• お問い合わせ

学情レポート 2016.06

企業の動向・学生の動向 【2016年6月10日号】

企業の動向・学生の動向

■企業の動向

 5月~6月上旬は2017年卒学生に対する選考の山場となった。経団連の「採用選考に関する指針」の改定に伴い、選考解禁日が前年度の8月1日から6月1日へと2ヵ月前倒し。これにより、当初は本格的な採用活動時期を大手企業の選考・内々定出しが落ち着く6月の前後どちらにすべきか思いあぐねていた中堅・中小企業もあったが、ふたを開けてみれば「6月前」が選ばれ、多くの企業で5月中旬を目標に内々定出しが進められていった。例えばある中小のサービス業では、10名の採用目標に対して既に20名の内々定を出して辞退に備えている。こうした企業は少なくない状況だ。もっともこうした動きは中堅・中小企業に限ったことではない。大手企業においても5月中に一定数の内々定出しを押し進めたところもあれば、4~5月からリクルーター面談等を通して実質的な選考を済ませ、6月1日は内々定を伝えるために来社してもらうといった動きも見られた。弊社が1月に調査した採用計画アンケートによると、6月の選考開始を「遵守する」は19.2%に留まり、「6月より早く選考をする予定」は62.0%であった(出所:学情「2017年3月卒業予定者 採用計画アンケート(2016年1月5日~29日調査)」)。ここまでの状況を見ると、6月より早く選考を開始した企業は、実際はもっと多いとみられる。一方で6月を選考だけでなく、再母集団形成の期間として捉える企業も出てきている。6月に開催される弊社主催合同企業セミナー「就職博」は各地区で出展上限数に達しており、内々定辞退者分の空き枠の補充や大手企業の選考不合格者へのアプローチに力を注がれていきそうだ。

(中村 秀和)

■学生の動向および学生を取り巻く就職環境について

 6月1日を迎え、経団連による「採用選考に関する指針」を遵守する企業と2017年卒学生との面接が本格的にスタートとなった。しかし指針を守る企業は一握りにすぎず、多くの学生は6月を待たずして既に面接を受け、内々定獲得に至っている。5月23日~28日に弊社が行った内々定調査では、文系学生では40%が、理系学生においては50%程が既に内々定を獲得している状況だ(関東圏、東海圏、関西圏の延べ98大学の就職希望学生を対象に調査)。各大学でも5月中旬頃から「面接日程重複の調整の仕方」や「複数内々定に対しどう対応すればよいのか」といった相談が目立っているという。各社の採用意欲は昨年同様高く、優秀な学生を採り逃さないよう選考が前のめりで押し進められており、それが内々定を獲得しやすい環境を生んでいるといえる。その一方で、選考が上手くいかず、面接対策の相談や企業・業界の見直しの相談も増えだしているようだ。キャリアセンターからは「内々定に関する相談のためにキャリアセンターに訪れる学生は既に複数内々定を獲得していることが多い。一方で選考に関する相談を寄せる学生の多くは不合格の連絡ばかりもらっている状況」といった声が多く、二極化の傾向が見られる。
  5月中に内々定を獲得した学生において、その多くが就職活動を継続する意向だ。前述の内々定調査における学生全体の就職活動継続率は、文系が90%、理系が80%程と高水準である。本命企業の選考は6月に待ち構えており、この6月が活動終了か継続かの大きな分かれ目になりそうだ。

(江村 朋裕)

レポートダウンロード