注目企業の人事インタビュー 

過去に囚われず、常にゼロベースで
考えることが求められている。

小川珈琲株式会社 総合支援部 総務人事課 課長 弓指利武さん
小川珈琲株式会社
1952年(昭和27年)の創業以来、健やかな大地が育てたコーヒー豆だけが秘めている品種本来の味と香りで作り上げる「本物の価値あるコーヒー」を追求し、京都から全国に提供している小川珈琲株式会社。現在では国内のプレミアムグレードコーヒー市場で高いシェアを誇ると共に、健康志向の高まりで注目を集める有機栽培コーヒーも展開。「コーヒーは加工プロセスが少ないため、豆の品質が商品の出来を左右します。だからこそ情熱を持って豆を厳選し、情熱を持って焙煎してお客様にお届けする。それこそが当社の強みであり、絶対に譲れないプライドです」。そう教えてくださった総合支援部総務人事課の弓指さんに、これまで培ってきた独自の採用観について、伺ってきました。
※記事の内容は取材当時のものです。

「理念の共鳴」「情熱ある目標設定」「積極性×構想力」

――新たな採用パンフレットの作成にあたり、求める人物像の見直しをされたとお聞きしました。
これまでは「チャレンジ精神を持ち、主体的に行動ができる人」「ありたい姿に向かって学び、努力できる人」としていたのですが、抽象的で伝わりにくいのが理由の一つ、そして「チャレンジ精神」や「主体性」は、ほぼ全員がすでに有しているという前提で、学生と接するべきではないかと気づいたからです。実際、私がこれまで会ってきた多くの学生、若者は、個人差こそあれ 挑戦心や主体性を持ち、そして夢や目標を熱く語ってくれました。であれば我々はそれらを単に「求める」のではなく、いかに「引き出してあげられるか」を整理し提示することで、ミスマッチを少なくするとともに、入社後の成長をより促すことができるのではと考え、新たに策定しました。
――だからこそ、求める人物像は「3項目」ではなく「3段階」でお考えになられたそうですね。
まず我々が求職者に求めるのは「小川珈琲との共鳴」、企業理念、ビジョン実現への共感です。当社は「私達は珈琲職人として、本物の価値ある商品を創り、真心を持ってお届けする」を企業理念としています。例えば当社の営業は単に「コーヒー豆を買ってください」とは言わず、どうすればカフェやレストラン、スーパーといったお客様が繁盛するか、どうやってPRすれば売上増につながるかを一緒になって考え、提案することで、お客様に貢献し、選んでいただけるパートナーとなるべく、日々の仕事に取り組んでいます。 もちろん手間のかかることですし、売ることだけを考えれば、そこまでしなくてもよいのかもしれません。ですが全ては「本物の価値ある商品創り」のために、営業部門だけでなく全社員が一丸となって、それぞれの立場であらゆることにこだわっています。
――そうしたこだわりをより高い次元で実現するために、次の段階があるわけですね。
はい、次に私たちが求めるのが「情熱ある目標設定」ができ、実践できる人、そして最後が「構想力×積極性」を発揮し、次の時代に求められる価値の追求に向けて行動ができる人になります。情熱ある目標設定には企業理念の理解・共感が不可欠ですし、構想力や積極性を発揮してもらうには、自分自身、そしてチームの目標設定が必要です。そしてこれらは、これから入社してくる方だけでなく、全ての社員に求められる姿勢でもありますので、受け入れる側の既存社員への理解・浸透も図っていきたいと考えています。

女性の活躍が、新たな価値創造実現のカギ。

――既存社員への浸透が、冒頭に仰られた「いかに引き出してあげられるか」につながってくるんですね。
その通りで、いくら素晴らしい人材を獲得しても、迎え入れる企業の受け皿が穴だらけで、組織として未熟なままでは、せっかくの優秀な人材を駄目にしてしまうと思っています。なのに、「最近の学生は我慢がない」と酷評するのは早計で、企業内の風土や組織の立て付けがどうか、ここに問題がないかと見ることは、採用の成功に不可欠と思っています。「いい人材を獲得する」こと、そして「いい社内環境を作る」こと、この両方を揃えることが総務人事の責任だと思い、取り組んでいます。
――2020年4月入社の採用活動のご状況はいかがですか?
男性2名、女性4名の計6名の新しい仲間をお迎えする予定です。当社の新入社員はほとんどが営業職に配属になるのですが、応募段階から女性の方が約6割と多く、結果的に20代、30代の営業社員は女性の方が多いですね。これは私見ですが、今後の当社の発展には女性の活躍が不可欠だと考えています。これまで日本の発展を支えてきた人口増、右肩上がりの市況と異なり、人口減、不確実な時代を迎えた今、どちらかというと論理に重きを置く男性的な思考だけでなく、感性や情緒的思考に長けた女性の力を加え、男女それぞれの良さを融合することで、 新たな価値創造を実現できるのではと期待しているからです。
――女性が長く活躍できる制度作りも重要になります。
当社では育児をしている社員の時短勤務制度に関して、法律に定められた期間以上で規定しており、多くの女性社員がこの制度を活用しています。 ただし、まだまだ改善できる余地はありますので、人事評価制度や教育制度の改革と併せて、より社員の情熱が引き出せる制度・雰囲気づくりを進めています。
――社員同士の結束力を高める取り組みも多いですね。
仕事を離れた場でも、社員同士の仲がいいのが当社の風土で、例えば年の一度の社員旅行では、自由参加にもかかわらず毎年半数以上の社員が参加し、ワイワイ楽しんでします。また一方でお互いを高め合う雰囲気作りも大切にしており、通信・通学教育支援制度等 で、自らの研鑽に取り組む社員をバックアップしています。例えば全日本コーヒー商工組合連合会が認定している「コーヒーインストラクター検定」の取得に多くの社員が取り組んでおり、最難関の「コーヒー鑑定士」を取得している社員も在籍しています。

我々自身が挑戦心を発揮できているのか、自問自答してみる。

――インターンシップの実施状況についてお教えください。
冬期に加えて2019年から夏期も実施するようになり、それぞれ月2回ほどのペースで1dayインターンシップを開催しています。内容については、第1部が珈琲教室で、これは当社の営業社員がお客様向けに実施している珈琲教室の内容を体験してもらっています。そこでは自分たちでも実際にコーヒーを淹れてみて、少しの違いでも味に変化が出ることを知ってもらうことで、コーヒーの奥深さを体感いただく場にしています。そして第2部がマーケティング業務体験として、第1部で体感したコーヒーの奥深さや、小川珈琲ならではの商品へのこだわりを活かし、営業担当社員が扮したスーパーや雑貨店といった当社のお客様のバイヤー役に対して、どういった切り口で当社商品を売り込めばよいかを考え、実践いただいています。
――少し違った場所でのインターンシップも実施されたそうですね。
「SCAJ2019」という、アジア最大のスペシャルティコーヒーイベントが東京ビッグサイトで開催された際、約20名の学生にそのイベントに参加してもらい、様々なブースを見学してもらった後で、今後の小川珈琲の成長戦略について議論してもらうインターンシップを実施しました。いずれも重要なのは、小川珈琲という企業が何を大切にし、何をやろうとしているのかを、文字や言葉だけでなく質感を伴って理解いただくことだと考えておりますので、今後もこのような機会があれば積極的に利用したいですね。
――では最後に、新卒一括採用から通年採用へ、といった様々な採用環境の変化が予想されていますが、対応策はどのようにお考えでしょうか?
まず大前提として、学生に対して挑戦心や積極性を求めているにも関わらず、我々自身はそれらを持ち続け、存分に発揮しているのか、を自問自答するところから始めないといけないと考えています。その上で、採用を取り巻く環境が大きく変化している今、過去の成功体験にしがみついているようではダメで、極端な話、今までと同じことをやって失敗するくらいなら、違うことをやって失敗した方が価値がある、くらいの覚悟を持って、常にゼロベースで施策の見直し、改善を図っていくことで、新しい時代に即した小川珈琲の採用活動の在り方を、確立させていければと思います。

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