グローバル人材採用のススメ

海外事業を担う、将来の中核人材として
グローバル人材採用に注力。

株式会社G-7 ホールディングス 人事部 採用課 課長代理 岸本貴明さん
株式会社G-7 ホールディングス
1975(昭和50)年に創業者(現取締役名誉会長)の木下守さんが、兵庫県加古川市のボウリング場「セブンボウル」の駐車場で「オートセブン加古川店」を開店し、カー用品の販売を開始したのが株式会社G-7 ホールディングスの始まりです。その後、カー用品の全国ブランド「オートバックス」や、食のプロから一般の方まで利用できる「業務スーパー」を展開するメガフランチャイジーと飛躍的な成長を遂げ、2005(平成17)年に東京証券取引所市場第一部に上場、また2006(平成18)年には純粋持株会社である株式会社G-7 ホールディングスとしてグループ経営に移行し、新たな挑戦として「バイクワールド」事業をはじめとする様々な事業にも進出しています。
さらに同社は2012(平成24)年にマレーシアにオートバックス1号店をオープンさせる等、東南アジアを中心とした海外事業にも積極的に取り組んでいます。今回は同社で長きにわたりオートバックスで店長を歴任された後、2019(平成31)年から採用担当として若手人材の獲得に奔走されている岸本課長代理(写真右/写真左は人事部次長 久本和弘さん)に、同社のグローバル人材採用の実情についてお教えいただきました。
※記事の内容は取材当時のものです。

創業100周年時に売上高1兆円、経常利益500億円を目指す。

――貴社は「オートバックス」や「業務スーパー」の最大手フランチャイジーとして成長してこられましたが、同時に自社独自のブランドも多く立ち上げられ、事業展開をしておられますね。
確かに「オートバックス」「業務スーパー」の2つが当社の主軸事業となっていますが、それ以外にもトータルバイクライフ事業やリテール・デベロップ事業、食品製造・加工・販売・レストラン事業といった様々な業態に取り組んでおり、9社の国内事業会社を通じてより質の高いサービスを提供することで成長を続けています。また当社では創業40周年を迎えた2016(平成28)年に「21世紀ビジョン」を掲げており、100周年企業グループを目指すとともに、創業100周年時(2076年)に売上高1兆円、経常利益500億円達成の実現に向けて、様々な挑戦を続けています。
――その実現のために重要になってくるのが海外展開の成功です。
先ほど申し上げた21世紀ビジョンでも「日本・アセアン・アジア地域で事業展開するグローバル企業グループを目指す」としており、海外進出の成否が当社の今後を大きく左右と言っても過言ではありません。当社の創業者である木下会長はかねてより「日本が世界に誇れるものは二つ。それは、小売業のホスピタリティ、そして農業の生産技術・生産効率の高さ。どちらも、東南アジアという巨大マーケットに広げていける」と申しております。当社では2012(平成24)年にマレーシアに1号店をオープンしたのを皮切りに、現在ではオートバックスとバイクワールドをそれぞれ3店舗展開、また成長著しい海外の中古車市場に日本ブランドの良質な中古車を輸出するビジネス等を手掛けています。またアグリ事業についても農産物の産直市場である「めぐみの郷」や、こだわり食品・プライベートブランド事業を国内で展開しており、ゆくゆくは海外進出を視野に入れながら拡充を図っています。

3年前から毎年30名程度のグローバル人材を採用。

――21年4月入社の採用予定数をお教えください。
170名強の方に新たな仲間として加わっていただく予定です。例年は100名から多くても150名程度でしたので、かなり多くの方を採用に成功することができました。高卒・大卒の比率も6:4と高卒の方が多いのも例年とは少し違いますね。
――求める人物層に関してはいかがでしょうか?
まずは当社が展開する各店舗のスタッフとして働いていただくことになりますので、明るくて積極的に行動できる方、気配りのできる方、そして笑顔がよく出る方を求めています。
――貴社は神戸市の本社がありますが、採用は全国で実施しておられるのでしょうか?
はい、関西圏だけでなく関東、東海、九州等で行っています。ただし採用スタッフは神戸に3名、横浜に1名と決して多くなく、且つ中途採用やグローバル人材採用等も並行して行っていますので、なるべく効率よく活動ができるよう心掛けています。
――170名強の方々の中で、グローバル人材は何名いらっしゃいますか?
30名程度で、これはほぼ例年通りです。ほとんどの方が大学や専門学校に留学に来られた外国籍の方で、ネパールやスリランカ、ミャンマーといった国の出身者が多いのは当社の特徴でしょうか。
――いつ頃からグローバル人材の採用に力を入れるようになったのでしょうか?
3年程前からですね。残念ながら日本国内では若者の車離れ、バイク離れが進んでいますが、海外市場、特に発展著しい東南アジアでは車・バイクの需要がますます旺盛になっていくと考えています。当社におけるオートバックス・車関連事業並びにバイクワールド事業がこうした市場を狙っていく上で、中核人材になっていただきたいという願いを込めて、グローバル人材採用に注力しています。
――選考の基準等で日本人学生と違いはありますか?
日本語能力に関してはN2以上としておりますが、それ以外は変わりません。先ほど求める人物像で明るさ、積極性、笑顔とお話ししましたが、いずれもグローバル人材が強みを発揮できる特性となっており、その点で心配することはないですね。

3年間続けてきたからこそ、見えてきた課題、改善点がある。

――グローバル人材に関しても日本人学生と同様、まずは店舗に配属されるわけですね。
はい、ここ3年間で100名超のグローバル人材を採用してきましたが、そのほとんどがオートバックス事業に配属されており、店舗で勤務しています。また、まだ数名ですがバイクワールド事業への配属も始まっています。また新入社員研修に関しては、当初は日本人と同じ内容を受けてもらっていたのですが、それだとどうしても伝えきれていないことがあった、というこれまでの課題を改善すべく、今年からはそれに加えてグローバル人材向けの追加プログラムを受講してもらえるよう準備を進めています。
――3年間続けてこられたからこそ見えてきた課題であり、改善点ということですね。
改善しないまま店舗に配属してしまうと現場で問題が生じないとも限りませんし、また改めて集めるとなると相当な負担になりますので、なるべく丁寧に教育・研修を施したうえで送り出すことが大切だと考えています。また多くの店舗で先輩のグローバル社員が働いており、新入社員が安心して働ける環境が整えられているのも、グローバル人材採用を継続してきたメリットだと考えています。
――では最後に、グローバル人材を採用してよかったこと、変わったこと等があればお教えください。
当社で働くグローバル人材は、いずれ母国に帰って一旗揚げて、というよりはずっと日本で働き続けたいという方のほうが多いのですが、共通して言えるのは真面目で一生懸命、そして昨今の日本人の若者にかけている積極性を持っていますので、他の社員に対する刺激剤になってくれていますし、働く意欲を変えてくれているように感じています。開始から年月が浅く、まだグローバル人材の中から店長といった要職に就いている社員はいませんが、これからはそうした人材が一人でも多く出てくることを期待したいですね。

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