながりを持ちたいと、学生同士の自己紹介や連絡先の交換が積極的に行われていた。

インターンシップ実施

九州・山口8県の受入企業約50社でインターンシップに参加。社会に触れる職場実習や慣れない土地での生活も、受入企業担当者の指導やインターンシップの仲間に助けられ、地域の仕事と生活を体感する濃密な5日間を過ごしたようだ。昨年同様に参加者からは大変満足したという声が多数聞かれた。

 
Case【1】

受入企業名:IMARI株式会社
所在地:佐賀県伊万里市大川内町甲984-3
事業内容:ダンボール・プラスチックダンボールをはじめとした各種梱包資材や緩衝材、液体・固体用真空容器などの開発、製造、販売。


卒業後に佐賀県へのUターンを視野に入れており、地域ならではの仕事について見識を深めたいと当初から考えていた。九州・山口のさまざまな受入企業がある中、ダンボールを使った家具などの企画・制作ができるというインターンシップ内容に関心を持ち、インターンシップの参加を決めた。ダンボールを使った商品企画と試作品の制作が中心ではあったが、「地域の文化や歴史を学ぶ事が、新たな発想につながる」という観点から、実際にインターンシップ先のある伊万里市大川内山にある窯元の視察も行った。視察を通じて、伊万里のものづくりに対する想いを肌で感じる事ができたようで、「5日間の中でダンボールの特徴や商品のブランディングについて学び、それを活かしてアイデアを出す事、形にしていく事がとても楽しかった」と語った。今回の職場実習と生活体験が、地域の仕事と暮らしをより深く理解する為のきっかけになったようだ。

参加学生の声

大学の授業で体験する事がなかった、現場ならではのものづくりの課程を経験できました。自分でアイデアを出して企画したものを、社員の方と協力して造り上げていくことが出来たのはとても有意義でした。(佐賀県出身、千葉県内の大学院1年生)

実習スケジュール例

8:00~10:00 製品に関する座学研修
10:00~12:00 商品企画の立案・プレゼンテーション練習
13:00~14:00 商品企画のプレゼンテーション
14:00~17:00 ダンボール製品の制作実習

Case【2】

受入企業名:株式会社アデリー
所在地:山口県柳井市柳井11171番地1
事業内容:食品、主にスイーツを中心としたギフトメーカー、ギフト卸。東京・大阪の大手企業、百貨店、通販会社等をクライアントとした、商品開発やデザイン、運営・生産管理、商品調達、物流までトータルプロデュース。


「大学3年生の夏期休暇を活用して何か大きなチャレンジをしたい」という志があり、訪れたことのない地域での中長期のインターンシップに参加したいと考えるようになった。「食の総合プロデュース」というキーワードに惹かれ、身近な「食」がどのように流通を経て食卓に届くのかを学びたいと思い、参加を決意した。インターンシップ期間中は、商品開発や企画デザイン、通販から営業に至るまで、さまざまな部署を体験するプログラムが用意されており、本人にとっても内容の濃い5日間になったようだ。商品の撮影現場では、商品がより魅力的に見える構図を求めて何度も撮影を繰り返した。また、通販企画の場面では、よりインパクトのある魅力的なPOP広告にする為に議論を重ねる等、インターンシップ期間中は試行錯誤の連続だった。だからこそ、日々本気になって実習に取り組み、そこから得られた一つ一つの学びが、かけがえのないものになったようだ。

参加学生の声

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初めてのインターンシップだった為、最初は不安感を抱いていましたが、企業の皆さんがとても親切に丁寧に対応してくださったので、落ち着いてインターンシップに臨むことができました。今回の経験は、自分の将来を考える上でとても役に立ちました。
(大阪府出身、兵庫県内の大学3年生)

実習スケジュール例

9:00〜10:00 朝礼、レクリエーション
10:00〜11:00 部署研修(物流部・品質管理部)
11:00〜12:00 部署研修(企画デザイン部・商品開発部)
13:00〜16:00 新商品の企画立案・プレゼン
商品撮影の実習など
16:00〜17:00 振り返り・報告書作成

 

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