年間5回の出展で300人以上着座。対面イベントをさらなる積極活用へ
川崎市役所

川崎市役所

  • 業  種

    官公庁・自治体・学校

  • 事業規模

    1001人~

公務員需要が減退する中、新卒イベントに年間5回参加で300人以上が着座。対面の価値を再認識し、早期や地方への出展を積極展開

  • 課題・ニーズ

    公務員需要の低下により新卒受験者数確保に苦戦。イベント出展を中心に採用広報を強化して幅広い層へのリーチを拡大したい


    特に技術系職種における人手不足が顕著であるため、就業体験等の強化を通じて具体的なイメージを訴求し、技術系人材を確保したい

  • 活用したサービス

    Career Design Forum、転職博、就職博

  • 効果

    学情主催のイベントにて、年間5回の参加で累計300人以上の母集団(ブース着座数)を形成
    公務員需要の低下という全体のトレンドが続く中、直近数年の受験者数および倍率を一定の水準で維持することに成功している

採用成果​

  • 着座数300
  • 年間5回の参加で累計300人以上の母集団形成に成功!

当初抱えていた課題・ニーズについて

川崎市役所は、神奈川県東部に位置する政令指定都市・川崎市の行政全般を担う自治体です。当市の職員規模は約1万9000人と大きな組織基盤を備えており、新卒採用では、例年約250人の採用を予定しています。また、第二新卒をはじめとする若手キャリア層の採用にも注力しています。

 

従来の採用活動では、限られた予算の枠内で、外部の有料媒体としては他社の就職ナビサイト一本に絞り、そこが主催する説明会や各大学での学内説明会への参加をメインとしていました。また、予算をかけずに実施できる独自主催の座談会や現場見学会なども組み合わせながら、求職者との接点を模索していました。

 

しかし近年は、全国的な公務員志望者の減少により新卒受験者数の維持・増加が困難な状況にありました。特に土木や電気などの技術系職種は、民間企業との競争も激化しており、人材確保に苦戦を強いられていました。技術職の人手不足は、新事業の立ち上げ時に人員を割り当てられないといった具体的な影響を及ぼし始めており、組織全体で強い危機感を抱いていました。

 

そんな中、大きな転換点となったのは、2023年に学情の営業担当から提案を受けて出展した横浜での対面イベントです。特定の媒体に依存していたこれまでの状態から視野を広げ、現状を打開するための試験的な取り組みとして出展を決定しました。実際にブースを構えると、公務員への志向性を明確に持つ来場者が非常に多く、1回で50~60人との面談に繋がりました。

 

ターゲット層へダイレクトにアプローチできる手応えを得たことから、対面イベントに継続的に出展する方針とし、新卒向け媒体であるRe就活キャンパスだけでなく、20代の若手キャリア層に強いRe就活への掲載も開始しました。現在は、新卒・既卒の双方に向けた多角的な情報発信を強化しています。

課題の解決に向けた取り組み

①民間の早期化に対抗する新卒向けイベント出展と試験制度改革

民間企業の採用活動早期化が加速する中、当市では早い時期から精力的に動いている学生へアプローチするため、新卒向けのCareer Design Forum(大学3年生向け4月開催イベント)へ出展しています。この対面イベントの場は、民間志望だった学生に当市を新たな選択肢として意識してもらう有効な機会となっています。

 

イベントでは、テレワークの推進や時差勤務、フレックスタイム制度の導入といった柔軟な働き方、職場の風通しの良さを職員が直接説明しています。役所の比較的堅いイメージを覆すことで、学生からの「これほど働きやすくなっているとは思わなかった」という声が増えており、早い段階で接触することに大きな価値を感じています。

 

さらに、Career Design Forumでは初の試みとして、任用課の採用パンフレットだけでなく、川崎港を所管する港湾局の案内や、任用課の管轄外である看護師、教職員向けのパンフレットなどもブースに配置しました。当市にある多様な職種や実際の事業内容を幅広く紹介することで、公務員試験対策を始めていない学生に対しても、選択肢の一つとして強く印象づけることを目指しました。

 

また、当市では公務員試験対策をしていない層を広く取り込むため、試験制度改革にも着手しています。具体的には、行政事務の選考において従来の専門試験からSPI3方式への移行を計画しているほか、技術系職種で採用実績のある「春試験」の枠組みを行政事務職にも拡大する方向で準備を進めています。

②ブース装飾の刷新と初の地方出展による母集団形成

当市は新卒向けイベントのほか、若手キャリア層向けの『転職博』にも出展しており、その双方でブースの発信力強化に注力しています。数多くの出展企業・自治体の中から当市を選んでもらうためには、視覚的なアプローチによる差別化が不可欠です。

 

そのため、当市ではブース装飾の強化に注力し、オリジナルのテーブルクロスやタペストリー型バナースタンドのような展示会用グッズを新調したほか、庁内ポスターを掲示して空間を演出しています。以前は資料を画面に投影してパンフレットを配るだけのスタイルでしたが、ブース全体のビジュアルを華やかに刷新したことで、当市に馴染みのなかった求職者の興味を引きつけられるようになりました。

 

さらに、イベント当日は学情の営業担当による能動的な呼び込みのサポートもあり、出展中も人が途切れない状況を作ることができました。これらの工夫とサポートにより、年間5回の参加で300人以上という安定した着座数を確保でき、多い時には1回のイベントで約100人が着座する成果へとつながっています。

 

こうした集客施策に加え、新たな母集団開拓に向けた広報戦略として、今年は仙台で開催されるイベントへの初出展を決めています。受験者データを分析した結果、宮城エリアや九州地方など遠方からの応募者が一定数いることが分かりました。首都圏以外の求職者には、当市の立地や都市特性といった基本情報から丁寧に伝え、潜在的な受験者との接点をさらに広げていく方針です。

③現場職員の同行と就業体験の強化による技術系人材の確保

民間企業との人材獲得競争が激しい土木や電気などの技術系職種を確保するため、求職者への情報提供の質を強化しています。理系専門の大学や高校から依頼される説明会では、従来の任用課職員のみによる対応を改め、現場で活躍する技術系職員を同行させて業務の魅力を直接伝える体制を整えました。

 

また、毎年1~3月に実施している1日完結型の就業体験イベント「現場見学会」の内容も拡充しています。トンネル工事の現場やごみ焼却炉、下水道処理センターなどを見学ルートに組み込み、政令指定都市ならではの業務のスケール感を体感できるプログラムを構築しました。案内役には参加者と年齢の近い20代の若手職員を配置し、実体験を交えて疑問や不安に答える対応をしています。

 

こうした取り組みにより、受験予定者と職員が直接関わる機会を増やしたことで、入庁後の働く姿を具体的にイメージできる環境を整えました。実際に選考へ進んだ受験者からも、「職員の雰囲気が良く、親身に対応してくれたことが受験の決め手になった」という声が多く寄せられており、若手職員の存在が志望度を引き上げる要因となっています。

学情の営業担当・サービスに対する評価について

①営業担当に対する評価

手厚いサポートに対して、任用課内では「大満足」との評価で一致しています。特に大きなメリットとなっているのが、イベント当日の現場における能動的な動きです。営業担当が自ら会場内で積極的に声をかけ、新卒学生や若手キャリア層を当市のブースへと誘導してくれるため、来場者が途切れない状況を作れました。

 

また、他自治体の採用手法やトレンドを的確に共有していただける点も非常にありがたいと感じています。現在注力しているブース装飾も、現場で営業担当から受けたアドバイスがきっかけとなって始めたものであり、状況に即した実践的な提案をしてくれる心強い存在です。

②サービスに対する評価

学情のサービスを利用して実感しているのは、来場する求職者の年齢層が、当市の採用対象である若い世代に的確に合致している点です。新卒や第二新卒をはじめとする若手層が非常に多く、全員が選考の対象となるため、効率的なアプローチが可能です。

 

また、イベント会場全体に活気があり、求職者がブースに立ち寄りやすい雰囲気が作られている点も大きな特徴です。さらに、会場の運営スタッフも一体となって呼び込みをサポートしてくれるなど手厚いバックアップがあるため、当市の職員は集客に奔走することなく、着席してくれた求職者との対話に専念できます。対話を通じて当市の魅力を直接伝えることができており、非常に高い効果を実感しています。

今後の展望

現在、全国的に公務員志望者が減少する傾向にありますが、当市の大卒行政事務職における受験者数や倍率は一定水準を維持できています。全体の減少傾向に歯止めをかけられている大きな要因の一つが、学情のイベントをはじめとする対面イベントへの継続的な出展です。

 

対面イベントの場は、職員が求職者と直接向き合い、当市のリアルな職場環境や組織の魅力を生の声で伝えられる貴重な機会となっています。実際にイベントを通じて「役所のイメージが変わった」という確かな手応えを得られており、求職者と直接対話できる場には大きな価値があると実感しています。

 

今後はさらに一歩踏み込み、当市ならではの魅力や働きやすさを広く打ち出していく必要があります。発信の手を緩めることなく今後も新卒・第二新卒採用の、双方に向けたイベント出展を継続し、深刻化する人手不足の解消に向けた確実な人材確保につなげていきます。

※記事内容は取材当時のものです(2026年5月)

川崎市役所
  • 会社名

    川崎市役所

  • 事業内容

    神奈川県川崎市の行政サービス全般を担う政令指定都市の自治体

  • 所在地

    神奈川県川崎市川崎区宮本町1番地

  • HP

    https://www.city.kawasaki.jp/