3月に本格的なスタートとなった2018年卒学生の就職活動。3月上旬には弊社主催「Super Business Forum」をはじめとする大型就活イベントが連日のように開催された。時を同じくして各大学では学内合同企業説明会も開催され、学生が直接企業の話を聞ける多くの場が提供された。しかしながら、就活イベントや学内合同企業説明会でよく見られたのは、一部の人気企業や、知名度のあるBtoC企業のブースに集中する学生の姿である。「学生優位の就職活動」という趣旨の報道や先輩からの声が学生の安心感に繋がっているのか、面談数の多い企業とそうでない企業の差が、今年はさらに開いた印象だ。大学関係者は、学生が狭い視野で就職活動をすることに危機感を強めており、業界や企業を幅広く研究するよう指導している。 またこの1ヵ月間の状況をみると、学生の就職活動の取組みや進み具合が二極化している印象だ。2月以前より就活準備を進めていた学生は、3月に入って、志望業界や志望企業が具体的になっており、動き方も迷いがない。このような学生は、企業からも好印象で、今後は6月を待たずに選考・内々定獲得へと進む可能性が高い。一方で、3月になってから就活を始めた学生は、大量の企業情報の中から的確な選択ができず、3月末までにエントリーシート締切を設定する企業が多い中で、焦りながら、迷いながらの就職活動を続けている。ただ、そういった学生も時間の経過とともに、自分のやりたいことや目指す方向が固まってくるものである。企業としては、学生がこうした気付きを得るのを待ちながら、長期戦も視野に入れた採用活動をしていくことも求められそうだ。(岩本 和彦)