

営業職は幅広い業界で求められており、人材獲得競争が激しい職種です。本記事では、営業職の採用が難しい理由や採用成功のコツについて詳しく解説します。営業職採用に適した対策を講じ、採用要件に適した人材を採用しましょう。
営業職の採用が難しい理由
営業職の採用が難しい理由は、次の通りです。
- 有効求人倍率が高い
- 営業職にネガティブなイメージがある
- 即戦力人材が少ない
採用が難しい理由には、営業職ならではの要素が含まれています。採用が困難な原因を把握し、今後の採用活動に活かしましょう。
有効求人倍率が高い
近年、有効求人倍率が高く、売り手市場が続いています。
令和6年8月の有効求人倍率は1.24倍、新規有効求人倍率は2.22倍でした。さらに、営業職に限定すると、有効求人倍率が2.18倍、新規有効求人倍率は3.75倍と全体の平均よりも倍率が高く、人材の獲得競争が激しいことが分かります。
※参考:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和6年9月分)」
営業職にネガティブなイメージがある
求職者のなかには、営業職に対してネガティブなイメージを抱いている方も少なからずいます。
たとえば「ノルマが厳しそう」「残業が多そう」などのイメージが先行してしまい、採用が難しくなっているケースは珍しくありません。
実際には、労働環境の改善に取り組んでいる企業も多く、求職者のイメージと実情の乖離が、採用の難しさの一因です。
即戦力人材が少ない
営業職を求める企業が多いため、即戦力を採用するのは非常に難しい状況です。
優秀な人材は、ヘッドハンティングされるケースが多い傾向にあります。また、優れた人材は、現職で好待遇を受けており、転職に前向きでないことも少なくありません。
営業職の即戦力を採用するには、時間と費用がかかることをおさえておいた方が良いでしょう。
営業職採用を成功させるポイント

営業職を採用するのは難しいですが、採用できないわけではありません。営業職採用を成功させるポイントをおさえれば、採用活動を効率的に進められます。
活躍している社員を参考に採用要件を設定する
採用要件を設定する際は、実際に自社で活躍している社員を参考にしましょう。
営業職は能力やスキルだけでなく、人柄や雰囲気も評価対象のひとつです。とくにポテンシャル採用では、人柄や価値観などのパーソナリティに関する部分を重視する傾向があります。
活躍している社員を参考にする際は、社員インタビューを実施することで、人柄や価値観などがイメージしやすくなります。
自社にあった採用媒体を活用する
営業職の求人広告は、他の職種と比べて案件数が多く、情報が埋もれがちです。とくに、幅広い求人情報を取り扱う総合型の求人サイトは、掲載企業数が多いので求人情報が求職者に届かない可能性があります。
採用ターゲットによっては、特化型の求人サイトや人材紹介などを活用した方が、採用活動を効率的に進められるでしょう。
ダイレクトリクルーティングを活用する
採用要件に適した人材の採用には、ダイレクトリクルーティングも有効です。
ダイレクトリクルーティングとは、企業が求職者に直接アプローチできる採用手法です。自社の採用要件に適した人材を検索してスカウトするため、マッチング精度の高い採用が期待できます。
20代専門転職サイト「Re就活」では、動画を使ったスカウトメール「JobTubeスカウト」を送ることができます。動画を活用することで、企業の魅力を視覚的に伝えられ、求職者に興味を持ってもらいやすくなるでしょう。
求人情報を充実させる
求人情報は、求職者が働くイメージを持てるように内容を充実させることが大切です。
求人情報には、次のような情報を記載するのも良いでしょう。
- 取り扱う商材
- 契約までの流れ
- 1日の訪問件数(アポイント数)
- キャリアパス
- 企業文化
- 企業の魅力や強み
文章だけでなく、写真や動画などを使って会社の強みや魅力をアピールするのも効果的です。
カジュアル面談を実施する
企業と求職者のマッチング精度を高めるには、カジュアル面談を実施するのもおすすめです。
カジュアル面談とは、選考前に企業と求職者がリラックスしながら対話し、お互いの知りたい情報を交換する機会です。選考の合否を出さないため、お互いに知りたいことを気軽に聞くことができます。
カジュアル面談を実施することで、相互理解が深まり、ミスマッチの防止や志望度の向上が期待できます。
採用の間口を広げる
採用が難しい場合は、採用の間口を広げるのもひとつの方法です。
営業職は実績やスキル以外に人柄や価値観も重要なため、ポテンシャル採用を行い、将来の幹部候補となり得る人材を採用する選択肢もあります。
ポテンシャル採用を目指すなら、20代専門転職サイト「Re就活」がおすすめです。会員の93.3%が20代であり、働く意欲の高い求職者が多く登録しています。
営業職の採用要件を決める方法
マッチング精度の高い採用活動を行うには、採用要件を明確にすることが重要です。営業職の採用要件を決める方法について、順を追って解説していきます。
1.必要条件をヒアリングする
採用したい部署に必須条件をヒアリングします。
ここで確認しておくべき項目は、次の通りです。
- 採用人数
- 求める能力やスキル
- 求める性格、価値観
- 採用によって解決したい課題
- 仕事内容
- 教育や研修体制
現場が求める人物像と、採用担当者のイメージに齟齬がないよう、細かくヒアリングしましょう。
2.採用ペルソナを設定する
現場にヒアリングした内容をもとに、採用ペルソナを設定します。
採用ペルソナとは、求める人物像を具体的にイメージしたものです。能力やスキルだけでなく、性格や価値観などパーソナリティに関する項目も設定してください。
採用ペルソナを設定することで、求める人物像がより具体的にイメージしやすくなります。
3.評価項目を設定する
選考の際に求職者を評価する基準を設定します。
評価項目を設定することで、誰が面接官になっても公平に評価できるようになるためです。
評価項目を設定する際は、求める条件の優先度をMUST(必須条件)、WANT(希望条件)、NEGATIVE(不要条件)の3つに分類しましょう。最初から厳しく設定すると、採用に必要な母集団形成が難しくなるので注意が必要です。
4.採用要件を共有する
採用ペルソナや評価項目は、現場の社員や経営層とも共有しましょう。情報を共有することで、採用ターゲットや評価に一貫性を持たせられます。
認識に一貫性がないと、人によって求める人物像や評価に差が生じてしまい、ミスマッチを誘発するリスクが高まります。企業と求職者のマッチング精度を向上させるには、採用に関わる人物が共通認識を持って選考に臨むことが大切です。
営業職の採用面接で質問するべきポイント

採用要件に適した人材であるか見極めるのは簡単ではありません。とくに営業職のスキルは数値化できないものも多いため、採用面接で見極める必要があります。
転職理由
定着できる人材かを見極めるには、転職理由について質問しましょう。
前職の勤務期間が短くても、転職理由が前向きな人は、入社後の活躍が期待できます。反対に、実績や経験があっても不平不満が多かったり、他人の責任にしたりする人は、定着しにくい可能性があるので注意が必要です。
求職者の強み
営業職に向いている人材であれば、自分の強みを理解して、相手に伝えられるはずです。
求職者の強みを質問することで、営業職としての素養やコミュニケーション力を評価します。華やかな実績だけでなく、ポテンシャルや素養を見て判断することが、将来性の高い人材の採用につながるのです。
将来のキャリアプラン
長期的に活躍できる人材であるかを見極めるには、どのようなキャリアプランを思い描いているかを質問しましょう。
立派なキャリアプランを持っていても、自社で実現できないことや、方向性が異なるものであれば、長期的に活躍するのは難しいからです。
お互いの将来像にミスマッチがないよう、面接時にキャリアプランを確認することが大切です。
20代営業職の採用媒体は「Re就活」がおすすめ!
営業職の有効求人倍率は、全体の平均値よりも高く、人材獲得競争が激化しています。売り手市場が続くなか、営業職の採用を成功させるには、ダイレクトリクルーティングを活用したり、採用の間口を広げたりするなどの対策が必要です。
20代専門転職サイト「Re就活」には、高いポテンシャルを持つ20代の求職者が多く登録しています。採用要件に適した求職者に直接アプローチできるため、マッチング精度の高い採用が期待できます。
営業職の採用にお困りの方は、株式会社学情へお問い合わせください。

株式会社学情 エグゼクティブアドバイザー(元・朝日新聞社 あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)編集長)
1986年早稲田大学政治経済学部卒、朝日新聞社入社。政治部記者や採用担当部長などを経て、「あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)」編集長を10年間務める。「就活ニュースペーパーby朝日新聞」で発信したニュース解説や就活コラムは1000本超、「人事のホンネ」などでインタビューした人気企業はのべ130社にのぼる。2023年6月から現職。大学などでの講義・講演多数。YouTube「あさがくナビ就活チャンネル」にも多数出演。国家資格・キャリアコンサルタント。著書に『最強の業界・企業研究ナビ』(朝日新聞出版)。