キャリアセンター訪問

組織改革を通じて、理想のキャリア支援の実現を目指す。

青山学院大学 進路・就職センター 進路・就職部部長 祖父江健一さん
青山学院大学
1874年に米国のメソジスト監督教会から派遣された宣教師たちによって創設された3つの学校を源流とする青山学院を母体に、1949年に開校された青山学院大学。現在では青山・相模原の2キャンパスに11学部25学科を持ち、学部生・院生あわせて約19,000名が学ぶ、日本をリードする総合大学の一つとなっています。キリスト教信仰にもとづく教育を行い、国内外問わず、広く社会に貢献できる人材を数多く輩出している同大学のキャリア支援のあり方について、2018年6月より進路・就職部部長をお務めの祖父江さんにお話しをお伺いしました。
※記事の内容は取材当時のものです。

職員が主体性を持った、強い組織づくりに取り組む。

――2013年まで進路・就職センターで課長として勤務された後、5年間の青山学院中等部での事務長としてのご経歴を経て、再び進路・就職センターに戻られてのご勤務になられたそうですね。
長い間、大学で勤務をしていましたので、中等部での5年間は、これまで気付けなかった様々な事を気付かせていただいた、とても貴重な学びのときとなりました。本学院の教育方針は「キリスト教信仰にもとづく教育をめざし、神の前に真実に生き、真理を謙虚に追求し、愛と奉仕の精神をもってすべての人と社会とに対する責任を進んで果たす人間の形成を目的とする」とあります。しかし振り返ってみて、進路・就職部での私は、進路決定率をいかに上げるか、また学生をどうやって大企業に就職させるか、といったことに視点が偏りがちで、本当の意味で学生の自立心の育成や、卒業後の本人の幸せを願う意識が、いつの間にか疎かになっていたように感じています。

中等部では、喜怒哀楽という文字に尽くせないほど多感な生徒たちを目の当たりにし、部長先生をはじめ、教師という仕事に誇りを持ち、葛藤しながらも生徒が本当に好きな先生方との出会いがありました。

また、大学と比べて規模は小さくとも学校運営を事務長という立場で携わり、中等部事務室で共に働く職員にモチベーションを常に与え続けること、育成を含めた人材マネジメントの大切さ、難しさを考えさせられました。あらためて本学のキリスト教教育の理念を通して職員として「教育」を考える原点の場になったことは、幸せな与えでした。中等部での働きと出会いがあったからこそ、その後の進路・就職センターでの業務が学生の生き方、幸せな人生を送ることに結びついているんだ、ということを心から確信できるようになりました。
――進路決定率ももちろん大事ですが、それよりも本質的な「為すべきこと」に、お気付きになられたわけですね。
中等部から進路・就職センターへ異動し、先ず取り組んだのが、私たち進路・就職センター職員の意識改革です。職員自身が誇りと希望を持ち、仕事に対するやりがいを持って働けなければ、不安や悩みを抱えて来室する学生への進路相談・支援は、本当の意味で果たすことはできません。

会議等の場では役職・年次に関係なく、全ての部員が平等に意見を発言し、ディスカッションのできる雰囲気作り、体制を意識しています。情報共有を大切にし、事務スペースを縮小してでも、15名が揃ってミーティングのできるスペースを創りました。私自身、日々の課員との何気ない雑談からのコミュニケーションを必ず心がけ、トップダウン型ではなくボトムアップ型の、部課員が誇りと意思を持った、一人ひとりの職員が主役となる組織を目指しています。

今年度後期からは若い職員からの発案で、キャリアチューター制度(4年生が後輩に就活アドバイスを相談)を発展させ、これまでは毎年約10人止まりのキャリアチューター(4年生)を、外国人留学生を含め60名にまで増やし活性化を図りました。キャリアチューター制度の運営管理は、職員には業務が増えることになりますが、それ以上に、4年生のキャリアチューターとしての存在・活躍が、進路・就職センターと学生との距離を縮め、身近な存在として学生たちに受け入れられることへと繋がります。そして何より、キャリアチューターを経験した4年生は、愛校心に溢れた社会人としての素晴らしい学びの機会になると思います。

当部の職員は誰もが仕事熱心で、常に向上心を持ち、学生一人ひとりに寄り添うキャリア支援を体現してくれています。人を愛し、人を幸せにすることで自らも幸せを感じられる、そんな優しく温かい雰囲気に満ち溢れた部署であることが、何よりも進路・就職部部長としての私の喜びになっています。

課題“発見”能力が、学生にも職員にも必要。

――部署の皆さんのそんな想いは、学生だけでなく保護者にも向けられているそうですね。
今年4月、「新卒一括採用から通年採用へ」との新聞報道があった直後、低学年保護者からの問い合わせが電話で多く寄せられました。これまで本学では毎年5月、3年生の保護者を対象に「保護者のための就職ガイダンス」を実施していたのですが、保護者の方々も不安を感じているのだろうと考え、今年度からは2年生の保護者も対象に加えてはどうか、と全体ミーティングで職員に投げかけてみたのです。直前ということもあり、また対象が倍になるということは、仕事も当然倍になりますが、「いま私たちがやるべきことが何か。ポジティブに考え、そして、動こう」と全員が能動的に受け止め、実施いたしました。当日は数多くの保護者、特に2年生の両親ともに参加されていたケースが多く見られ、保護者の方々へ不安の払拭に少しは役立てたのでは、と感じています。

またガイダンスの内容に関しても、従来は就活スケジュールや内定までの進め方が中心だったのですが、そうした情報はネットでも得ることもできます。「本当に保護者が求めている情報は何か」を、もう一度見つめ直してみたんです。そんな中、前年度のアンケートを見返してみると、知りたい内容として「就活時の子どもとの接し方がわからない」という回答が多いことに気付きました。そこで卒業生や就活を終えた4年生に、就活時に親にしてほしかったことや、言われて嬉しかったことを調査したところ、あっという間に数多くの回答が集まりました。学生もきっと、言いたいことがいっぱいあったんでしょうね。ほぼそのままの内容で保護者の皆さんに伝えたところ、大好評で、中には涙を流しながら聞かれていたお母様もお見受けいたしました。
――ノウハウだけでなく、気持ちの部分を伝えてこそのガイダンス、キャリア支援になるんですね。
キャリア支援に限らず、学校での業務も全ての仕事も、誰の何のためにこの業務を行っているのか、その気持ちを決して疎かにしてはいけないということを、部長として再認識しています。また、もう一つ重要なことは、これからの時代に求められてくるのは、課題“解決”能力よりも、課題“発見”能力ということです。

今後、さらにITやAIが発展すると、課題の解決はそこに期待してもよいのかもしれません、ですが課題を発見する力、言い換えれば0から1を生み出す力は、やはり感情を理解する人間がAI等を比べてもまだまだ優位な能力ではないでしょうか。世界の共通課題であるSDGsをはじめ、実社会から学び、そしてもっと多くの気付き・発見を得るために、学生はもちろん、私たち進路・就職センターのスタッフもこれまで以上に様々な分野の方々と交流し、本学のステークホルダーと接する職員が多様な価値観を持って、今後さらに変化が厳しくなる業務に対応していかなければならない、と考えています。

本学学生と採用担当者様とのご縁を信じ、1つ1つの企業様と向き合う。

――企業との交流の場も、これまで以上に広げておられるとお聞きしました。
今年から新たな取り組みとして、「本学の学生を愛して止まない小さな感謝会」として、長きにこれまでお世話になってきました中堅中小の企業を対象に、情報交換会を実施させていただきます。これまでも大人数参加の情報交換会・交流会は開催してきましたが、今回は、企業の採用担当者様と部課員が、ともにテーブルに着座、軽食とお茶をご用意して、じっくりと採用等に関する情報を交換いただける形式としました。「小さな感謝会」ですが、役職を問わず全ての部課員が同じ目線で企業担当者の方と向き合わせていただくことで、職員一人ひとりの責任感や向上心の醸成に役立て、進路・就職センターのチーム力を固くし、結果、本学学生への進路・就職支援へと繋がることを期待しています。

スマートさと泥臭さを併せ持つのが、青学生の魅力。

――「英語の青山」と呼ばれるほど、語学教育や外国との交流にも熱心ですね。
教育面では学部毎にそれぞれ独自の英語教育を行っており、外国語で聞く、書くに加えて、外国語で思考し、発言する講義が中心になっています。また本学には現在、学部生・院生併せて728名もの外国人留学生が学んでおり、常に異文化と触れ合う学生生活を過ごすことで、語学力だけでない、真の国際人への基礎を身に付けることができるのも、「英語の青山」を支えている一つの要因だと思いますね。
――では最後に、青山学院大学生の魅力について、ぜひPRをお願いします。
皆さんもよくご存じの、本学陸上競技部(長距離ブロック)の選手たちが、本学の魅力を一番体現してくれていると思います。本学のイメージそのままに、スマートで快活、知的であると同時に、結果に対して凄まじい努力をいとわない精神力の強さ、泥臭さを併せ持ったタイプの学生が多いのが本学の特徴です。また素直で、何事も先入観なく受け入れられる素地を持った学生が多く、社会に出てからの伸びしろが大きいのも特徴の一つです。反面、あまりガツガツと前に出るタイプは少なく、面接等では少し物足りなさを感じられるご担当者もいらっしゃるかもしれませんが、そうした学生ほど必ず内に秘めたガッツを持っています。人事の皆様にはそこをうまく引き出していただき、御社の社員として採用というご縁に繋がりますと幸いです。今後とも本学、ならびに青学生にどうぞご期待ください。

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