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特別編:緊急事態宣言後の学生・大学就職部の動きについて

人事の図書館 編集長 大西直樹
新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が解除され、6月から経済活動の再開が本格化しています。しかし、コロナ禍が学生の就職活動並びに企業の採用活動に与えた影響は大きく、昨年度とはスケジュールも活動内容もかなりの変更を余儀なくされているのが実情です。
そこで人事の図書館では、2020年4月下旬に実施した会員向け緊急アンケートに引き続き、学生及び大学、そして企業の現状をお伝えすべく、特別編として今回より3回にわたって記事をお送りしていきます。今回は学生・大学就職部の最新の状況について、株式会社学情 学校企画部マネージャーの野嶋稔彦さんにお話をお伺いしました。
※記事の内容は取材当時のものです。

学生の就活は例年よりかなりの遅れ。

――緊急事態宣言は全国で解除されましたが、学生の就職活動は例年通りのペースで進んでいるのでしょうか?
いえ、かなり遅れていると言ってよいと思います。多くの大学で6月から学生に一斉連絡を入れて現在の状況を把握しようとしておられますので、その結果を待ちたいと思いますが、5月に一斉調査を実施したある大学の話ですと、3月上旬で就活の動きがストップしたままの学生が約半数もいたとのことです。多くの大学が直接面談での就職指導ができない中で、WEBを介したオンライン相談や電話・メールといった窓口で学生からの相談を受け付けていますが、その数は例年に比べるとかなり少なく、また相談に来る学生もほぼ固定メンバーになっている、と仰る大学もありますので、就職活動の本格化が全体的に広がっているとはとても言えない状態です。

一方、3年次にインターンシップに積極的に参加していた学生は順調に選考が進み、内々定を得ているようですが、例年に比べて受けている企業数が少ないので、納得感のある就活をしているとはとても言えない状況です。6月に入りようやく企業も動き出したようですので、学生にはあきらめずに最後まで頑張ってもらい、納得のいく就職活動をしてもらえることを願っています。
――大学就職部の動きはいかがですか?
緊急事態宣言は解除されましたが、ほとんどの大学で不要不急のキャンパスへの入構は控えるように、という慎重姿勢に変わりはなく、学生とのコンタクトはオンライン面談や電話・メールがほとんどで、直接面談を実施している大学はごくわずかです。学生のキャンパスへの入構に関しても、事前許可制で指定された建物への出入りしか認めない、という大学も多く、また在宅勤務が全面解除になっていない大学もありますので、以前の状態に戻るにはまだしばらく時間を要すると思います。

多くの大学で、学内合説もオンライン化を検討中。

――では、大学就職部に企業が訪問できるようになるのは、いつ頃でしょうか?
これは就職部単独で判断できることではなく、各大学で策定されている行動基準に従うことになりますので、現時点ではいつから、ということは申し上げられないのですが、前期期間中は難しい、とお考えいただければと思います。
――成績証明書等の各種証明書の発行は、いつから可能になりますか?
証明書発行の窓口は開いていますので、ほとんどの大学で発行は可能になっています。ただし、入構規制が続いている大学がほとんどですので、これまで以上に手続きが必要だったり、郵送に時間を要することもありますので、企業の皆様には時間的な猶予を十分に考慮いただけますようお願い申し上げます。また、健康診断書については、学内で健康診断を受診できない状態ですので、必要な場合は学生に一般病院で受診するよう、アドバイスをしてあげてください。またその際、診断書の発行費用の支援をご検討いただきたいです。
――3月頃に予定されていた21卒向けの学内合説が、今後実施される予定はあるのでしょうか?
現在のところ、未定の大学がほとんどです。今後、各大学で内々定調査を進めていく中で、恐らく昨年度よりもかなり低い数値が出るでしょうから、その際に検討される有力な対策の一つとして、学内合説が上がるのでは、と考えています。ですが、多くの学生・企業が集まることで、いわゆる3密の状況になることは避けなければいけませんから、3~5社程度の規模で複数日程での実施を検討されている大学もあります。

一方で、インターネットによる「WEB学内合説」の導入を検討する大学は増えています。22卒向けには多くの大学で実施されるのではないでしょうか。

22卒のインターンシップは大きく様変わりすることに。

――22卒向けのガイダンスはどのように行っているのでしょうか?
こちらも基本、オンラインで実施されています。最も多いのが、事前に作成した動画をオンデマンドで配信するもので、ライブ配信を行っている大学はまだ少数です。また内容に関してもパワーポイントによるスライドショー+音声で見せるものや、講師が登場するもの、当社のような就職情報会社に制作を委託するもの等、様々な形式があり、就職部としても何がいいのか手探りの状態だと思います。
――今後の学事日程のおおよそのスケジュールをお教えください。
大学によって若干異なりますが、前期の授業はほぼオンラインで行っており、成績についてもオンラインでの試験や課題提出に対しての評価で付けるところがほとんどです。夏期休暇についても前期の授業の遅れを取り戻すべく、短くなる大学がほとんどですし、理系に関してはこれまでできていなかった実験等を行うために、夏休みはお盆期間くらいの短期間になる予定です。夏期休暇期間をフル活用し、後期に関しては通常通りに戻すべく、各大学は調整を進めています。
――22卒向けのインターンシップに関しても、大きく様変わりしそうですね。
夏休みに予定されていた単位認定型のインターンシップに関しては、かなりの大学で実施を取りやめています。自由応募に関しても、特に理工系学生を対象にした中長期のインターンシップを予定しておられる企業は、上記の理由で授業・実験等で学生もかなり多忙になることが予測されていますので、学生集めには相当苦戦することになると思います。
――では最後に、大学就職部が企業の求めていることは何か、お教えください。
まず22卒向けのインターンシップに関して言うと、大学就職部としても企業がどのようにインターンシップを実施するのか、例えばオンラインでの実施なのか、もしくは対面で行うならどのような感染症対策を行うのか、動きがつかめないことを大変不安に感じています。実施の予定があれば、なるべく具体的な内容を早めに情報開示することで、大学就職部のみならず、学生の不安も払拭できるのではないでしょうか。

またインターンシップの内容に関して、オンラインでの実施に懐疑的な声も多く聞かれますが、今後さらにテレワークが進み、新しい働き方が定着していく中で、オンラインインターンシップのほうがリアルな働き方を体験できる企業もこれから増えていくのではないでしょうか。大学就職部はインターンシップが単なる会社説明会に終わることなく、本来の就業体験ができる場として期待しておられますので、オンラインであってもより実際に近い体験ができる機会となるように、工夫をしていただきたいと思います。

最後に、全ての大学就職部が、21卒についても22卒についてもとにかく「例年通り採用してください」と願っておられます。企業の皆様にも様々なご事情があり、困難な時を迎えていらっしゃると思いますが、一人でも多くの若者にチャンスを与えていただければと存じます。

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