グローバル人材採用のススメ

グローバルな視点を持ち、
「多様性を受入れられる人」を採用したい。

株式会社ヒューマンクレスト 管理部 コーポレートブランディング室 鍋嶋栄美さん
株式会社ヒューマンクレスト
株式会社ヒューマンクレストは、私たちの快適な生活に欠かすことができないソフトウェアやITサービスが正しく動作するか、またユーザーにとって利用しやすくなっているかといった「評価」、「検証」、そして「改善」を行う専門集団です。開発後のテストによる検証や評価を行うだけではなく、企画段階からよりよい製品づくりに向けたコンサルティングを実施したり、テストを簡単に自動的に行えるツールを自社で開発・提供したりする等、様々な角度からソフトウェア・ITサービスの品質改善をサポートするプロ集団として、お客様から高い評価を得ています。「世界一のQAソリューションカンパニー」を目指し、2015年にベトナムに関連会社を立ち上げる等、グローバル化の動きを加速させている同社の人材採用戦略について、採用担当をお務めの鍋嶋さんにお聞きしてきました。
※記事の内容は取材当時のものです。

北海道や九州・沖縄といった地方での採用に活路。

――20年4月の採用数及び21年4月の採用予定数についてお教えください。
当社ではエンジニア(QAエンジニア)と営業(ソリューションセールス)の2つで職種別採用を行っており、今年はエンジニア9名、営業1名の計10名が入社しました。21年はエンジニア5名、営業3名の計8名が入社予定です。当社の採用の特徴のひとつが、多様性を重視している点です。必要以上に門戸を狭めることはせず、実際にエンジニア職でも文系や芸術系出身の学生を採用しています。もちろんITに興味を持っていることは大前提ですし、ないよりはあった方がいいですが、今持っている知識やスキルよりも、その後伸びるかどうかに影響する向上心や自主性といった人物本位の採用方針です。また、学習意欲の高い方がより効率よくスキルを伸ばせるよう、教育・研修プログラムを充実させていますので、大いに活用してもらいたいです。

さらにもうひとつが北海道や九州・沖縄といった地方での採用が多いという点で、横浜本社でありながら首都圏出身者は20卒で10名中3名、21卒では8名中2名となっています。東京や横浜といった大都市圏は学生数も多いのですがそれ以上に企業数、すなわちライバルが多く、優秀な方との出会いの確率が低くなりがちです。反面、横浜からわざわざ地方へ出向いて採用する企業は少ないため、当社の規模や知名度でも十分に戦うことが可能になりますので、優秀な学生を採用するにはとても有効な手段になっています。
――先ほど人物本位の採用と仰いましたが、貴社が求める人物像とはどのような方でしょうか?
会社はいろいろな個性の集合体だと考えており、「こんな人でなければ」と限定せず、様々な得意分野を持った人に集まってほしいと考えています。裏返して言うと、必要とされる素養はグローバルな視点を持ち、「多様性を受入れられる人」になるかと思います。例えば「〇〇人はこうだ」といった偏見や先入観を持つ人や、他人との意見や文化の違いを否定する人は、これから当社が目指しているグローバル化の動き、世界を舞台にした成長という方向性には合わないと思いますね。

さらにもうひとつ付け加えるとすれば「自主性の高さ」です。変化の激しいIT業界では新しい技術やトレンドが次から次へと世に送り出されてきます。そうした変化に柔軟に対応しつつ、常に向上心を持って学び続ける姿勢、受け身ではなく自ら情報を集め、発信することで自己の成長につなげていける自主性が、当社が今後生き残っていく上では不可欠になりますので、ぜひそうした強い気持ちを持った方にご入社いただきたいと考えています。

2016年頃からグローバル人材を定期的に新卒採用。

――社員の多様性、そしてグローバル化を推進するために、グローバル人材採用に取り組んでおられるわけですね。
2015年にベトナムのダナンに関連会社を設立すると共に、2016年頃からグローバル人材を定期的に新卒採用で受け入れるといった取り組みを進めており、これまでに12名が入社しています。先ほど申しました20年入社の中でも2名のベトナム人、21卒では1名のスウェーデン人が入社予定で、日本に来ている留学生の他にも、20年入社のうち1名はベトナムの関連会社でインターンを経験した後、4月から正式採用になり横浜本社で勤務しています。
――日本語の能力についてはどの程度を求めていらっしゃいますか?
試験合格を条件としているわけではないのですが、N1レベルを目安として選考しています。入社後は日本のお客様とやり取りをする仕事に就いていただくことになりますので、日本人と遜色ない程度の語学力は必要になります。
――先ほど職種別採用をされていると仰っておられましたが、グローバル人材に関しても同じですか?
はい、選考の基準や方法は日本の学生と全く同じです。これまで入社したグローバル人材は全員がエンジニアとして活躍してくれていますが、営業では採用しない、ということは全くありません。他にも新入社員研修についても同じ内容を受講してもらっています。違いを挙げるとすれば、日本語が早すぎて理解できない、ということがないように講師にお願いしていること、あとは選考時に「将来的に母国に戻りたいか」について聞くようにしています。これについては「将来戻りたい人は採用しない」ということではなく、将来どのようなキャリア形成を考えているのかを知っておくことはお互いに大切なことだという考えから、外国籍の方には必ず確認するようにしています。
――お互いに目指すゴール、時間軸をしっかり共有し、そこに向けて覚悟を持って研鑽していく、ということでしょうか。
そうですね。IT業界の中でも特に当社は専門性の高い業務に携わっていただくことになりますので、プロとして通用するようになるにはある程度の時間は必要ですし、そこに対する覚悟も見させてもらっています。ですが祖国を離れ、日本で働こうという方はそうした覚悟をすでに持っていますし、多くの外国籍社員が日本語に磨きをかけるべく日々勉強を続けています。そうした姿には見習うべき点が大変多いですし、今年の新入社員も研修の場で臆することなく積極的に発言していましたので、他の新入社員にとっても大きな刺激になっていると思います。

今後はリモートワークでも活躍できる人材の採用が必須。

――新型コロナウィルスの影響で採用活動はもちろん、貴社のビジネスの形も大きく変わったと思います。今後に向けてお考えのことがあればお聞かせください。
当社でも社員の約8割がリモートで業務を行っています。今後もこうした流れは変わらないと考えており、リモートワークでも活躍できる人材の採用が必須になってくると考えています。当社では21卒から会社説明会や選考といった全ての工程をオンラインで実施しており、もちろんコロナウィルスへの対応や利便性の高さもさることながら、学生がいかにオンライン化に対応できるか、例えば説明をしなくても自分で調べてZOOMを使って選考を受けることができるかといったITリテラシーや対応力が見られるようになったと感じています。

また「IT業界で働きたい」という意欲がより強い人を採用することも重要だと考えています。新入社員研修も全てオンライン化されている今、これまでのようにつきっきりで指導ができるわけではないので、ついていくことができずに途中で心が折れてしまうこともあり得るのでは、と考えています。社風がいいから何となくこの会社で、といった弱い動機ではなく、「ここで頑張るんだ」といったより強い志望動機を植え付けることも、私達に求められる重要なタスクになるのではないでしょうか。
――これまで以上により自社に合った人材の見極めが必要になってきますね。
そのためのひとつの手法として、学生との相互理解を深められるインターンシップが挙げられますが、インターンシップが就職活動の一部として一般化し短期化する中で、以前のような理想的な関係構築が難しくなったように感じており、今後の導入には慎重になっています。学生との接点に関しては、自社にとって最適なやり方を見つけるべく、これからも検討を進めていきたいと考えています。

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