

従来の新卒採用では、就職情報サイト(ナビサイト)を中心とした採用活動が主流でした。しかし、売り手市場が続き、学生からの応募を待つ採用だけでは、人材の獲得が難しくなっています。
新卒採用を成功させるには、自社の課題に適した採用媒体を選び、効果的に運用することが重要です。
本記事では、新卒採用における主要7媒体の特徴や、採用課題ごとの媒体の選び方、選ぶ際のポイントなどについて詳しく解説します。
新卒採用媒体の比較一覧
新卒採用では、就職情報サイトを中心に採用活動を進めるのが一般的です。就職情報サイトは多様な種類があり、それぞれ特色が異なります。
新卒採用で人気の就職情報サイトを一覧でご紹介します。
料金(通年) | ターゲット層 | 採用の姿勢 | 採用イベント | 特徴 | |
Re就活キャンパス(旧あさがくナビ) | ◯ 80万円〜 |
特化型 | 攻めの採用 | ◎ 大規模から中小規模のイベントまで多数開催 |
日本最大級のダイレクトリクルーティング型就職サイト |
マイナビ | ◯ 80万円〜 |
総合型 | 待ちの採用 | ◎ 幅広いイベントを網羅 |
登録学生数、掲載社数ともに日本最大級 |
リクナビ | △ 120万円〜 |
総合型 | 待ちの採用 | ◎ 幅広いイベントを網羅 |
登録学生数、掲載社数ともに日本最大級 |
キャリタス就活 | ◯ 50万円〜 |
総合型 | 待ちの採用 | ◎ 幅広いイベントを網羅 |
大学との連携が強い |
ONE CAREER | ◎ 40万円〜 ※初期費用30万円+月額10万円 |
特化型 | 攻めの採用 | ◯ 特化型イベントを多数開催 |
学生の選考体験談が豊富 |
チアキャリア | ◎ 30万円〜 |
特化型 | 攻めの採用 | ◯ 中小規模のイベントを多数開催 |
ベンチャー・成長企業に特化 |
ダイヤモンド就活ナビ | ー 非公開 |
総合型 | 待ちの採用 | ◯ 中小規模のイベントを多数開催 |
採用ディスクロージャーを重視したサイト設計 |
新卒採用|主要7媒体の特徴

新卒採用を成功させるには、自社の採用戦略に適した媒体を選ぶことが重要です。多様な就職情報サイトが存在するなかで、自社に最適な媒体を見つけるのは容易ではありません。
主要な新卒採用媒体6つを厳選し、それぞれの独自の特色とメリットを分かりやすく紹介します。自社の採用ターゲットに響く媒体を見つけ、効果的な採用活動につなげましょう。
Re就活キャンパス(旧あさがくナビ)
Re就活キャンパス(旧あさがくナビ)は、会員数60万人を誇るスカウト型新卒就職サイトです。企業からのスカウトと学生からの逆オファーで効率的な母集団形成を可能にします。
これまで卒業年度ごとに分かれていたサービスは、全学年対象の「通年採用型サービス」としてリニューアルされました。これにより、一つのサービスで多様な学生にアプローチできます。
加えて、Re就活キャンパスでは「就職博」といった合同企業セミナーや、少人数制の「就活サポートmeeting」など、連携イベントを複数開催しています。さらに、各種オンラインイベントも充実しており、全国の学生にアプローチすることが可能です。
専任の担当者が求人掲載から運用、改善提案まで幅広い支援を受けられるため、採用活動に不慣れな企業やリソースが限られた企業も安心して利用できるでしょう。
【料金】80万円〜
【こんな企業におすすめ】
- キャリア志向の強い学生を採用したい企業
- 企業認知度や母集団形成に課題を抱えている企業
- マッチング精度の高い採用を目指している企業
- 新卒採用のノウハウに不安を感じている企業
Re就活キャンパス(旧あさがくナビ)の詳細についてはこちらをご覧ください。
マイナビ
マイナビは日本最大級の新卒採用サイトです。圧倒的な学生登録者数を誇り、膨大な母集団形成を強みとしています。
全国各地で「マイナビ就職EXPO」をはじめとする大規模な合同企業セミナーを多数開催しているほか、業界別イベントやインターンシップイベントなど、種類も豊富です。
加えて、体育会系学生向けの「体育会系ナビ」や障がいのある学生に特化した「チャレンジドサイト」といった特設サイトも設けており、企業の多様な採用ニーズに対応しています。
【料金】80万円〜
【こんな企業におすすめ】
- 幅広い層から大規模な母集団を形成したい企業
- 企業ブランディングを強化したい企業
- 幅広い採用ニーズを持つ企業
リクナビ
マイナビと並び、日本最大級の学生登録者数と掲載社数を誇る新卒採用サイトです。
2027年卒以降は、企業単位ではなく仕事や職種に焦点を当てたコース単位で求人情報が掲載されるようになります。これにより、学生は具体的な仕事内容をイメージしやすくなり、採用のミスマッチの軽減が期待できるでしょう。
さらに、料金形態も「掲載課金型」から「クリック課金型」に変更されます。掲載料がかからないため、無駄なコストを削減することが可能です。
【料金】120万円〜
【こんな企業におすすめ】
- 大規模な母集団形成をしたい企業
- 多様な人材を採用したい企業
- 無駄なコストを削減したい企業
キャリタス就活
キャリタス就活は、大手企業や有名企業が多く掲載されているため、企業のブランド力を重視する学生や、大手企業への就職を目指す学生が集まりやすい傾向にあります。
学生と企業が互いに興味を示せる独自機能「気になる」では、これを送ることで学生の興味を引き出し、新たな接点を生み出すことが可能です。
さらに、全国の学校に採用関連情報を配信できる「キャリタスUC」を活用し、学校を絞り込んで情報を提供することで、マッチング精度の高い採用が期待できるでしょう。
【料金】50万円〜
【こんな企業におすすめ】
- 学生との交流を通じて、志望度を高めたい企業
- 大学との連携を活かして学生にアプローチしたい企業
- 便利な採用ツールを活用し、採用活動の効率化を図りたい企業
ONE CAREER
ONE CAREERの最大の特徴は、豊富な選考体験談と企業口コミです。学生が投稿したインターンシップや選考のリアルな情報を通じ、企業の内情や選考プロセスを深く理解できます。
また、企業向けには、学生の口コミデータや行動データを活用し、動向を可視化できる「ワンキャリアクラウド」を提供しています。
これを活用すれば、データに基づいた戦略的な採用活動が可能となるだけでなく、企業の採用ブランディングの構築にもつながるでしょう。
【料金】40万円〜 ※初期費用30万円+月額10万円
【こんな企業におすすめ】
- データに基づいた戦略的な採用活動を行いたい企業
- 採用ブランディングの構築を目指している企業
- 難関大学層・キャリア志向の高い学生を採用したい企業
チアキャリア
チアキャリアは、ベンチャー・成長企業に特化した新卒採用サイトで、成長意欲の高い学生が多く登録しているのが特徴です。GMARCHや関関同立以上の大学に所属する学生も多く、キャリア意識の高い母集団形成が期待できます。
また、ダイレクトリクルーティングサイトでもあるため、自社の採用要件に合う人材を抽出し、スカウトメールを配信することが可能です。
掲載料は他媒体と比べて非常に安価で、最も安いプランなら年間10万円で利用できます。ただし、スカウト機能を使う場合は、ベーシックプラン以上の契約が必要となるので注意しましょう。
【料金】30万円〜
【こんな企業におすすめ】
- 成長意欲の高い学生を採用したい企業
- 自社の熱意に共感する学生を採用したい企業
- 採用コストを削減したい企業
ダイヤモンド就活ナビ
ダイヤモンド就活ナビは、採用ディスクロージャーを重視しているのが大きな特徴です。採用ディスクロージャーとは、選考プロセスや報酬・待遇、働き方支援など、企業の詳細情報を求職者へ積極的に開示することです。
採用ディスクロージャーの回答数が多い企業は、サイトの全国トップページに優先的に表示される仕組みになっており、企業と学生のミスマッチ防止につながります。
さらに、地方企業の求人情報も充実しており、U・Iターン就職を希望する学生の登録が多いのも特徴です。地域密着型の採用を目指す企業であれば、採用ターゲットに効率的にアプローチできるでしょう。
【料金】非公開
【こんな企業におすすめ】
- 入社後のギャップやミスマッチを防ぎたい企業
- 自社の魅力や強みをアピールしたい企業
- 地方での採用を強化したい企業
【採用課題別】新卒採用媒体のおすすめの選び方
新卒採用媒体は多くあるため、どれを選ぶか迷ってしまうこともあるでしょう。採用活動を成功させるためにおすすめなのは、採用課題に合わせた選び方です。採用課題と媒体の特徴や強みが合致していないと、期待する効果が得られないかもしれません。
採用課題別に、新卒採用媒体の選び方について解説します。採用課題解決に向けた媒体選びのヒントとして、ぜひご活用ください。
質の高い母集団形成ができない
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質の高い母集団を形成できない要因の一つに、企業の魅力が学生に十分に伝わっていないことが挙げられます。
従来の「待ちの採用」では、知名度の低い企業は学生の目に留まりにくく、応募に至らないケースも少なくありません。特に中小企業は学生の認知度が低いため、優秀な人材が競合他社に流れてしまう傾向が見られます。
こうした状況では、自社の強みや独自性を効果的に発信することが非常に大切です。ダイレクトリクルーティングサイト「Re就活キャンパス(旧あさがくナビ)」なら、スカウトメールを活用して求める人材に自社の魅力を直接アピールできます。
求める人材とのミスマッチが多い
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採用におけるミスマッチは、企業と学生の間で「期待と現実のギャップ」が生じることで起こります。これを減らすには、採用ターゲットに適切な情報を届けることが重要です。
「Re就活キャンパス(旧あさがくナビ)」のスカウト機能を使えば、学生のプロフィールを詳細に検索し、自社の採用要件にマッチする学生へ直接スカウトメールを送れます。
これにより、母集団形成の段階で既に一定のスクリーニングが行われるため、ミスマッチのリスクを低減できるでしょう。
さらに、学生一人ひとりに合わせたメッセージを送ることで、企業のビジョンや仕事のやりがい、職場の雰囲気など、求人情報だけでは伝わりにくい魅力を効率的にアピールすることが可能です。
採用コストを削減したい
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経団連が定める就活ルールのように短期間で大量採用を目指すスケジュールでは、特定の時期に広告費やイベント参加費が集中し、大きなコストがかかる傾向があります。採用コストを抑えるには、通年採用でコストを分散させるのも一つの方法です。
通年採用では卒業時期に関わらず、既卒者や留学生、第二新卒も対象に含められます。また、インターンシップ経由での採用を強化すれば、採用単価の削減にもつながるでしょう。
インターンシップなどを通じて学生の適性やカルチャーフィットを見極めることで、マッチング精度の高い採用が期待できます。結果として、さらなる採用単価の削減が見込めます。
通年採用を支援するため、「Re就活キャンパス(旧あさがくナビ)」は通年採用型サービスへリニューアルしました。これにより、一つのサービスで全学年を対象にアプローチできるようになっています。
新卒採用のノウハウやマンパワーが不足している
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新卒採用を成功させるには、ノウハウに基づく採用戦略と丁寧なフォローが重要です。ノウハウやマンパワーが不足している場合は、サポート体制や機能性に優れた媒体を選びましょう。
「Re就活キャンパス(旧あさがくナビ)」は、すべての企業にカスタマーサクセスがつき、求人広告のディレクションから運用、効果改善まで、企業の採用活動をトータルサポートします。そのため、初めてダイレクトリクルーティングに挑戦する企業でも安心して利用できます。
また、機能面ではダイレクトリクルーティング機能やオンライン採用ツールなど、マンパワー不足を補う機能が豊富で、業務負担の軽減も可能です。
新卒採用媒体を選ぶポイント

求職者のニーズが多様化し、新卒採用媒体もさまざまな進化を遂げています。媒体によって特色が異なり、どれを選ぶべきか悩んでいる方もいるでしょう。
採用媒体を選ぶ際に考慮すべきポイントを詳しく解説します。自社の採用戦略に適した媒体を選ぶ際の参考にしてください。
採用ターゲットと登録者層がマッチした媒体を選ぶ
就職情報サイトは、幅広い業種・職種の求人を取り扱う「総合型」と、特定の業種・職種、地域などに特化した「特化型」の2種類あります。
それぞれのメリット・デメリットは次の通りです。
メリット | デメリット | |
総合型 |
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特化型 |
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総合型就職情報サイトの最大の特徴は、登録者数が多く、幅広い学生にアプローチできる点です。しかし、競合も多いため、上位プランやオプションを活用して露出度を高めなければ、自社の求人情報が埋もれてしまうリスクがあります。
一方、特化型サイトは総合型より登録者数は少ないものの、自社の採用ターゲットに合った学生が多いため、マッチング精度の高い出会いが期待できます。自社の採用戦略と媒体の特性がマッチすれば、採用活動を効率的に進められるでしょう。
「攻めの採用」に対応した媒体を選ぶ
売り手市場が続き、人材獲得競争が激化しています。従来の採用手法だけでは、採用要件に適した人材を採用するのが難しくなってきました。
そのなかで、企業が求職者に対して能動的に働きかける「攻めの採用」に注目が集まっています。
ダイレクトリクルーティングは「攻めの採用」を代表する手法の一つです。たとえば「Re就活キャンパス(旧あさがくナビ)」は、多角的な条件による人材抽出や、動画付きスカウトメール「JobTubeスカウト」といった機能で、採用ターゲットへ効率よくアプローチできます。
企業の魅力や強みをダイレクトに届けられるため、マッチング精度の高い出会いが期待できるでしょう。
費用対効果の高い媒体を選ぶ
費用対効果の高い媒体を選ぶには、単に掲載料が安いかどうかだけでなく、自社の採用課題と媒体の特性が合致しているかを分析することが重要です。
登録者数が多く知名度の高い大手就職情報サイトは、多くの求職者にアプローチできる一方で、自社の情報が埋もれてしまう可能性があります。そのため、露出度を高めるには上位プランやオプションの活用が必須となり、結果的に採用コストが高くなりやすい点に注意が必要です。
また、掲載料が安くても採用ターゲットとマッチしない就職情報サイトでは、掲載期間が長引き、掲載料や人件費がかさんでしまうことも考えられます。
採用活動を効率的に進めるには、特化型の就職情報サイトやダイレクトリクルーティングを活用するのも一つの方法です。採用ターゲットを絞り込むことで、採用活動を効率的に進められ、費用対効果を高められます。
サポート体制が充実している媒体を選ぶ
新卒採用のノウハウやマンパワーが不足している場合は、サポート体制が整っている媒体を選びましょう。
新卒採用は毎年トレンドが変化するため、情報収集とアップデートが採用成功の鍵となります。
サポート体制が充実している媒体であれば、就職情報サイトやシステムの使い方だけでなく、採用戦略や活動全体について専門的なアドバイスを受けられるでしょう。
採用媒体を選ぶ際は、媒体の特性や利便性に加え、サポート体制や企業担当者との相性も非常に重要です。
新卒採用媒体なら、Re就活キャンパスがおすすめ
新卒採用を成功させるには、自社の採用課題に最適な媒体選びが不可欠です。本記事では、主要な新卒採用媒体を比較し、それぞれの特徴や料金について解説しました。
「Re就活キャンパス(旧あさがくナビ)」は全学年を対象にしたスカウト型新卒就職サイトです。これまで「卒業年度」ごとに分かれていたサービスを統合し、インターンシップと採用のシームレスな連携が可能になりました。
新卒採用媒体の選定にお困りの方は、株式会社学情へご相談ください。貴社の採用課題に合わせて、最適な戦略をご提案し、採用成功をサポートします。

株式会社学情 エグゼクティブアドバイザー(元・朝日新聞社 あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)編集長)
1986年早稲田大学政治経済学部卒、朝日新聞社入社。政治部記者や採用担当部長などを経て、「あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)」編集長を10年間務める。「就活ニュースペーパーby朝日新聞」で発信したニュース解説や就活コラムは1000本超、「人事のホンネ」などでインタビューした人気企業はのべ130社にのぼる。2023年6月から現職。大学などでの講義・講演多数。YouTube「あさがくナビ就活チャンネル」にも多数出演。国家資格・キャリアコンサルタント。著書に『最強の業界・企業研究ナビ』(朝日新聞出版)。