企業の動向

 2023年卒学生に対する冬季インターンシップが本格実施されているが、集客に苦戦する企業も目立つ。夏季インターンシップ参加企業が実施する早期選考に進む学生が徐々に増え、新たな企業への応募には積極的ではない傾向が見られる。実際、弊社が実施している「内々定率調査」では、1月末時点での内々定率は19.4%と昨年同時期の14.7%を4.7ポイント上回り、早期の内々定出しが進んでいる。ある中堅機械メーカーでは、対象となる理系学生の冬季インターンシップ参加が想定の3分の1にも満たず、3月以降の採用活動計画の見直しを求められている。

 就職活動の早期化は2023年卒学生(3年生)に限ったことではない。弊社が2月1日に開催した業界研究イベント「就職博 就活準備編」では、来場学生のうち約10%が1・2年生であった。そうした状況を前に、ある大手食品メーカーは自社の認知度を向上させるため、弊社が2月4日に開催した1・2年生対象の「Web合同説明会」に参加。約400名が視聴し、「想定以上の視聴があって驚いた」と感想を寄せた。

 一方、4月の入社式が目前に迫る中、2022年卒採用では年末年始での内定辞退が相次ぎ、追加募集を余儀なくされる企業が急増している。ある準大手設備管理会社では50名の採用を予定していたが、内定辞退もあり約10名足りない状況に。急遽年末から既卒・第二新卒採用に着手し、結果、当初の採用目標数を充足できる見込みになったという。

 早期化や長期化など、就職・採用環境の変化が著しい現在。これまでの採用手法を一から見直すタイミングになってきていると言えそうだ。
(企画営業本部 日比 貴雄)


学生の動向および学生を取り巻く就職環境について

 2022年卒学生の状況を各大学に聞くと、内定率は概ね80~90%。昨年同時期を上回ってはいるが、コロナ以前の年には届いていないという声も多い。各大学では進路未決定の学生に接触を試みているが、コロナ禍で状況把握が進まないのが課題だという。一方で卒業の目途が立ち、4月入社に向け動き始める様子も一定数見られている。

 2023年卒学生の動きは1月に入り活発化している。直接企業担当者と接する機会が少ないためか、「対面ニーズ」も高まっており、1月15日に東京で開催された業界研究イベント「就職博 就活準備編」には昨年同時期の約3倍となる1,414名が来場した。このうち、初めて合同企業セミナーに参加した学生は約4割に上る。3月の採用広報解禁が近づき、これまで活動してこなかった学生もようやく動き始めたようだ。大学キャリアセンターへの相談件数も1月中頃から増え始めているという。さらに「早い学生に関しては、年末には書類選考や面接の相談が、年明けには内々定報告があった」といった話も聞かれる。例年にも増して多様な業界から内々定が出ているようで、企業の採用意欲の高まりもうかがえる。

 さらに一部の大学では低学年(大学1・2年生)のキャリア支援を強化する動きが広がっている。就職ガイダンスの前倒し実施、3年生対象の業界研究会に低学年も参加させる、低学年対象のOB・OG交流会の実施など、早いうちに業界・仕事理解を深めてもらう狙いだ。特に3年次の夏季インターンシップに積極的に参加した学生は結果的に納得のいく就職活動をするケースが多く、そうした行動を促す意味でも、低学年向けのキャリア支援はますます広がっていきそうだ。
(学校企画部 菅原 宏明)