キャリアセンター訪問

包括的キャリア形成支援システムを軸に、
「世界を結び、地域に貢献する人材」を育成。

愛知大学 キャリア支援センター 名古屋キャリア支援課 課長 山本康生さん
愛知大学
愛知大学の前身である東亜同文書院(後に大学)は、アジア随一の国際都市であり、当時の文化や流行の発信地でもあった上海に1901(明治34)年に設置され、日本の海外高等教育機関として最も古い歴史を持っています。その後日本の敗戦によって半世紀にわたる歴史に幕を下ろしたのですが、その際、最後の学長を務めた本間喜一の呼びかけによって東亜同文書院大学に縁を持つ多くの教職員・学生が集まり、1946(昭和21)年に中部地区唯一の旧制法文系大学として愛知大学が誕生することになりました。
「世界文化と平和への貢献」「国際的教養と視野をもった人材の育成」「地域社会への貢献」を建学の精神とし、発展を続けてきた同校は、これまでに14万人を超える卒業生を輩出しており、企業、官公庁、芸術文化、スポーツ等あらゆる分野で活躍しています。また、それぞれ特色のある3つのキャンパスを有しており、創立の地である豊橋キャンパスは東三河の中核都市である豊橋市、名古屋キャンパスは名古屋市が国際歓迎・交流拠点と位置付けて開発した“ささしまライブ”内、車道キャンパスは高度専門職業人育成(法科大学院)として名古屋市東区に立地し、約10,000名が同校の特色である社会参加型学習や国際教育プログラム等を通じて、世界と地域社会の諸課題の解決に向けた主体的な学びを深めています。今回は同校を卒業後、就職情報会社で活躍された後、そのキャリアを活かして母校のキャリア支援センターで後輩のキャリア・就職支援を長年続けてこられている、キャリア支援センター 名古屋キャリア支援課の山本課長に、愛知大学ならではのキャリア・就職支援の取り組み等についてお聞きしてきました。
※記事の内容は取材当時のものです。

時代に対応した、真の国際人・地域発展に貢献できる人材の輩出を目指す。

――貴校では「知を愛し、世界へ。」という言葉をブランドスローガンに掲げていらっしゃいますが、この言葉は校名の由来でもあるそうですね。
愛知大学という校名の由来を、多くの方が「愛知県にあるから」と思っていらっしゃるのですが、実はこの校名はフィロソフィア(ギリシア語で「知を愛する」のいう意味で、哲学/英語のフィロソフィーの語源)、創業者たちの「本学をして永遠に智を愛する者達の殿堂たらしめよ」という崇高な理念が込められ、この名称となっています。さらに建学の精神にも掲げられている「国際的教養と視野を持った人材の育成」に、今後も邁進していくという意思表明として、このブランドスローガンが制定されました。

本学は日本最古の海外高等教育機関をルーツに持つことから、世界のリアルを肌で感じることのできる現地主義教育を一貫して行っています。世界13カ国・地域の45大学と提携した留学制度や、名古屋キャンパスに隣接しているJICA(国際協力機構)や名古屋国際センターと推進している共同事業、中国国内での「現地インターンシップ」やアメリカ・イギリス等での「国際フィールドワーク」等、様々な機会を通じてグローバル時代に対応した真の国際人の育成・輩出に全学を挙げて取り組んでいます。
――そしてもうひとつ、建学の精神として「地域社会への貢献」も掲げていらっしゃいます。
本学は開学以来70年以上の歴史の中で、愛知・岐阜・三重・静岡といった各自治体の公務員をはじめ、地元の優良企業に人材を輩出してまいりました。さらに多くの学部で地域に出て調査・研修等を行っているのが本学の特徴で、自治体・地域企業との産学官連携事業の推進により、地方が自律的に問題解決していくことが求められる時代に対応し、課題発見・解決能力に優れた地域発展に貢献できる人材の輩出を目指しています。

2011年から「愛知大学・包括的キャリア形成支援システム(CISA)」を導入。

――続いて、貴校のキャリア支援センターのご方針についてお教えください。
本学では先ほどご紹介しました建学の精神である、世界を結び、地域に貢献する人材の輩出に向けて、「主体的な学び・経験の蓄積による自立・自走型人材」の育成を主眼に置いたキャリア支援を行っています。卒業をゴールにせず、また就職を目的とせずに4年間の学生生活をトータルでサポートするため、低年次から正課科目としてのキャリアデザイン関連教育を、そして正課外ではPBL(課題解決型学習)プログラムである「Learning+(ラーニングプラス)」を展開、企業・官公庁と連携し、社会の抱える課題の解決に取り組むプロジェクト型の学びを通じて、経済や産業の構造が変化し、働き方も多様化する現代社会を生き抜くための考え方や人間性を育んでいます。また1・2年生を対象とした産学官協働のキャリアデザインプログラム「CAREER FIELD」では、学生の社会人基礎力の養成や、望ましい就業観の醸成を目的として、現場(FIELD)理解に貢献する実践的な学びを創出し、低年次学生が将来のキャリアビジョンを描くことを支援するプログラムを展開しています。この他にも本学では正課・正課外の両面から、学生が早くから大人や社会に接して、鍛えてもらえる機会を設けることで、低年次から将来のキャリアビジョンを描くことを支援するプログラムを多彩に展開しています。
――それらのプログラムを貴校では「CISA(シーサ)」として包括的に取り組んでおられます。
本学ではかねてより社会と直結する実践的な学部教育や独自のキャリア形成プログラムを通じて多くの優秀な人材を送り出してきましたが、経済や産業の構造変化や雇用・労働のあり方の多様化、大学卒業者の就業観の希薄化、社会人としての基礎スキルの低下といった問題に対応すべく、2011年から「愛知大学・包括的キャリア形成支援システム(CISA)」を導入しました。これは正課の授業を中心とした学士課程教育、正課外の様々な学生生活・課外活動、そして私たちキャリア支援センターが中心になって実施しているキャリアデザイン・就職活動支援の3つを相互に連携させながら、1年次から4年次まで体系的に実施することにより、望ましい職業観と社会人スキルを備えた自立・自走型人材の育成を目指す取り組みとなっています。

またこのシステムは学生の主体的な学びをより加速させるために、年々進化させていっており、例えば先ほどご紹介した「CAREER FIELD」では2021年より学生による連携サークル「CAREER FIELD LEADERS」が発足し、各種プログラムを学生が主体性を持って企画・運営・情報発信等を行っています。プログラムに参加した学生が今後はプログラムを運営する側となって、ひとつのプログラムを創り上げていく、その過程で得られる学びや気付き、経験は将来にきっと活かすことのできる貴重なものになるでしょうし、今後このサイクルを回していくことで、自立・自走型人材の育成のための礎のひとつになればと期待しています。

学生に求めるのと同様に、我々職員も主体的に考え、行動しなければ。

――CISAの各種プログラムを拝見しますと、日々の学生生活をいかに充実させて過ごすかが、とても重要だということに改めて気付かされます。
仰る通りで、4年間をただ漫然と過ごすのではなく、自分の将来についてしっかりと見据えて何かに挑戦しようという気持ちを学生に持たせること、そしてその気持ちに応えられる受け皿、仕組みを大学としてきちんと体系化していくことが大切です。長い人生を見た時に、何かに自発的に挑戦したという経験が、その瞬間にはわからなくてもきっと将来は大きな差になるということを、学生だけでなく我々自身も信じて、取り組みを続けていきたいと考えています。そしてその結果、どのような人生を歩んだとしてもこの道でよかった、そして愛大に入ってよかったと思ってもらえれば、これに勝る喜びはありませんね。
――コロナ禍においても、様々な新しい取り組みを進めていらっしゃるそうですね。
以前は対面で行っていたキャリア支援ガイダンス等は、現在は対面とオンラインのハイブリッド型で実施をしています。最近力を入れているのが就活を終えた4年生やOB・OGへのインタビュー等、様々な情報を動画にまとめてオンラインで配信する「愛大就活チャンネル」を独自で運営しています。学生の傾向に合わせて10~15分程度のコンパクトな長さにしており、動画の作成はすべて内製化、そのため当センターの職員も学生とともに出演しているのですが、皆が楽しくやってくれているからでしょうか、学生の視聴数も増加傾向で、昨年度は動画約70本に対して総視聴数が約20,000回、今年度は約130本に対して約30,000回視聴されています。
――今後の貴校のキャリア・就職支援において、特に重視していきたい点がございましたらお教えください。
先行き不透明で変化の激しい社会環境下で学生のキャリア形成、進路・就職支援を展開するキャリア支援センターは重責を担っています。先ほど学生向けの動画を内製化しているという例をご紹介しましたが、これには学生に対して自立・自走型人材を目指せといっているのに、我々が自分で考えて行動しないわけにはいかないだろうという思いから、職員それぞれが企画を考えて、試行錯誤しながら、かつ楽しみながら取り組んだ支援策のひとつです。大学職員はともすれば「井の中の蛙」になりがちですので、自分たちも時代の変化に合わせて柔軟に対応するために常にアンテナを高く張りながら、何事にも主体性を持って学生支援に携わっていくことが何より大切ではないでしょうか。学生もこの職員は信用できるかどうかを見極める力は持っていますので、この人なら信頼して何でも相談してみようと思ってもらえる職員の育成を、センター長と連携しながら組織全体で取り組み、教職協働で学生支援の強化につなげていきます。
――では最後に、貴校並びに貴校学生のPRをぜひお願い申し上げます。
いつも本学並びに本学学生に多大なるご支援を賜り、誠にありがとうございます。建学の精神である「世界を結び、地域に貢献する人材」を社会に輩出し続けるという責務は決して曲げることなく、時代の変化に対応できる自立・自走型人材の輩出を各方面へ送り出してまいりますので、これからもぜひご期待いただき、様々なチャンスを与えていただけますようお願い申し上げます。

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