企業の動向

 2022年卒採用を振り返ると、企業の課題として特に耳にするのが「内定辞退率の増加」である。不動産業界のある企業では、例年でも内定辞退率は50%程と少なくないが、今年は約70%とさらに上昇したという。従来は対面形式で実施していた企業セミナーをオンラインのみに切り替え、選考回数も通常の3回から1回に減らしたことで、学生の志望度を高めることが難しく他社に内定者が流れたと分析している。こうした企業は少なくないだろう。今だ2022年卒採用を継続する企業も多く、長期戦を余儀なくされている。

 一方で2023年卒学生対象の採用活動にも拍車が掛かっている。新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着きつつある中、オンラインはもとより、訪問形式のインターンシップを再開させる動きも広がっている。さらにそのまま選考、内々定出しへと繋げる動きも見られ、弊社の調査では11月末時点の内々定率は6.2%。前年同時期の4.0%を2.2ポイント上回った。また、弊社が主催する1~2月の就活準備イベント「就職博 就活準備編」や3月以降に開催される「就職博」では既に出展上限数に達する回も出てきており、採用意欲の高さが顕著だ。ある住宅関連企業では、これまで制限のあった人事担当者の出張を解禁し、全国規模で学生との接触を増やしていくという。その足掛かりとして、対面型の合同企業セミナーで学生と接点を持ち、その後はオンラインを中心に選考やフォローを続け、母集団形成の強化とともに早期の採用活動終了を目指す意向だ。その後の内定辞退の防止という観点からも、ハイブリット型の手法が採用成功の鍵となりそうだ。 (企画営業部 今泉 佑太)


学生の動向および学生を取り巻く就職環境について

 2022卒学生の状況について各大学に話を聞くと、キャリアセンターに寄せられる相談は減少傾向にある。もっとも「電話やメールでコンタクトを取ろうとしても繋がらない学生も多く、状況が掴めない」というのが実情だ。文部科学省・厚生労働省が発表した10月1日時点の就職内定率は71.2%。コロナ以前となる2年前の同時期と比べると5.6ポイント下回っており、就職先の決定に至っていない学生もまだまだいる状況だ。そうした状況を踏まえ、弊社では10月までを予定していた合同企業セミナー「就職博」を、11~12月にも追加で開催。東京・名古屋・大阪・京都の4地区で延べ約1,300名の学生が来場した。

 2023年卒学生については、各大学で後期就職ガイダンスや複数の企業を誘致しての業界研究会などが実施されているが、盛況であった前期までとは打って変わり、後期からはどの大学でも参加状況が芳しくないという。理由は様々であろうが、「夏季インターンシップへの参加を通して『やることはやった』という達成感や満足感から動きが止まっているのでは」と分析する大学が多い。インターンシップも授業もリモート参加が主流になり、直接企業担当者と触れ合う機会が減っていることから、「対面慣れ」の不足が懸念される。12月に東京で開催された業界研究イベント「インターンシップ博」で実施された種々の講座のうち、最も人気の高かったテーマが「面接対策」である。受講者の3分の2は面接経験者であったが、そのほとんどはオンライン面接であり、対面式の面接経験者は僅かであった。学生自身も「対面慣れ」の不足を少なからず危惧しており、いずれ訪れるであろう対面式の面接に備え、この講座の人気が高かったようだ。 (学校企画部 巽 浩一)